きょう体の開け方
最終更新 2003/07/21
このページはApple Power Macintosh G3 DTをパワーアップするための情報を掲載しています。
この情報はあくまでも私が試したことの紹介です。この通りにして何らかのトラブルが起こっても保証の限りではありません。もし試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。
きょう体の開け方
では、きょう体を開けてみましょう。アップルの付属マニュアルを持っている人は事前に目を通して下さい。私よりメーカの説明の方が詳しく正確であるからです。
本体の電源を切り、ケーブルを全て外し、安定した場所に移動します。
- アップルのマニュアル「はじめにお読み下さい。Getting Started」には「コンピュータの電源コードを接続したままにすることで接地が保たれ、静電気による傷害を防止することができます。」と書かれています。しかし、日本ではアース(接地)のできるコンセント(3穴のもの)は普及していません。アップルの電源コードも3端子のものではなく、アース端子の代わりに緑のアース線が付いている2端子のものです。これをアース対応のOAタップにつないでも、壁のコンセントが普通の2穴タイプなら効果はありません。
- かえって誤って作業中に電源ボタンにさわって電源を入れてしまうことの方が恐いです。アップルのマニュアルにも「△重要:電源のスイッチをオフにしても電源は通っています。△」と注意書きがあります。マニュアル通りに電源コードを接続したまま作業をされる場合には電源ボタンに絶対に触らないように注意して下さい。
- 静電気とは自然に人体にたまり、ある程度たまると、手などが金属物に近づくと「バチッ」と放電するあれです。特に冬場の乾燥したときによく経験すると思います。これが何万ボルトという高電圧なので、作業中に放電するとマザーボードやカード、モジュールについている半導体チップ(LSIやIC)が壊れるのです。流れるのは一瞬なので人体に害はないのですが、半導体チップには致命的です。実際に「バチッ」と放電しなくても、静電気は触れれば抵抗の少ない方に流れるので、マザーボードに触れれば体にたまった静電気がマザーボード上の半導体チップに流れてしまいます。体に静電気がたくさんたまっている状態で触ってしまうと半導体チップを壊していまう可能性があります。
- そもそも半導体チップは3V(3ボルト)や5Vで動作するよう作られています。ここに何千ボルト、何万ボルトの電圧がかかると簡単に壊れてしまいます。壊れた半導体チップは修理不能で交換するしかありません。しかし、壊れるといっても外見上にはそれほど変化がないので、ボード上のどの半導体チップが壊れたのかを突き止めるのは至難のワザです。そのためボードごと交換することになり、多くの出費を強いられてしまいます。静電気には十分注意が必要です。
- 人体にたまった静電気は、作業前に金属製の水道管に触れることで逃がすことができます。水道管は基本的に地中からきているのでアースできるわけです。ただ、塩化ビニール製の水道管などもあるので、手近の大きめの金属物にもいくつか触ることをお奨めします。人体より金属の方が静電気には居心地が良いので(抵抗が小さいので)そちらに流れてしまうのです。また、洗濯機用のコンセントには漏電防止の専用アース端子があるはずです。
- 静電気をためないようにする必要もあります。セーターや化学繊維で作られた衣類などは静電気がたまりやすいので、冬場の作業時は脱ぎましょう。乾燥しているのも良くないので加湿器などで加湿しましょう。(やかんでお湯を沸かして湯気を出しても同じです。)作業に時間がかかる場合には途中で再度静電気を逃がすようにしましょう。
- 余談ですが、何万ボルトもの電圧が人体にたまっていれば死んでしまうのではと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。これはたまっている量が少ないからです。静電気が放電した時に「バチッ」っとショックを受けますが、その程度の量しかたまっていないというわけです。しかし、小さな半導体チップには少ない量でも致命的なのです。
- 作業をする際には安定したところで行いましょう。パソコンラックの上でも構わないのですが、作業がしやすいような広いテーブルなどの上に移動した方が安全です。
セキュリティ・バーを外します。
- セキュリティ・バーはきょう体内部の部品盗難防止用のロックです。
- 私は元からつけていないのでこの行程を省略します。
きょう体カバーを開けます
- きょう体の前部下にあるロック解除ボタンを押しながらきょう体カバーを手前に少しスライドします。そのまま上に引き上げればきょう体カバーは簡単に外せます。よく最後まで前に引こうとする人がいますが、カバーときょう体には噛み合わせ用のフックがあったりして引っ掛けたりしてしまいます。Macintoshのきょう体の場合には「上に引き上げれば簡単に外せる」ことを覚えておきましょう。
シールドカバーを外します。
- 電磁波シールドカバーを外します。マニュアルによると3枚に別れているはずですが、2枚にしか別れていませんでした。CD-ROMドライブ用と今回MOドライブを増設するスロット用が点線の部分で2つに別れているはずなのですが、1枚になっています。これではMOドライブ増設後はCD-ROMドライブ部分のシールドが無くなってしまいます。まあ、神経質になるほどの事ではないでしょう。
- シールドは簡単に外れますが、変型しやすので慎重に外しましょう。
ドライブベイの種類
ここで簡単にドライブベイを説明します。Gossamerは従来の同じきょう体に搭載されていたマザーボードより小型です。下の写真の通り矢印部分だけ小さくなっています。その空いた赤枠部分にHDDが搭載されているのです。そのためドライブベイに一つ余裕があります。つまり、従来のHDD用ベイが空いているのです。内蔵HDDはきょう体底部のマザーボード横に移動しています。
次の写真のように、このきょう体にはドライブベイが4つあります。3.5インチ用が1つ(A)、3.5インチリムーバブル用が2つ(B、C)、5.25インチ用が1つ(D)あるのです。それぞれが、A)空き、B)FDD、C)空き、D)CD-ROMドライブ用に使われています。それに先に述べたきょう体底部のスペースを合わせると5台の記憶装置が内蔵できるのです。CD-ROMは読み出し専用なので4台ではと思う方もいらっしゃるでしょうが、これをCD-RWドライブなどに交換すれば「記憶」ができるので5台ということになります。
今回は3.5インチリムーバブル用ベイ(C)を使用しますが、もう1つの3.5インチ用ベイ(A)にHDDを増設することが可能です。
きょう体内部へのアクセス方法