Macintosh 雑記帳（バックナンバー）

買ってしまった……

• とうとう Power Macintosh G3 を買ってしまった。思えば Macintosh Centris 650 を購入したのが1993年9月だったのだからもう5年半である。買っても問題ないだろう。
• しかし、買ったマシンは Power Macintosh G3 Blue & Ice ではない。どうしてもあのデザインが気に入らないのだ。SCSI がなくなろうが、シリアルがなくなろうが構わない。しかし、あのデザインだけは気に入らないのだ。色がついていても良い。だが、なぜポリカーボネートのつるつるしたボディーなのだ？なぜ透明ボディーにしなければならないのだ？古いと言われようが私は大嫌いなのだ。
• まだ中古市場には Power Macintosh G3 はほとんどない。逆にプレミアがついて値上がりしているという話もある。当然ながら新品は売れ残っていない。そこで英語版に手を出してしまった。並行輸入品なのでアップルの製品保証がなく、日本語版の Mac OS の動作保証もない。しかし買ってしまったのだ。もはや後戻りはできない。

• これが購入したマシンだ。略して G3 DT 266 と呼ばれるものだ。さすがに MT はなかった。本当はミニタワーが良かったのだがぜいたくは言えない。拡張性は充分とは言えないまでも、そこそこある。フロントにはリムーバブルディスクを1台、内蔵ディスクを1台増設可能である。マザーボードが小さくなり底部に HDD が実装できるためスペースができたのだ。また、Centris 650 に比べて横幅が少し広くなっていることもスペースアップに貢献している。
• ハード的には日本語版と同じだということだが、若干異なる。シリアルのうちモデムポートがふさがれていてモジュラージャックがついている。つまりモデムが内蔵されているのだ。これはアメリカで買う人にとっては良いことなのだが、私には困る。せっかくの56k モデムなのだが、英語版のファームウエアが載っているので日本では動かないだろう。通信規格も若干違うかもしれない。海外製のモデムなど通信機器が日本で発売されるのが遅れるのは、このあたりを微調整しているからなのだ。とはいっても元々同じ規格であり、ただ単に郵政省の認可待ちだけなのかもしれないが……。どちらにせよ私は ISDN なのでモデムは不要である。
• また、日本語版にはないキーボードがついている。Apple Keyboard II なら良かったのだが、Apple Design Keyboard という拡張キーボードである。今の Apple Keyboard II の1.5倍ぐらいのサイズがある。そして、日本未発売のため防塵用のカバーを手に入れるのは不可能だろう。どうしたものか。まあ、おまけでついてきたと思えば良いのだけのことか。そうそう、搭載メモリも32MBではなく、64MBである。少し得をした気分だ。
• ソフト面でも少し違うようだ。Mac OS 8.5 がプリインストールされている。日本語版では Mac OS 8.1 のはずである。さらに、Microsoft Office 98 Macintosh Edition もプリインストールされている。そういえばアメリカではそういうモデルも売られていたような気がする。これはラッキーかもしれない。日本語化しようと Mac OS 8.5J を同時購入したが、Japanese Language Kit にした方がよかったかもしれない。たぶん日本語化してしまえば Office 98 は動かなくなりそうだ。まあ、Microsoft Excel 4.0J や 5.0J があるから良いといえばそれまでだ。
• これらを私は251,979円で購入した。高いか安いかは人それぞれの価値観である。これだけあれば新型 G3 300 ぐらいは買えるはずである。参考までに内訳を載せておく。ただ、誰にでもすすめられる事ではないので店名は伏せておく。
  • Power Macitnosh G3 DT 266＋168ピン128MB DIMM：227,000円
  • Mac OS 8.5J：12,980円
  • 消費税：11,999円（←これには納得できない！大損した気分だ）

• この G3 DT 266 の起動は早い。起動音も少し違う。ちょっと軽い感じがする。Finder の動きも軽快である。信じられない速さだ。今のところメインマシンは Centris 650 なので G3 DT 266 には13インチモニタを接続している。その状態で「MoviePlayer」を起動してみた。例の STARWARS 予告編ムービーを見るためである。最初に起動したアプリケーションは「MoviePlayer」だったわけだ。キラーアプリケーションなわけである。さて、ムービーはキレイに再生された。さすがは G3 である。しかし、「素晴らしい」と喜んでばかりいられない。日本語化しなければ G3 DT 266 は超高級 QuickTime ムービー再生機になってしまう。
• とにかく初期不良のチェックのために電源を入れたまま一晩置くことにする。Energy Saver（省エネルギー設定）コントロールパネルで設定してスタンバイに入らないようにした。初期不良は72時間のランニング試験で出るものだ。それをクリアすればまず問題はない。これは品質管理の基本だ。ただ、全製品がランニング試験されているわけではない。ロットごとに抜き取りで試験をし、その結果をもとにロット全体の品質チェックとするのだ。購入後のランニング試験はしてみて損はない。必ずメモリの増設や記憶装置の増設など内部をさわる前に行うこと。これが鉄則だ。ただ、家庭用電源は不安定であり無理に連続運転することもないだろう。1週間ほど毎晩つけっぱなしにしていれば良いのだ。夜間は使用する電器製品も少なく、多少は安定しているからだ。

• さて、問題は日本語化できるかだ。ショップ側では日本語化は保証していない。当然である。しかし、マザーボードは同一のはずなので Mac OS 8.5J がインストールできるはずである。Mac OS 8.5 がプリインストールされているということは HDD が HFS Plus でフォーマットされているということだ。Centris 650 は HFS フォーマットなのでファイル共有に支障がでる。G3 DT 266 から Centris 650 のファイルは見れるのだが、逆ができないのだ。そのため、まず HFS フォーマットから始めることにする。
• 以前の Mac OS ならフォーマットするのに「Apple HD SC Setup」を使うのだが、最新バージョンでは「ドライブ設定」に代わっている。私は今まで「Silverlining」を使ってきたので、いつからフォーマッタ（フォーマットソフト）が変更されたか知らない。「Silverlining」を使ってきたのはパーティションを切れるからだった。パーティションとは大容量のハードディスクを分割して複数のドライブとして使用する技術だ。HFS フォーマット時代の必須技術だった。「Silverlining」のIDE HDD フォーマットに不安があるのと「ドライブ設定」でパーティションが切れるので、今回は「ドライブ設定」を使うことにする。
• まず、Mac OS 8.5J CD-ROM を入れて再起動する。その時にキーボードの「c」キーを押し続けると強制的に CD-ROM から起動される。お決まりの日本語起動画面がでて一安心である。「ユーティリティ」フォルダの中の「ドライブ設定」フォルダの中にある「ドライブ設定（J1-1.6）」を使う。「ドライブ設定」を起動し、HDDを選択し「初期化」を選ぶ。次の画面で「カスタム設定…」を選ぶとパーティションが切れる。私は4パーティションにした。1GBドライブ4つに分割するわけである。また、この画面でフォーマットの種類も選べる。「Mac OS 標準」というのが「HFS フォーマット」である。ちなみに「HFS Plus」は「Mac OS 拡張」である。フォーマットはスグに終わる。フォーマットにはいろいろあるのだが、ここでのフォーマットは物理フォーマットではないからだ。詳細は省略する。
• あとは Mac OS インストーラを起動して指示に従えば終わりだ。本当に Mac OS のインストールは簡単だ。仕事上 Windows の再インストールも行うが、その度にゲッソリする。このあたりは Mac OS が格段に優れており Windows にも見習って欲しいところである。聞くところによると Windows98 からは CD-ROM から起動できるようになったようなので、再インストールも簡単にできるのかもしれない。
• さあ、インストールが終われば再起動だ。これで Mac OS 8.5J で起動するはずだ。そうそう、このままでは HDD の名前が「名称未設定」「名称未設定2」「名称未設定3」「名称未設定4」になってしまう。再度 Mac OS 8.5J CD-ROM から起動して HDD の名称を変更する。起動ディスクのボリューム名称は変更できないので CD-ROM から起動する必要があるのだ。
• ふうっ。Macintosh が世界共通仕様で良かった。仕向地ごとに ROM などが違っていたりしたら Mac OS 8.5J をインストールできないかもしれないところだった。さて、これから環境を作るのがひと苦労だ。それは別の機会にまとめてみよう。

RAM Disk を使おう

• ところで、私が何故 RAM Disk なしに Netscape Communicator 4.03[ja] を使ったかというと、単に STARWARS の予告編ムービーが見たかっただけなのだ。今はダウンロードリンクがあるので問題はないのだが、そのころはムービーがページに埋め込まれていたのでキャッシュの中から拾うしかなかったのである。しかし、25MBものデータが入る RAM Disk を作れるほど RAM を積んでいるわけでもなかったので仕方なく RAM Disk なしでトライしたのである。しかし、ダウンロードしたムービーは「予想通り」ヘビーだった。Centris 650 ではコマ落ちしてまともに再生できないのだ。音声もとぎれとぎれである。
• 「予想通り」と書いたのは訳がある。以前に iMac の TV CM ムービーをダウンロードして見てみたが、音声が再生されないムービーがあったのだ。会社の Power Macintosh では問題なく再生できた同じデータなのに家に持って帰ると音がでない。ムービー自体もコマ落ちしていたのだ。
• 試しに会社の Power Macintosh で STARWARS の予告編ムービーを再生してみたが、不完全だった。PowerPC 604/120MHz でも力不足というわけだ。困ったことである。グラフィックコントローラが貧弱なせいかもしれないが、PowerPC 750 が必要なのかもしれない。このような「マルチメディア」コンテンツには「G3」パワーが必要なのか……
• やはり、68k Macintosh にも限界はある。私にとって、Power Macintosh G3 へ買い換えるためのキラーアプリケーションは QuickTime 3.0 なのかもしれない。先日の Macworld Expo で PowerBook G3 で同じムービーがフルスクリーンで再生されていたのだ。それと Centris 650 での再生を比べたら……ちょっと悲しいものがある。

Macintosh は早く買うべし

• なぜこんな簡単なことに気がつかなかったのだろう？もっと早く気がついて当然だったのに…
• Macintosh 情報誌に iMac の価格改定への恨みつらみが載っていた。そう、今までの「常識」ではモデルチェンジする前には価格は下落するのが常識だったのだ。何の前触れもなく価格が5万円も下がった。そして新モデルは2万円も安かったのだ。
• 私は Macintosh 情報誌と同じように「Mr. Jobs もやってくれるなあ」と思っていた。この手の新製品の低価格戦術というのは当たり前で、これが原因で「いつまでも待っていてずっと買えない人」もいるほどだ。待っていれば安くて高機能の新製品がでてくるから踏み切れないのだ。
• しかし、違うのだ。アップルは大きく変わっている。戦略も大きく変化させている。在庫回転率を上げて旧モデルを売れ残らないように気をつけている。そして、薄利多売でやってくれる販売店とのみ組んでいる。そう、価格戦略を大きく変えたのだ。
• これからのアップルの新製品は「ほぼ一定価格」で売られる。どこの店で買っても大差ない価格で買える。もちろんアップルストアでも買うことができる。そして、その価格はその製品が売れ切れるまで下がることはない。また、新製品の発売時期情報はまずもれてこない。だから、ゆっくり待って買うことは新製品が出る直前に買うことになるのだ。アップルはシステムを変えてそのような価格戦略を実現できるように体制を作ったのだ。
• だから、Macintosh の新製品が出たら早く買うのが賢い方法だ。価格が下がらないのだから早く買って使った方が良い。時間が価値を持つからだ。最近の Macintosh は品質管理が行き届いているから早く買っても安心だと思うが、不安な人は2ヶ月ぐらい待ってみるのも良いかもしれない。しかし、半年以上待つことは危険だ。新製品が出るかもしれない。気に入らないものを買う必要はない。しかし、気に入ったのならスグにでも買うべきだ。
• 私の勝手な想像だが、アップルはこの事を示すためにあえて大きな値下げをしたのだ。早く買った人は「でも、もう元は取った」と納得できただろう。何を買おうか迷っていて買うのが遅れた人に罪はないのだが、スケープゴートにはもってこいだった。今後の新製品販売にスタートダッシュをかけるためにもアップルが値下げを断行したのだと思う。この事を正しく認識しておかないと、New G3 の予告なしのクロックアップマイナーチェンジの時に愚痴る人がたくさん出そうだ。
• もちろん、iMac や New G3 以外の旧製品売り切りのための値下げとは別次元の話である。

PHOTO EXPO Tokyo '99 レポート

Mac World Expo Tokyo '99 レポート（その４）

Mac World Expo Tokyo '99 レポート（その３）