1999/01/26
Power Macintosh G3 (Blue & White) "Yosemite" 検証(その4)「ベンチマーク」
- MacWEEK Online に「Yosemite」のベンチマークが掲載されていました。
- さすが、Webzine です。紙媒体誌にはできない芸当ですね。頑張っています。
- しかし、何か変ですね。
- 「Yosemite」300MHz は「2代目」G3 MT 300MHz より部分的に遅いのです。
- また、思ったより速くないのです。少し検証してみましょう。
- CPUについて
- 「Yosemite」300MHz vs.「2代目」G3 MT 300MHz = 995 vs. 1051。
- 5%ほど「Yosemite」300MHzが遅いのです。
- システムバスが1.5倍速くなっているというのにです。
- これは「Yosemite」のバックサイドキャッシュが2代目の1/2だからです。
- 「Yosemite」300MHz は 512KB、「2代目」G3 MT 300MHzは1MBです。
- これが足を引っぱっているみたいです。
- システムバスの高速化を少ないバックサイドキャッシュが打ち消したのでしょうか?
- 浮動小数点演算について
- 「Yosemite」300MHz vs.「2代目」G3 MT 300MHz = 739 vs. 753。
- ほぼ同じですが、「Yosemite」300MHzの方が遅いのです。
- これも少ないバックサイドキャッシュが原因でしょう。
- HDDについて
- 「Yosemite」300MHz vs.「2代目」G3 MT 300MHz = 352 vs. 173。
- これは「Yosemite」が倍も速いです。
- おそらくIDEの転送速度の違いが原因だと思います。
- 「Yosemite」300MHz は 33MHz、「2代目」G3 MT 300MHz は 16.7MHzです。
- きっちり2倍というのは転送速度がボトルネックであることを示しています。
- しかし……それならシステムバスの高速化は何の効果もないのでしょうか?
- グラフィック表示について
- 「Yosemite」300MHz vs.「2代目」G3 MT 300MHz = 1008 vs. 833。
- 「Yosemite」が2割ちょっと速いです。
- VRAM は「Yosemite」300MHz が 16MB、「2代目」G3 MT 300MHz が 6MBです。
- 「Yosemite」は最高のグラフィックエンジンを搭載しているのですよね?
- この程度の差しか無いなんて……
- CD-ROM ドライブについて
- 「Yosemite」300MHz vs.「2代目」G3 MT 300MHz = 616 vs. 673。
- HDDとは異なり「Yosemite」の方が遅いです。
- 同じ Ultra DMA/33MHz バスに接続されているのに……
- HDDとは異なりCD-ROM ドライブは低速です。
- IDEバス以前にボトルネックがあるのでしょうか?
- どちらにせよ10%も遅いのは解せません。
- このベンチマーク結果のおかしい点
- システムバス速度が66MHzから100MHzへと1.5倍になったのに結果に反映していない。
- IDEの転送速度が2倍になっているのにCD-ROMドライブの結果に反映していない。
- かなり上等のグラフィックエンジンを搭載したのに結果に反映していない。
- このベンチマーク実施の問題点
- バックサイドキャッシュの容量が影響しているのでしょうか?
- それなら、なぜ条件を合わせなかったのでしょうか?
- バックサイドキャッシュは不確定要素です。
- CPUの動作周波数なら換算可能ですが、……
- 2D-3Dグラフィックエンジンにベンチマークが合っていない。
- なぜ256色の2Dでベンチマークしているのしょう?
- ハイレゾ32000色では「2代目」G3 MT 300MHz のデータもありません。
- ベンチマークプログラム自身も何ら工夫されていません。
- 「Yosemite」のスペックは予測できたはずです。
- 対応したベンチマークプログラムをどこも開発していないのでしょうか?
- このプログラムは古すぎます。
- MacWEEK Online USA は何を目的にベンチマークしたのでしょう?
- 「Yosemite」の新アーキテクチャの評価ではないのでしょうか?
- ただ速い・遅いというのはプロの仕事ではありません。がっかりです。
- まあ、速報なのでしょうが……
- 紙媒体(Macintosh情報誌)の巻き返しに期待しましょう。
- FireWire や USB のベンチマークもキチンとして欲しいです。