Mac World Expo Tokyo 2000 Report (6)
最終更新 2000/06/04
このページには Mac World Expo Tokyo 2000 についての個人的なレポートを掲載しています。
この情報はあくまでも私個人の感じたレポートです。これが絶対正しいとは限りません。みなさん個人の価値観で判断して下さい。特に極秘情報などは書きません。(知りません。(^^;))公開された情報だけです。
また、ほめたり、苦言を呈したりしていますが、何ら利害関係はありません。ただ、少しでも良くなって欲しいと期待しているだけです。
ユーザインターフェースの見直し(Aqua)
- 私は正直なところ「Aqua」デザインは好きではありません。しかし、それほど気にしていないのです。Mac OSですら「アピアランス」によってデザインを変更できるからMac OS Xでも変更可能と勝手に思っているからです。それよりも、Mr. Jobsが「Mac OSのユーザインターフェースには問題点があり、それを改善したかった」と述べた内容に驚いたのです。私はMac OSが非常に使いやすいと思っていました。確かに慣れもあるのですが、Window95/98などよりはるかに使いやすいと思っています。実際にMr. JobsもMac OS 6(System 6)→ Windows3.1 → Windows98 → Mac OS 9 → Aquaと使いやすく進化していると解説していましたから。
- そして、Mr. Jobsの説明には目からウロコが落ちました。例えば、Mac OSが出すダイアログボックスは画面の中央に表示され、「はい」「いいえ」のような選択ボタンを押さない限り居座り続けます。その間は他の操作を受け付けてくれません。しかし、Mac OS Xでは受け付けらるのです。デモではウィンドウの切り替えをしていました。ダイアログボックスが開いた状態で他のウィンドウをアクティブにしていました。これは何を意味しているのでしょうか。
- たぶん、こんなこともできるのかもしれません。Mac OSならばファイルを保存しようとして、ふと別のファイルとファイル名が重複ししているような気がした場合、一度キャンセルしてからファイルを探し、ファイル名を確認し、もう一度最初から保存の操作をしなければなりません。しかし、Mac OS Xでは保存操作を中断したままファイル名を確認し、そのまま保存操作を続けられるかもしれません。
- しかし、そうなると別の問題がでてきます。つまり、複数のダイアログボックスが開く可能性がでてくるのです。しかし、Mac OS Xではそれも解決しています。Mac OS Xのダイアログボックスはウィンドウのタイトルバーからせり出してくるのです。つまり、ダイアログボックスがウィンドウにくっついているので、どのウィンドウに対するダイアログボックスかが簡単にわかるのです。
- これはとても自然なことのようです。確かにマルチタスクのUNIXでは当たり前のようですが、これは今までのパソコン用OSでは実現されていませんでした。Mac OS Xにはこのような「常識」を覆すような工夫がたくさんありそうです。私には既に完成の域に達していると思われたMac OSなのですが、まだまだ進化の余地があるということです。まだ全てが明らかになっていないMac OS Xのユーザインタフェースですがとても楽しみです。
- そう、Aquaの神髄はデザインにあるのではないのです。その先進のコンセプトにあるのです。今までできないのが当り前と思われたいたことを再検討し可能にしたユーザインタフェースの革新にあるのです。
さて、Mac OS Xにはもう1つ新しい提案がされています。それはドック(Dock)です。これもNeXT社のOPENSTEPに搭載されていた機能を取り込んだものです。これについても簡単に紹介しましょう。
Mac OSでのランチャー機能
- Mac OS Xのドックに相当する機能はMac OSにもあります。それはランチャーです。システム標準のものだけでなく、さまざまなフリーウェア、シェアウェアが提供されています。これは言葉通り、プログラムやファイルをワンクリックで起動(Launch)することができるのでLauncher(ランチャー)とよばれています。
- このランチャーをデスクトップに置いておくと何かと便利です。私は今でも愛用しています。ただ、難点もあります。それはアプリケーションやファイルの登録・削除がワンアクションでできないことです。そして、登録されたものの中身がわかりにくいのです。アイコンとその下に表示される短い名前だけで判別しなければなりません。ですから、私はプログラムと毎日使うファイルのみを登録しています。
Mac OSでのウィンドウタブ機能
- Mac OSにはもう1つ同様の機能があります。これはMac OS 8からランチャーの機能を補う目的で追加されたものです。つまり、ウィンドウを開いたままデスクトップの下に持っていくとタブ上に折り畳まれます。これはウィンドウシェード機能の発展ではありますが、デスクトップの下にウィンドウタブを並べてランチャーのように使っている人も多いと思います。
- このメリットは好きなウィンドウをタブ上にできることです。つまり、ランチャーの登録・削除の面倒さを軽減してくれるのです。しかし、ランチャーのワンクリックで起動できるメリットがなくなりました。つまり、まず、タブをクリックしてウィンドウをせり上げ、それからボタン表示になったアイコンをクリックすることでしか目的のプログラムやファイルを起動できないのです。
- なかなか万能なものは無いのです。
Mac OS Xのドック
- Mac OS Xのドックは使い物になるのでしょうか。機能的にはウィンドウタブに近いと思います。しかし、違うのはウィンドウを登録するのではなくアイコンを登録することです。このアイコンとはアプリケーションとファイルのことですから、ウィンドウタブとは違ってワンクリックで起動できるのです。
- そして、ドックの表示もデフォルトのアイコン表示だけではなく、カスタムアイコンでの表示ができるようです。つまり、画像ファイルならプレビューアイコンのまま表示されるのです。それどころかMicrosoft Excelのファイルはプレビューのまま表示されていましたし、QuickTimeムービーはドックに入った状態でも再生を続行していました。なんということしょう。PowerPC G4の圧倒的なパワーによって実現されているとはいえ驚きです。もちろん、ファイル名もマウスがアイコンに近づくとポップアップします。ですから、ファイル名の後ろが切れて判別がつかないということはなさそうです。
- ドックのアイコンサイズはコントロールパネルで自由に変更できます。OPENSTEPはMac OSよりアイコンサイズがひと回り大きく、それがMacintoshユーザには大きな違和感を引き起こしていました。しかし、無段階でアイコンサイズが変更可能であればMac OSユーザもOPENSTEPユーザも両方満足できるわけです。
- さらに、このドックは隠すことも可能です。その場合にはマウスが近づけば自動的に出てくるのです。アイコンが小さくなり過ぎても大丈夫です。マウスが近づけば自動的にアイコンは大きくなり、ファイル名もポップアップする機能があるからです。
- そして、シングルウィンドウモードがあります。これは開くウィンドウを1つのみにするモードで、新しいウィンドウを開くと元のウィンドウは閉じられドックに入ります。デスクトップ上にウィンドウがあふれてしまうことはなさそうです。
- このドックは便利そうです。私は以前にOPENSTEPの紹介時には大きなアイコンというだけで毛嫌いしたのですが、ここまでできると楽しみになってきました。唯一の懸念は扱いが簡単なだけにドックがアイコンであふれてしまうことぐらいでしょうか。ファイルやアプリケーションが開きっぱなしになるとメモリが占有されて不安定になりそうです。……カーネルのしっかりしたMac OS Xでは余計な心配かもしれませんね。
- 追加情報
- WWDCでドックの改良が発表されました。アップルのホームページにあるデモムービーを見る限りではランチャーっぽくなっているようです。Expoで見たドックはかなり完成度が高かったのですが、さらに改良されています。
- ドックの魅力の1つにアプリケーションもファイルも同じように登録できるというものがありました。それが改良され、アプリケーションとファイルの2つのグループに別れて登録されるようになっています。
また、背景がついてランチャーっぽくなっています。
- また、Expoではドックから出したファイルはデスクトップに移動していたのですが、Newtonの削除アニメーションのように消えてしまいます。雲のようなクシャクシャなアニメーションを見た人も多いでしょう。ドックにはファイル本体ではなくエイリアスが登録されるのでしょう。だから、そういうことができるのでしょう。こういう改良は歓迎したいですね。
書きたいことはこれだけではありません。これまでの内容は1月のSan Fransisco Expoと同じです。しかし、アップルは日本向けの内容を追加していたのです。それは日本語フォントについてです。さあ、説明しましょう。
モリサワとの決別
- アップルはついにモリサワと決別したようです。モリサワは日本のDTP業界を牛耳ってきましたが、彼らの天下は急速に終わりに近づいているのかもしれません。Mr. Jobsは「日本のフォントは高い」とはっきり言い切りました。そう、モリサワ1社が日本のDTP業界をコントロールしてきたからです。
- もう1つのDTPの雄であるアドビは欧米では絶対的な力を持っていますが、日本ではモリサワに頭を押さえ込まれています。何度も逆転をはかりましたが、うまくいかなかったのです。他のフォントメーカも同じくモリサワの牙城を切り崩せずにいたのです。
- アドビが新しく提示したCIDフォントはAdobe Acrobatの登場と共に普及するはずでした。それまでのOCFフォントに比べハンドリングも容易で多機能なフォントであり、モリサワの牙城を切り崩す突破口になるはずでした。しかし、モリサワはCIDフォントに非協力的でした。Adobe Acrobat 4.0Jにエンベッド(埋め込み)できないように制限をかけたり、アウトラインの抽出ができないようにしていたのです。アドビが本格的に小塚明朝体で日本語フォントに参入するなど対抗したため、モリサワは制限を解除したNew CIDフォントをリリースしました。しかし、その動きは遅く、サッカーの「遅延行為」のようなイエローカードものでした。
- なぜモリサワはそこまで力を持っていたのでしょう。日本ではDTPが普及する前に「写植」という方法で印刷物を作っていました。(というか、後日のAdobe Indesignの発表セミナーでのコメントで驚いたのですが、今でも日本のDTPは20〜30%しか普及していないそうです。)その写植の大手でフォントビジネスに積極的に取り組んできたのがモリサワなのです。フォントのデザインには著作権があり、これを持っているのは大手写植機メーカが多いのです。このフォントのデザインを字母と呼びますが、同じく写植機の最大手であった写研がライセンスしなかったのに対し、モリサワは積極的にDTPに移植することでDTP業界で圧倒的な力を持つようになったようです。実際にMac OSにバンドルされている「細明朝」「中ゴシック」というフォントはモリサワのフォントなのです。(モリサワでの名称はそれぞれリュウミンL-KL、中ゴシックBBB)もちろん、アップルだけでなく、アドビにも採用されています。アドビの日本語PostScriptフォントの名前を見るとよくわかります。モリサワと同じ名前なのですから。このあたりはDTP業界では常識らしいのですが私は詳しくありません。鵜呑みにしないでください。要はモリサワ社がDTP業界で絶対的な力を持ってきたということを書きたいだけなのです。
- しかし、今回のMac OS Xではモリサワのフォントではなく大日本スクリーン社のヒラギノフォントがバンドルされます。Mac OS XにはアドビのDisplay Postscript技術も搭載されているわけで、ついにアップル・アドビ連合軍がモリサワに対して牙をむいたと言えるでしょう。かつてTrueTypeフォント対PostScriptフォントで対決した両社が手を組んだわけです。かなり手強い連合軍だと言えるでしょう。
- 権利を主張することは何ら悪いことではありません。権利は守られるべきものです。しかし、自らの利益のみを主張し続けると大きな反発を受けるのです。日本人はそのあたりの加減を知りません。日本政府の外交下手を例に出すまでもないでしょう。自らの権利を主張するのと同様に相手の権利の主張も受け入れなければならないのです。そして、双方で妥協点を見い出すのが「交渉」なのです。それができなかったでしょうか。詳しいことは知らないのですが、モリサワは「交渉」を失敗したのではないかと思います。モリサワは自らの努力で日本のDTP業界で強い力を持つようになりました。それだけに今回の結末は残念です。かつての積極的な政策が消え失せ、自らの権利を守るための消極的・排他的な動きは残念でありません。モリサワならCIDフォントに移行しようがOpenTypeフォントに移行しようが十分にリーダーシップをとれる企業だと思っていたのですが……
- まあ、Mac OS Xが爆発的に普及し、日本のDTP環境がそれに対応するには時間が必要です。実際のところDTP現場では未だにOCFフォントやMac OS 8.1Jが使われていたりするのですから。つまり、DTP用の機材は高価であり、簡単には入れ替えられないのです。当面はモリサワの天下は揺るがないのかもしれません。しかし、私にはアドビだけでなくアップルからも反撃を受けたモリサワに受難の時が始まる気がして仕方ありません。
Mac OS Xの日本語フォントにOpenTypeフォントを採用
- 今回のMr. Jobsの基調講演で感じたことですが、「アップルは原点回帰をはかっている」ようです。Mac OS Xは最新技術で作り上げたOSというより、GUIを原点に戻って作り直したように思えます。かつてMac OSを作った時にはCPUのパワー不足や高価格のメモリ・HDDなどに制約されて断念されたアイデアなどを再度引き出してきた気がします。日本語環境についても同じです。Mac OS 8.5から少しづつ見直されてきた日本語システムがMac OS Xで理想的に全面改定されたということなのでしょう。
- Mac OSは元々は英語OSです。1バイトフォントの世界のOSだったわけです。それに無理矢理に日本語などの2バイトフォントを扱う機能を組み込んできたわけです。しかし、今回アップルはMac OS XをGrobal OSとして開発しました。これはCopland OSの頃からのアップルの悲願でした。Mac OSで試行錯誤を行いつつユーザやDTP業界の意見を聞きながらMac OS Xの日本語環境を作り込んでいったのでしょう。
- フォント環境も大幅に改善されます。今回バンドルされるフォントはOpenTypeフォントというもので、簡単に言えばTrueTypeフォント+PostScriptフォントです。両方のフォントを1つにしたものなのです。そして、文字のエンコードはUnicodeで行われます。これには大きな意味があります。ちょっとフォントと文字のエンコードの整理をしましょう。
- PostScriptフォントはアドビが開発したフォントで、広くDTPで使われてきました。画面表示用のフォントとプリンタ出力用のフォントの2つから構成されています。画面表示用のフォントはATM(Adobe Type Manager)というソフトウェアによりラスタライズされます。ラスタライズとはアウトライン展開のことで、これを行わないとビットマップフォントのように拡大するとギザギザに表示されてしまいます。プリンタ出力用のフォントはPostScriptプリンタのコントローラの力でラスタライズされます。ですから、PostScriptプリンタ以外で印刷すると文字はギザギザになって出力されるのです。
- PostScriptフォントの問題点はフォントの価格が高いこととPostScriptプリンタが高価であることです。ビジネスプリンタも当時は高価でしたが、高解像度の商用印刷用のプリンタはもっと高価でした。これにはアドビに支払うべきライセンス料が高かったのも原因の1つでした。PostScriptフォントやPostScriptプリンタにはアドビから多額のロイヤリティを課せられていたのです。また、日本だけのことのようですが、PostScriptフォントは低解像度フォントと非常に高価な高解像度フォントの2種類があります。通常パソコンショップで販売されているのは低解像度フォントで画面表示やビジネスプリンタで出力するのには何ら問題はありません。しかし、印刷業者が使うには解像度が足りないのです。彼らは泣く泣く高価な高解像度フォントを購入するしかなかったのです。このフォントにはコピープロテクトが厳しくかけられており、台数分購入しなければならなかったのは当然なのですが、トラブルなどで再インストールする際に大変な手間がかかりました。これがPostScriptフォントの解像度制限とコピープロテクト言われるもので、モリサワが築き上げた日本独自のビジネス形態なのです。
- これに対し、TrueTypeフォントはコストが安く、解像度制限のない優れたフォントです。これはアドビが開発したPostScriptフォントに対抗するという明確な意図をもってアップルとマイクロソフトが開発したものです。アドビにライセンス料を支払わずに済むため、フォントのコストは下がりました。しかし、ラスタライズをパソコンのCPUパワーで行うため、当時の低速なパソコンでは印刷が遅く、また、ラスタライズ用に多くのメモリを必要とするなど万能フォントというわけでもありませんでした。例えば、低価格なQuickDrawプリンタやWindowsでいうGDIプリンタなら高速に印刷できたのですが、高価なPostScriptプリンタで出力するのに大変長い時間を必要とししました。また、メモリが足りない場合には文字落ちが発生し、部分的に文字が印刷されなかったりしたのです。そういうわけで、Macintoshを中心とするDTP業界にはそれほど浸透しませんでした。ただ、最近のパソコンの大幅なパワーアップでWindows DTPというカテゴリーで商用印刷に使われるようになってきています。また、最近のMac OSではTrueType BoosterなどによりPostScriptプリンタでもそれほど時間がかからずに印刷できるようになっているようです。
- PostScriptフォントもTrueTypeフォントも一長一短があり、また、共に多くの使用実績があるため捨て去るわけにはいかないものでした。そして、両方のフォントを1つにしたようなOpenTypeフォントが生まれたわけです。このOpenTypeフォントの成立にはアップル、マイクロソフト、アドビなどが全て関わっており、次世代フォントの決定版と言われています。ただ、成立の過程を見ればわかりますが、OpenTypeフォントにはPostScriptフォント系とTrueTypeフォント系の2種類に分類されそうで、実際のハンドリングには多少不安があります。3社の力関係の問題もあり、実際の登場までは予断を許さないというところでしょうか。
日本語フォントのエンコード方式はUnicodeに
- もう1つ、文字のエンコード方式の違いもあります。文字に番号を割り当てて管理することをエンコードといいます。つまり、番号が入力されたら相当する文字を返すわけです。そして、その割り当てられた番号体系を文字コードといいます。コンピュータはアメリカで生まれ、発達してきました。もちろん、日本にもNECなどのコンピュータメーカがありますが、OSを米国企業に依存している以上は欧米のルールに合わせなければならないのです。
- この文字コードの問題はその最大のものです。欧米圏はアルファベットが使われており、文字数が少ないのです。それに対し、日本には漢字があり文字数は膨大です。アメリカ生まれのパソコンは7ビットのASCIIコードを使っています。これに対し、日本では7ビット×7ビットのJIS文字コードを使っています。これらを私達は1バイトコード、2バイトコードと呼びますが、実際は8ビット、16ビットではないのです。それぞれ、制御コードなどを差し引いて最大94文字と8,836文字を定義できるのです。
- 実際にはASCIIコードは8ビットに拡張されISO-8859-*になり、JIS文字コードはそれを取り込むためにシフトJIS文字コードになっています。しかし、8,836文字は日本の文字には少ないのです。漢字にも問題はあるのですが、私は記号の方が問題は大きいのではないかと思います。JIS文字コードは漢字の選定には気を使ってきましたが、記号はそれほどでもなかったのでしょう。OSメーカやパソコン各社によって不足する記号を外字として追加してしまったのです。これが大きな混乱の原因になっています。
- さらに、インターネットの普及により、世界的に情報交換するようになると、欧米圏でも2バイト文字の問題に関心が起こってきたようです。2バイト文字を持つのは日本以外にもあります。それらと情報交換をしたい、ホームページを文字化けなく表示したいということから全世界的な文字コードが検討されてきました。
それがUnicodeです。これにもまだ問題はあるのですが、WindowsやMac OSは採用しました。現状ではシフトJISコードとUnicodeを併用しています。
- さて、 Mac OS Xに話を戻しましょう。Mac OS Xでは完全にUnicodeに対応します。Mac OSでのUnicodeは使えるに過ぎませんでした。実は文字のエンコード方式はUnicodeであったのですが、それに対応するフォントが9,000文字程度しか用意されていなかったので、恩恵を十分に受けられなかったのです。今回のヒラギノフォントには17,000もの文字が用意されているので真にUnicode対応ということができます。
- これにより、今まで表示できなかった漢字も使えるようになります。例えば、「吉田」さんは「きちた」さんなのか、それとも「よしだ」さんなのかという問題もクリアできます。私が小学校で漢字を習った時には「吉」のように上が「士=さむらい」の場合は「きち」であり、上が「土=つち」の場合は「よし」と読んだはずなのです。しかし、Mac OS 8.6Jでことえりを開いても「よし」の字は見当たらないのです。Mac OS Xではこういう事が少なくなるということです。
- 実はこの文字のエンコード方式には長い歴史があります。なかなか興味深いのでそのうちまとめて公開しようと思っています。ちょっと勉強してみたのですが、なかなか奥が深く、まとめるのに時間がかかりそうなので、このExpoレポートとは別に公開したいと思います。
私の基調講演に対する感想
- もう既に大半を書いてしまいましたので、一言だけ書きましょう。今年の基調講演は「素晴らしかった」です。見方によっては奥が深い内容であり、後々まで楽しめるものでした。私は基調講演で見たものの意味を確認するためにMacintosh情報誌やWebzineなどのWebサイトの中で情報を探し回りました。なかなか私の望む情報が無く、苦労しましたが私なりにレポートをまとめあげることができました。アップルの技術は新しい段階に移行しつつあり、これは私達Macintoshユーザにとって望ましい方向のように思えます。
- 後はMac OS Xが無事にリリースされるのを待つだけです。こうして待っているうちが一番楽しいのかもしれません。
[Expo Tokyo Report (その1)]
[(その2)]
[(その3)]
[(その4)]
[(その5)]
[Macintosh 雑記帳のトップページ][Expo Report Top]
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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