概要
Mac World Expo Tokyo は今年で9回目です。私が行くのは今回で5回目になります。今年も1999年2月18日から2月20日まで幕張メッセで開催されました。
- 昨年は「これが最後の Mac World Expo Tokyo だ」と騒ぎ納めの感じがありました。実際にその後事務局から次回から Creative World と併設する旨の発表がありました。もはや、Mac World Expo だけでは展示会として成り立たなくなっていたのです。
- そのため今回の Mac World Expo Tokyo は小規模でした。会期も一日短くなっています。Mac World Expo としての単独開催でしたが、スペース的には前回の70%になってしまいました。さらに、アップル関連のブースが前回に比べて大幅に拡張されていたため出展者のブースはかなり小さくなっていました。昨年のレイアウトと比べてみてください。いかに狭く、小さなブースがギッチリ詰め込まれているかがわかります。そこに昨年を大幅に上回る来場者が殺到したのです。ほとんど身動きが出来ない状態になっていました。Steve Jobs と iMac の大ヒットのおかげです。
- 通常、展示会は開催の9ヶ月前ぐらいに日程やスペースの概要を決め、出展社を募集します。そして、申し込みを開催の半年前ぐらいに締め切ります。さて、9ヶ月前といえば5月中旬でしたが、アメリカで iMac が発表されたのが5月7日です。半年前といえば8月中旬でしたが、アメリカで iMac が発売されたのが8月15日です。つまり、まだ iMac は大ヒット商品になっていなかったのです。iMac の発売がもう少し早ければ状況は変わっていたでしょう。
- これを San Francisco Expo に当てはめるとちょうど良いタイミングなのです。やはり、アップルはアメリカ企業ですね。これは仕方ありません。Expo Tokyo の時期をちょっと後ろへずらした方が良いと思うのですが……。聞くところによると、今年になって出展申し込みが殺到したそうです。しかし、少し手遅れでした。残念です。
- ただ、この不景気で幕張メッセの展示場はガラガラです。ですから、会場を広くしようと思えば可能だったはずです。隣のホールも空いていましたから。しかし、出展社側も不景気なのです。展示スペースに比例して出展費用も高くなります。今回各社の出展ブースが小さかったのはやむを得ないかもしれません。日本の不景気は尋常ではありません。こういう時に真っ先に削られるのは販促費用ですから。
- そのためノベルティーの配布も少なかったですね。一番困ったのは紙袋が配られなかったことです。紙袋は2社、ビニールの袋も1社ぐらいしか配っていませんでした。それも朝一番に当日分が無くなってしまう状態です。配る方も「袋だけ持っていかれて展示を見てもらえない」というかわいそうな状態でした。せめて展示ぐらいは見てあげましょうよね。紙袋は1枚50円程度のものなのですが、5,000枚なら25万円になります。これぐらいの費用も削られてしまうのが今の景気の状態です。昨年までは紙袋やうちわ、ペン、CD-ROMなどはもらい放題だったのですが……
- 本来出展していて当然の企業が見あたらないのはさびしいものです。スペースが小さくて見過ごすところだった企業もありました。ちなみに前者はオリンパス光学工業、後者は富士写真フィルムなどです。Macintosh 向けの製品をPRして上がる利益と展示会に出展する経費を比べて判断したのでしょう。
- また、これは Windows マーケットに比べて Macintosh マーケットはあまりにも小さいことも原因です。不景気とはいってもパソコン関連分野はまだ勢いが残っています。SONY の VAIO を始めとする薄型ノートPC や Windows98 搭載の低価格PC、デジタルカメラなどは売れています。そこにターゲットを絞ってソフトや周辺機器を開発している企業は多いはずです。逆に Macintosh マーケットは切り捨てられているのです。つまり、Macintosh 向けの製品が減っているため出展企業が減っているのです。
- ただ、Windows マーケットは競争も激しいので大手企業が有利ではあり、新規参入は厳しいのです。それで Macintosh マーケットに新規参入してくる企業が増えているのです。今回 iMac 関連の周辺機器を造っている企業が多数出展していました。どこも規模は小さいですが、5色(6色)揃えてPRしていました。今後はこういうデザインが主流になりそうです。私はちょっと辛いです。おじさんですね。
- しかし、来年は状況が変わると思います。Micorsoft が Office98 と Internet Explorer 4.5J / Outlook Express 4.5J を持って昨年に続き出展してきました。やはり、iMac 効果は大きいです。しかし、それが形になるまでには1年以上必要なのです。Macintosh 向けの製品を開発するにはそれぐらいは最低でもかかるでしょう。来年の Expo Tokyo は楽しみです。
- さて、Mac World Japan 誌が Graphics World 誌になったため今年から Mac Fan 3誌(Mac Fan、Mac Fan Beginners、Mac Fan Internet)がオフィシャル誌になりました。私は最終日まで気がつきませんでした。(^^;)「何で基調講演のスケジュールを Mac Fan 3誌で公表するのかな?」と思っていたら……。もっとアピールすれば良かったのに。もったいないです。ちなみに私はホッチキス止めの雑誌が嫌いなので Mac Fan 3誌は買いません。やはり糊綴じの堅い背表紙がないと不便です。数カ月後に読み返すときに中身がわからず本棚をひっくり返すことになるからです。本棚での立ちも悪いです。安く作れるのは良いのですが、何とかして欲しいなあ。本当は内容で判断すべきなのでしょうが、私は変わり者なのです。
- オフィシャル誌として Mac Fan 3誌はいろいろ活躍していたのですが、特に「Mac Fan特別編集 MACWORLD Expo/Tokyo '99 Official Guide Book」は良くできていました。これは入り口で無料で配布されていたものですが、適切に見所を説明してあり良いガイドブックでした。特に「MACWORLD Expo/Tokyo '99 を120%を楽しむためのTips 8.5」は保存版でしょう。私も「自称 Expo の達人」のつもりですが、ここに書かれていることはうまくエッセンスが凝縮しています。来年のために切り取っておくことをお勧めします。
- また、各 Macintosh 情報誌の Expo 特別号も配布していたのはアスキーだけでした。(Mac Power 誌& Mac People 誌)しかし、MACLIFE の Microfoft Office 98 特集がマイクロソフトブースで配布されていました。日経Macもホッチキス止めの Expo プレビューを配布していました。私はこれを毎年楽しみにしています。過去の良い記事を再掲載していたり、座談会があったり面白いのです。景気が悪いので作るのも大変でしょうが頑張って欲しいですね。みなさん、Macintosh 情報誌を買って儲けさせてあげましょう。来年の Expo のために。ということで、私は会場で Mac Power 誌と MAC LIFE 誌を買いました。(日経Mac は定期購読しています)会場で買ってあげた方が書店で買うより出版社の利益が大きいからです。当然ですよね。問屋や書店の中間マージン分も出版社のものになるのですから。