メモリモジュールについて(その2)
Final Updated 2003/07/21
このページはApple Power Macintosh G3 DTをパワーアップするための情報を掲載しています。 この情報はあくまでも私が試したことの紹介です。この通りにして何らかのトラブルが起こっても保証の限りではありません。もし試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。
DIMMについて
DIMM(ディム)にはさまざまな種類があります。これはマザーボードの高速化に対応した結果なのですが、これらの種類を正しく認識して使い分ける必要があります。
DIMMの形状による違い
DIMM(Double Inline Memory Module)
SDRAMを搭載したものは168ピンです。
DDR SDRAMを搭載したものは184ピンです。
SO-DIMM(Small Outline - Double Inline Memory Module)
ノートパソコンに主に使われる小型のDIMMです。
SDRAMを搭載したものは144ピンです。
DDR SDRAMを搭載したものは200ピンです。
搭載メモリによる違い
SDRAM(Synchronous DRAM)
それまでのDRAMと異なり、システムバスのクロックに同期(シンクロ)することで高速動作するDRAMです。このSDRAMを搭載したDIMMは168ピンであることは先に述べましたが、アクセス速度によって3種類に分けられます。66MHzで動作するものはPC66と呼ばれます。同様に100MHzで動作するものはPC100、133MHzで動作するものはPC133と呼ばれます。これらは互いに下位互換性を持っているのでPC133のものはPC66の代わりに使うことができます。
DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)
名前の通り、SDRAMの2倍の速度で動くDRAMです。クロックは「クロックパルス」と呼ばれる通り、パルス状のデジタル波です。この波には立ち上がりと立ち下がりの2つの状態があります。同期するというのは普通は立ち上がりか立ち下がりのどちらか一方のタイミングにシンクロするのですが、DDR SDRAMはその両方のタイミングにシンクロします。ですから2倍の速度で動作するのです。
このDDR SDRAMはRambus社が開発した高速DRAMであるRDRAM(Rambus DRAM)より低価格だったので一気に普及して現在の主流となっています。ちなみにRDRAMが搭載されたDIMMのことをRIMMと呼びます。
このDDR SDRAMを搭載したDIMMは184ピンであることは先に述べましたが、アクセス速度によって3種類に分けられます。100MHzのシステムバスに対応して200MHzで動作するものはPC1600と呼ばれます。同様に133MHzのシステムバスに対応して266MHzで動作するものはPC2100、166MHzのシステムバスに対応して333MHzで動作するものはPC2700と呼ばれます。
なぜPC200などと呼ばれないのでしょう。たぶん、SDRAMと明確に区別したかったのだと思います。ちなみに、PC1600とはデータ転送レートが1600MB/sであることを表しています。同じくPC2100は2133MB/s、PC2700は2666MB/sになります。(PC200、PC266、PC333と表現する場合もあるようです。)
FPM DRAM(Fast Page Mode DRAM)
ちなみに、従来のSIMMに搭載されていたDRAMはFast Page Mode DRAMと呼ばれます。
EDO DRAM(Extended Data Output DRAM)
そのFPM DRAMの高速版がEDO DRAMです。
アクセスタイムとは
アクセスタイムはSIMMでは60ns(ナノ秒)程度なのですが、DIMMでは10nsと大幅にスピードアップされています。これは先に述べた通り、搭載しているDRAMの違いによります。ここで注意しなければならないのはSIMMとDIMMではアクセスタイムの単位が違うということです。SIMMでは「ns」で表すのに対し、DIMMでは「MHz」や「MB/s」で表します。「ns」は1回のアクセスに必要な時間ですから数字が小さい方が高速です。しかし、「MHz」はクロック周波数であり、1秒間に何回アクセスできるかということですから数字が大きい方が高速なのです。同じく「MB/s」は1秒間に転送できるデータ量ですから数字が大きい方が高速です。
ちなみに、60nsは1回のアクセスに60nsかかるわけですから、1秒間に何回アクセスできるでしょうか。1秒(1s)=1,000ms=1,000,000μs=1,000,000,000nsなので、1,000,000,000ns/60ns=16,666,666.7回になります。つまり、16,666,666.7Hz=16,666.7kHz=16.7MHzになります。同じく10nsならば100MHzになります。
また、これらのDIMMは64ビット幅ですから1回で64ビットのデータ転送が行えます。100MHzのシステムバスに対応して200MHzで動作する場合、1秒間に200万回データ転送されるわけですから、200万回×64ビット=200万回×8バイト=1600MB/sとなるのです。
DIMMの種類(まとめ)
種類
DRAM
速度
ピン数
PC66
SDRAM
66MHz
168ピン
PC100
100MHz
PC133
133MHz
PC1600
DDR SDRAM
100MHz×2
184ピン
PC2100
133MHz×2
PC2700
166MHz×2
CLについて
CLとはCAS Latencyの略です。DRAMに限らず、メモリは縦横の格子状にメモリセルが配置されていて、縦横の番地を指定してメモリデータを読み出したり書き込んだりしています。これをCASとRASと言い、CASはColumn Address Strobe、RASはRow Address Strobeの略で、それぞれ、列番地指定のためのクロック、行番地指定のためのクロックを意味します。そのLatencyですから遅延を表すのです。正確にはCAS信号から何クロック後にデータが読み出せるかというクロック数がCLになります。
SDRAMはクロックに同期するので、最初のクロックでCAS、次のクロックでRASが決まり、その次のクロックで読み出しが行われます。つまり、CLは2になります。(最初のCASのクロックは数えません)CLが3のものはもう1クロック余分に必要なのでCLが2より遅いというわけです。
ECCについて
ECCとはError Correcting Codeの略です。以前のFast Page Mode DRAMでは「パリティー(Parity)あり」などと呼ばれていたエラー訂正機能です。
「パリあり」はエラーを検出すると処理をストップするのですが、ECCの場合はエラーを訂正して処理を継続できるようです。
メモリモジュールの容量について
DIMMには64MB、128MB、256MB、512MBの種類があります。
[解説ページ目次]
[きょう体]
[メモリ]
[記憶装置]
[CPU と Mac OS]
[モニタ]
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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