CPU と Mac OS について

CPU	種類	Data Bus	Cache			Clock	MIPS	備考
			1次(L1)		2次(L2)
			命令	データ	(外付け)
MC68000	CISC	16bit	-			8MHz 16MHz	?	68k
MC68020	CISC	32bit	256B	-	-	8MHz 16MHz 20MHz	?	68k
MC68030	CISC	32bit	256B	256B	-	8MHz 16MHz 20MHz 25MHz 33MHz 40MHz	12MIPS (40MHz)(?)	68k
MC68LC040	CISC	32bit	4KB	4KB	-	20MHz 25MHz 33MHz	36MIPS (33MHz)	68k FPU なし
MC68040	CISC	32bit	4KB	4KB	-	25MHz 33MHz 40MHz	43MIPS (40MHz)	68k
MC68060	CISC	32bit	8KB	8KB	-	50MHz	120MIPS (66MHz)	68k
PowerPC 601	RISC	64bit	32KB		(256KB)	50MHz 66MHz 80MHz 90MHz 100MHz 110MHz 120MHz	?	G1
PowerPC 603	RISC	64bit	8KB	8KB	(256KB)	75MHz	?	G2 Low Power
PowerPC 603e	RISC	64bit	16KB	16KB	(256KB)	100MHz 117MHz 120MHz 133MHz 180MHz 200MHz 240MHz 250MHz	423MIPS (300MHz)	G2 Low Power
PowerPC 604	RISC	64bit	16KB	16KB	(256KB) (512KB) (1MB)	120MHz 132MHz 150MHz 180MHz	?	G2
PowerPC 604e	RISC	64bit	32KB	32KB	(256KB) (512KB) (1MB)	166MHz 180MHz 200MHz 233MHz 250MHz 300MHz 350MHz	629MIPS (350MHz)	G2
PowerPC 750 Power PC G3	RISC	64bit	32KB	32KB	(256KB) (512KB) (1MB)	200MHz 266MHz 300MHz	671MIPS (366MHz)	G3 L2 Back Side Cache

参考

• MIPS：Million Instruction Per Second。1秒間に何百万回命令を実行できるかという指標。
  ただし、CISC と RISC では単純な比較はできないと思います。
• MC68040=MC68LC040+FPU=MC68EC040+FPU+PMMU
• MC68030=MC68EC030+PMMU
• MC68881,MC68882=FPU for MC68030,MC68020
• MC68020=MC68EC020+MC68851(PMMU)
• 68k CPU の Clock 表記と PowerPC の Clock 表記は異なる。
  • 例えば MC68040 25MHz を PowerPC の Clock 表記で表すと 50MHz になる。

• CISC：Complex Instruction Set Computer。複雑な命令処理をする CPU。
• RISC：Reduced Instruction Set Computer。減らした命令で処理をする CPU。
• 簡単に説明すると CISC は命令が複雑で、「歩く」、「速く歩く」、「小走りする」、「走る」、「速く走る」、「もっと速く走る」、「かなり速く走る」、「全力で走る」、「必死で走る」、……、とまあ細かく定義されているわけです。
• これに対し RISC は命令数が少なくなっているというか、命令を細分化して少ない命令数で処理をしようとしています。
• 例えば、先の例は「右の」「足を上げる」、「右の」「膝を曲げる」、「体重を前にかける」、「右の」「膝を伸ばす」、「右の」「足を下ろす」、「地面を蹴る」、「左の」「足を上げる」、……という一連の動作を「どれぐらいの間隔で行うか」を設定すれば実行できます。
• こういう形式だと「スキップする」とか「ジャンプする」とか「ケンケンする」とかも同様に実行できるのです。
• これからわかると思いますが、RISC の命令は簡単です。
• CPU は命令を実行する時にレジスタという箱に入れます。簡単な命令は小さいですから箱の中にたくさん入ります。また小さい命令は同じ時間にたくさん実行できます。
• 上に MIPS を示しましたが、「CISC と RISC では単純な比較はできない」と書いたのはそのためです。RISC の方が MIPS は大きくなりがちです。
• ただ、RISC の方が CISC より高速であることは確かです。
• それはキャッシュの影響です。細分化された命令はキャッシュの中に残っている可能性が高いからです。小さいキャッシュでも効率的に使えるのです。ただ、CISC の CPU もこのキャッシュの仕組みを改善し、キャッシュに残っている命令を効率的に使えるように工夫しています。次に来る命令を予測してキャッシュに残しておいたりしているようです。
• 最近の CPU は RISC と CISC の折衷型のようになりつつあり、こういう区別も無意味になりつつあります。しかし、個人的には CISC が RISC に歩み寄ってきていると思います。やはり、CISC では高速化が難しいのです。

• 040PDS とは MC68040 Processor Direct Slot の略です。
• 040PDS とは MC68040 専用の機能拡張スロットで、040PDS カードを差して使います。
• 040PDS カードとは基本的には CPU カードや CPU アクセラレータカードです。
• ここでいうカードとは、ボードの事で、PC カードの事ではありません。以前は CPU ボードとかドーターボードと呼んでいたのですが、今はカードと呼ぶようです。
• Power PC Upgrade Card もこの040PDS カードです。
• もちろん、キャッシュカードやグラフィックアクセラレータカードを差したりもします。
• この 040PDS は CPU に直接つながっています。逆に言うと CPU につながっている全てのパーツにもつながっているのです。
• ここでいうパーツとはメモリコントローラやグラフィックコントローラや I/O コントローラなどのコントロール LSI です。
• そのため、ここに CPU カードや CPU アクセラレータカードを差すと、マザーボード上の MC68040 に成り代わって接続されている全てのパーツを制御できるのです。
• ただし、CPU のバスなどが微妙に異なるので、異なる CPU の PDS とは互換性がありません。
• 例えば、040PDS と 601PDS や 030PDS、LC III PDS などは互換性がありません。
• カード購入時には注意が必要です。

• PDS 用の拡張カードやNu-Bus 用のカードには7インチと12インチの2種類のサイズがあります。
• 7インチまでなら Apple Macintosh Centris610 タイプのきょう体にも入ります。
• Centris 650 もそうですが、機種によっては PDS スロットと Nu-Bus スロットが縦に並んでいます。
• その場合、片側のスロットにカードを差すともう一方のスロットがふさがれてしまいます。
• メーカによっては7インチより少し短い6.5インチカードを両方のスロットにそれぞれ差せるようにしています。
• 例えば、グラフィックアクセラレータカードと Adobe Photoshop アクセラレータカードを Nu-Bus スロットと 040PDS スロットに差すことができます。
• Centris 650 の場合はアダプタが……

• 漢字Talk 6 の時には Apple は Macintosh が何らかのアーキテクチャの追加・変更があった場合、システムを作りなおしてきました。これらは、バージョン番号で区別されていました。
• 漢字Talk 6.0.7 などアーキテクチャに進化に合わせて差異を吸収するように全て作り替えられてきたのです。
• しかし、漢字Talk 7 になって差異を吸収するために「システムイネーブラ」というものを使うようになりました。
• アーキテクチャの追加・変更といっても基本的には新機種のリリースです。そのため、コアのシステムは１本ですが、「システムイネーブラ」を機種毎に用意し、差異を吸収するようになったのです。
• 例えば、漢字Talk 7.1 では Macintosh Centris 650 には「System Enabler 040」が用意されていました。
• ただし、Mac OS のメジャーバージョンアップの際にはこの「システムイネーブラ」はシステムに取り込まれて姿を消します。
• ですから、漢字Talk 7.5 以降では「System Enabler 040」は存在しません。（漢字Talk 7.1.2 では必要です。バージョンが1.0 から1.1 に上がっています。）
• 同様に「PowerPC Upgrade Card Enabler」は漢字Talk 7.1.2 では必要ですが、漢字Talk 7.5 以降では必要ありません。
• 同様に「601 Processor Upgrade Enabler」は漢字Talk 7.5 では必要ですが、漢字Talk 7.5.1 以降では必要ありません。