Macintosh 雑記帳（バックナンバー）

「Yosemite」に採用を見送られた技術について（その２）

• Power Macintosh G3 (Blue & White) は素晴らしいマシンです。
• しかし、当初「採用されるのでは？」という技術のうち見送られたものがあります。
• 引き続き検討してみます。

• AGP（Accelerated Graphics Port）
  • AGP とは IBM-PC/AT で採用されだしたグラフィック専用バスです。
  • 「Yosemite」には AGP は搭載されていません。
  • グラフィックスカードは PCI カードが搭載されています。
    • 32ビット幅ですが66MHzと高速の PCI バススロットに接続されています。
    • ちなみに、他の3つのスロットは64ビット幅の33MHzスロットです。
  • AGP のスペック
    • 32ビット幅で同期クロック周波数は66MHzです。
    • AGP は66MHz PCI バスをベースに開発されました。
      • 信号もほとんど同じだそうです。
      • PCI カードを AGP カードに設計変更にするのは簡単かもしれません。
      • 逆は無条件で動作するように規格化されています。
      • AGP カードは PCI スロットに挿しても動作するわけです。
        • そうすることで何かメリットがあるのかは知りません。
    • 最近は AGP×2という倍速バスが主流です。（133MHz）
    • 転送速度は533MB/sです。
      • 計算式：133MHz×32bit＝133MHz×8B＝533MB/s
      • 8bit（ビット）＝1B（バイト）です。
  • 「Yosemite」の PCI バスと AGP×1 とは見かけ上は同速です。
    • どちらも32ビット幅で66MHzですから266MB/sです。
  • しかし、AGP の方が優れているのです。
    • PCI バスは複数のカードで利用されますが、AGP はグラフィック専用です。
      • そのため安定した転送速度が維持できます。
    • さらに、AGP は VRAM だけでなく、システム RAM も使えるのです。
      • グラフィックメモリが不足した場合、メインメモリをも使うのです。
      • 画像データを待避できるメモリ領域が増えるのです。
      • 3Dグラフィックにとってはとても有効なことなのです。
      • これが AGP のミソです。
    • もちろん、AGP×2 と比較すると PCI バスは速度的にも太刀打ちできません。
  • AGP 対応にするためには専用のチップセットが必要です。
    • CPU との間を取り持つブリッジチップなどです。
  • しかし、それだけではないのです。
    • それだけなら「Yosemite」にも採用されたかもしれません。
    • しかし、メインメモリもグラフィックメモリとして使わなければなりません。
    • そう、MacOS も変更しないとならないのです。
    • どの程度の変更かはわかりません。
    • しかし、たぶんその変更が間に合わなかったのでしょう。
• まあ、あわてる必要はありません。
  • あわてて作った不良品などいらないですから。
  • また、「Yosemite」は VRAM を16MBも搭載しています。
  • これだけあれば十分でしょう。（たぶん）
• ちょっと調べただけなので、どこまで正しいかは保証の限りではありません。念のため。

「Yosemite」に採用を見送られた技術について（その１）

• Power Macintosh G3 (Blue & White) は素晴らしいマシンです。
• しかし、当初「採用されるのでは？」という技術のうち見送られたものがあります。
• ちょっと検討してみましょう。

• PowerPC G4
  • 「Yosemite」には PowerPC G4 は搭載されていません。
    • 将来的にも搭載できないようです。（ホント？）
  • PowerPC G4 のスペックははっきりしません。
    • モトローラの定義は128ビット版 PowerPC G3＋AltiVec のようです。
    • IBM は AltiVec を採用せず、高速化を追及するようです。（詳細未発表）
    • どうも AltiVec の扱いがはっきりしていないみたいです。
  • AltiVec とは「ベクトル演算ユニット」のことです。
    • 要は3Dグラフィックなどの演算をする専用のユニットです。
    • Intel の Pentium シリーズは既に同様の機能を先取りしています。
    • MMX（Multi Media eXtension）技術を Pentium に組み込んでいます。
  • つまるところ、CPUは万能ではありません。苦手な演算があるのです。
    • 今まで CPU はそういう苦手な部分は別のLSIにやらせてきました。
    • そして時期を見てCPU自身に取り込んできたのです。
    • 例えば、浮動小数点演算はFPU にやらせてきました。
      • FPU とは Floating Processing Unit の略です。
    • しかし、今や FPU は CPU チップの一部分に取り込まれています。
      • MC68030 と違い、MC68040 は FPU を内蔵しています。
      • これは単に製造技術の進歩です。
      • CPUを作り変えたわけではなく FPU ユニットをくっつけたのです。
      • 微細加工ができるようになったので同じチップ上に載せただけです。
      • CPUはコア部分にキャッシュやユニットが組み合わされた集合体なのです。
        • CPU のチップ写真を見ればわかりますよね。
      • MC68LC040という FPU なしの CPU もあります。
  • 同様に画像処理（特に3D画像）演算も DSP や専用LSIにやらせてきました。
    • DSP とは Digital Signal Processor の略です。
    • Macintosh Centris 660AV や 840AV に搭載されていました。
    • しかし、この技術は続きませんでした。
      • Power Macintosh が登場したからです。
        • Macintosh III かと期待されたシリーズだったのですが……
      • 新たな技術はそのままでは使えません。
        • それに応じた技術対応が必要なのです。
        • 周辺機器メーカは Power Macintosh への対応で手一杯でした。
      • そしてこの技術は捨て去られました。
    • Power Macintosh の投入を前に DSP Macintosh を作ったなんて……
      • ホントにアップルは阿呆でした。というより無責任でした。
      • 無駄が多いです。会社が傾くのも当然ですね。
      • 各設計セクションが好き勝手していたと Dr.Amelio も書いています。
      • アップルだけなら良いのですが、巻き添えになる会社もありますから…
  • 同じ事が Philips の TriMedia という LSI でも起こりました。
    • マルチメディアエンジンでした。
    • Power Macintosh に採用されると言われていたのにされませんでした。
      • PowerPC G3 が期待以上の性能を示したから不要になったのでしょうか？
      • コストがあわなかったのでしょうか？
      • 詳しくは知りません。AltiVec のベースだったりして(^^;)
    • AltiVec も二の舞になる可能性があります。
      • TriMedia の轍を踏まないように既にCPUチップに載せています。
        • Altivec だけ切り捨てることができないのです。
        • ただ、IBM がいます。彼らが AltiVec なしの G4 を供給できます。
      • また、高度な製造技術が必要なので価格が高そうです。
        • IBM はシンプルにして安く作るのでしょう。
        • かつて Exponential X704 は高価だったので不採用でした。
          • 高速化に有利な製造技術で作られた互換 CPU でした。
        • また、同じ高度な製造技術を高速化に使おうとしています。
    • 結局のところアップルが AltiVec を採用するか否かです。
      • 全面採用か？部分採用か？
      • IBM のことを考えると部分採用でしょうか？
      • 部分採用なら周辺機器メーカやソフトハウスは決断をせまられます。
        • AltiVec に対応するか否か？
        • 彼らは過去、何度もアップルに裏切られています。
        • もちろん、おいしい思いもさせてもらっています。
        • 難しい判断ですね。
  • まあ、新技術の立ち上げは簡単ではないと言いたいだけなのです。
    • AltiVec には期待していますが、まだどうなるかわかりません。
    • あまり先走った期待は無意味です。
    • PowerPC G4 は「2000年の CPU」と思っていた方が良いでしょう。
    • Power Macintosh G4 が出荷されても使いものになるまで１年はかかるでしょう。
      • 対応する周辺機器やアプリケーションの開発には時間がかかります。
      • MC68040 の登場の時もそうでした。
      • PowerPC 601（Power Macintosh）の登場の時もそうでした。
      • のんびり待ちましょう。あわてることはありません。
      • Power Macintosh G3 は十分速いじゃないですか。（たぶん）

MAC LIFE 1999年2月号

• 完全保存版「まだまだ現役！まだまだ使える！ヴィンテージMac」が第一特集です。
  • 思わず買ってしまいました。
  • しかしなあ、「ヴィンテージ」とまでいってくれなくても良いのですが……
    • そこまで年代物じゃないぞ！(^^;)
  • 内容的にはとても面白いです。オススメです。
  • しかし、あえてこの時期に特集するかな？
    • こういうネタって特集するものがないときのものだと思います。
    • Modern I/O とか Ultra DMA/33 とか ATi RAGE 128 とかあるでしょう。
    • すでに特集しちゃったのかな？それとも来月の特集なのかな？
    • 私はただではほめないひねくれ者です。ひとこと多いですね。(^^;)
• ただ、こういう Macintosh 情報誌が「改造」を記事にするのは反対です。
  • アップルの保証外のことをユーザに奨めるのですか？
  • あまりにも無責任です。初心者がトライしたらどうするのでしょう？
  • 雑誌に載せるのではなく、「ムック」にするなど配慮が欲しいです。
    • ムックとは雑誌の号外・特集別冊みたいなもののことです。
  • 「個人の責任で行って下さい」という注意書きは免罪符ではありません。
  • Web（ホームページ）などに掲載するのは別です。
    • 簡単に言えば、メディアの性格が違うのです。
    • Web は「見たい人」が「自分で選んで」見に来るものです。
    • 初心者も読む雑誌とは違います。
  • MAC LIFE 誌はちゃんと配慮してくれていました。
    • 詳しくは解説していないのです。
    • 「知りたい人は関係者のホームページを見て下さい」という感じです。
    • 十分とはいえないまでもこういう配慮は必要です。
    • さすが老舗の Macintosh 情報誌です。
• しかし、全てを否定するつもりはありません。
  • クロックアップや解像度アップなどの記事には反対です。
  • しかし、NuBus カードの紹介などの記事はどんどんやって下さい。
    • こういう機能強化は「改造」ではありません。
    • これは面白かったし、参考になりました。
    • 「よくぞやってくれました！」という感じです。
  • また、使い方を工夫して生き残らせる方法の紹介なども面白いです。
    • ソフト面での生き残りを紹介してもリスクはありません。
    • ただし、現在入手可能かは確認して欲しいです。
      • MAC LIFE 誌のことではありません。念のため。

Power Macintosh G3 (Blue & White) "Yosemite" 検証（その４）「補足・訂正？」

• 昨日で終了するつもりでしたが、ちょっと続けます。
• 本日発売の Macintosh 情報誌の内容があまりにも貧弱だったからです。
• まあ、出版社を責めても仕方ありません。
  • 発表が1/5であれば速報を載せるので精一杯だったのでしょう。
  • 年末・年始編集でスケジュールもきつかったはずです。
  • プレスリリースそのままの「速報」記事でも良しとしないとかわいそうです。
  • アップルも事前に情報をリークしなかったのですね。
  • デザイン以外はリークしておけば良かったのに。気がきかないなあ。
  • まあ、日本では品切れ状態ですからあせる必要もないのでしょう。
    • 次の入荷が1月末というのは遅すぎますね。（ホント？）
    • iMac のように供給を途切れさせないで頑張って欲しいです。
• 来月号に期待です。Macintosh WIRE は頑張るかな？
• しかし、Web の情報は速いですね。紙メディアはかなわないです。
  • しかし、紙メディアは残ります。電車の中でも読めます。(^^;)

［補足］

• 本体デザインについて。
  • Mac Power 誌の先月号（1999年1月号）の予想イラストは好きでした。
    • タワー型のイラストです。
    • 正面が白で、側面が青の流線型デザインです。
      • 文字だけで説明するのは難しいですね。
    • 「Yosemite」も青と白を逆にすると好きになれるかもしれません。
    • まあ、大きなお世話ですね。
• CRTデザインについて。
  • 「Yosemite」ほど嫌いではありません。
    • やはり、正面は白でないとね。
  • ただ、足の幅が本体より広いというのは問題ですね。
    • 一回り大きなラックが必要になってしまいます。
    • 実際に見ましたが確かに本体より幅が広いです。
    • そこにキーボードを入れるみたいですが……
    • ADB タイプのキーボードは入るのかな？
    • 拡張キーボードは入らないでしょうね。
• グラフィックカードについて。
  • ATi RAGE 128 は128ビットエンジンを載せています。
    • そういえば Dreamcast も128ビットグラフィックエンジンを載せています。
    • CPU は32ビットなのに128ビットゲーム機と呼ばれるゆえんです。(^^;)
    • また、3D API に OpenGL が採用されています。
    • Windows95 の OSR2.0 以降のスクリーンセーバーにありますよね。
      • OpenGL という立体文字がぐるぐるまわる奴です。
      • Microsoft の技術かと思ったらSilicon Graphics からのライセンスです。
      • Java みたいにいろいろな方言があるのかもしれません。
  • このあたりは勉強しないとだめですね。
• シリアルポートについて。
  • シリアルポートに接続されてきた機器にはMIDI関連機器もあります。
    • 私はMIDIにうといので忘れていました。(^^;)
  • これらは「Yosemite」で動かすのに苦戦しているようです。
    • 時間が解決してくれることを期待しましょう。
    • といっても、関係者が努力してくれていることを忘れてはいけません。

［訂正？］

• 「Yosemite」の内蔵ドライブ用バスですが Ultra DMA/66 ではないのかもしれません。
  • どこかに書いてあったように思ったのですが……
  • 正式なドキュメントには次のようにしか書かれていません。
    • 「Ultra ATA」、「新世代 Ultra ATA」
    • これが何を意味するのかわかりません。
    • Ultra DMA/33 であることは間違いないでしょう。