MOドライブの増設準備

最終更新 2000/01/16

 このページはApple Power Macintosh G3 DTをパワーアップするための情報を掲載しています。 この情報はあくまでも私が試したことの紹介です。この通りにして何らかのトラブルが起こっても保証の限りではありません。もし試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。
MOドライブについて

 今回のパワーアップは内蔵型のリムーバブル記憶装置を増設することです。「リムーバブル」とは「取り外すことができる」ということで、フロッピーディスクなど取り外せるメディアを用いる記憶装置を意味します。これは取り外せず記憶容量が固定のHDDなどのデータをバックアップするために使用します。リムーバブル記憶装置はメディアを交換することで容量の制限無しにデータを記憶することが可能なのです。
 HDDの容量が巨大化するに従ってリムーバブル記憶装置も大容量化してきました。HDDのデータをフロッピーディスクで100枚以上にバックアップするのは大変だからです。 種類もいろいろあります。日本ではMOドライブが主流で、128MB、230MB、540MB、640MB、1.3GBの5種類があります。欧米ではZipドライブが主流で、100MB、250MBの2種類があります。アップルはアメリカの企業ですからZipドライブが標準搭載されていたりするのです。他にもいろいろありますが、省略します。こういうものは実績がなければ評価するに値しないからです。それでも知りたいという方はこちらを参照して下さい。

 さて、今回増設するドライブは640MBのMOドライブです。日本の主流であり、容量的にも余裕があるためMOを選びました。日本語という2バイト言語を使う場合には欧米主流のZipでは力不足でしょう。日本語版のMac OSをクリーンインストールできるだけの容量が確保できる方が良いと考えたわけです。ただ、1.3GBの「GIGAMO」(ギガモ)ではなく、640MBのオーバーライト(O/W)対応のドライブにしました。「GIGAMO」はまだ実績が少なく、1.3GBディスクは回転速度も遅く、O/Wにも未対応です。少しばかり時期尚早と思えたのです。バックアップには大容量の方が便利ではありますが、データが読み出せなくなるなどのトラブルが起これば大容量だけに損失も大きいのです。つまり、それだけ多くのデータが一気に失われてしまうからです。もちろんMOは上位互換なので「GIGAMO」では全ての種類のMOディスクを使用可能ではあります。つまり、「大は小を兼ねる」のですが、使わない「大」のために高いお金を払うのはもったいないです。
 MOドライブはハード的にはMacintosh用もIBM-PC/AT互換機用もほとんど変わらないはずです。しかし、ドライバやMOディスクのフォーマットなどを行うユーティリティソフトは全く異なります。何らかの工夫をすれば IBM-PC/AT互換機用もMacintoshで使用可能かもしれませんが、そこまで冒険をする必要も無いでしょう。Macintosh用を購入しましょう。


増設するMOドライブの説明

 さて、増設するドライブを説明しましょう。私が購入したのはヤノ電器のMO640i-SR TypeLです。簡単に仕様を説明します。
Yano MO640i-SR TypeL

 このモデルを購入した理由を簡単に説明します。会社で使用している Power Macintosh 8500/120 に内蔵しているMOドライブが同じくヤノ電器製の230MB MOドライブであり、とても安定しており満足していたのが最大の理由です。やはり実績があることは大きなアドバンテージです。
 もう一つの理由は他にベージュのPower Macintosh G3に内蔵できるMOドライブがなかったからです。何軒かショップを回ったのですが、他社のMOドライブは売り切れていたのです。西暦2000年問題(y2k)対応のために一気に売れてしまったのかとも思って聞いてみたのですが、ベージュ用の周辺機器はそろそろ生産終了らしいのです。最近はBlue & White用かGraphite用しか入荷しないそうです。滑り込みセーフといったところでしょうか。

 また余談ですが、MOドライブをパーツとして購入する方法もあります。HDDはベアドライブという生の状態でパーツ(スレッド、ブラケット、ベゼル、ケーブルなど)と共に 購入し自分で組合わせて取りつけることが多いのですが、それと同じ方法です。ただ、この場合には注意が必要です。HDDと違ってMOドライブにはディスク挿入口があります。ベゼルの口がドライブの口とぴったり合う保証はありません。これは特に規格化されているわけではなく、各社独自にキット化しているからです。一応、アップル純正パーツらしきものを扱うショップがこのあたりのパーツを提供しているので一通り揃えることは可能です。ただ、微妙にドライブのネジ穴やベゼルの口と合わない場合には位置合わせの加工作業が必要になるのです。今回はベージュ用の640MBのMOドライブが見当たらず、この選択肢を選ぶことすらできませんでした。Blue & White用かGraphite用のドライブにはベゼルだけではなく本体前部まで着色されておりドライブの正面形状も異なるようで、タワー型用のブラケットが付属しているようです。私には手軽にベージュのデスクトップ型には実装できそうにないと思われたのです。

 Gossamer Rev.2 にはATAPI型のドライブが接続可能なので安く買えるかと思っていたのですが、ベージュ用のATAPI型がなく結構高いSCSI型を買うことになってしまいました。まあ、外付けのSCSI型を買えばもっと安く買えたのですから、これもこだわりと思ってあきらめるしかありません。


SCSI IDとターミネータの設定

 今回のMOドライブはSCSI-2対応です。ベージュのPower Macintosh G3はSCSI-1ですからSCSI-2の転送速度の恩恵は受けられません。しかし、SCSI-1はとても安定しています。ですから、それで満足しましょう。ただ、SCSI機器には接続するための約束事があります。それはSCSI IDとターミネータです。

 まず、SCSI IDを設定しましょう。詳しくはここを参照して下さい。Macintoshでは既に予約済みのID番号があるのでMOドライブのIDは2番にするようです。ただ、これは決まり事ではありません。要は空いている番号を使えば良いのです。ヤノ電器のMOドライブはデフォルト(初期設定)でID=2にセットしてあります。ですから特に変更する必要はありませんでした。

 次にターミネータの設定をします。詳しくはここを参照して下さい。このPower Macintosh G3 DT 266にはSCSI機器が1台も接続されていません。HDDもCD-ROMドライブもATAPI型なのです。そのため、このMOドライブが最初のSCSI機器になります。そして最後のSCSI機器になるのです。SCSI機器はデイジーチェーンといって数珠つなぎに接続できるのですが、両端にターミネータと呼ばれる終端抵抗を取りつける必要があります。外付け型のSCSI機器と異なり、内蔵型の機器にはターミネータは内蔵されているのでジャンパピンなどの設定でターミネータをオン(アクティブ)にできます。
 今回はマザーボード(ID=7)が一方の端になり、もう一方の端がこのMOドライブになるのです。マザーボード側の設定は済んでいるはずですから、このMOドライブのターミネータをオンにすれば良いのです。デフォルトではオフになっているので、ここのジャンパピンを切り替えてオンにします。3箇所のピンの2本は既にショートさせてある(ピンを被せてある)ので残りの1本にもピンを被せてショートさせれば良いのです。簡単な作業ですが、手先の器用さが要求されます。ピンセットなどを使った方が良いかもしれません。誤ってピンをMOドライブの中に落としてしまっても慌てる必要はありません。落ち着いてドライブ口を下にして振れば落ちてきます。当然ながらジャンパピンの穴から出すのは難しいでしょう。
Before
購入時
After
変更後


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