Mac World Expo Tokyo '98 Report (1)

Mac World Expo Tokyo は今年で8回目だそうです。私が行くのは今回で4回目になります。今年も1998年2月18日から2月21日まで幕張メッセで開催されました。

• 幕張メッセのメイン展示場は1から9まであります。（昨年、東京ビッグサイトに対抗して新展示場をオープンしているのでもっと広くなりました。）前回は4から9のブースを使用していましたが、今回は4から6までを使用していました。つまり、面積的に60%になってしまっています。
• 確かに今回は Mac OS 互換機メーカが参加していないし、主催者開催のステージののべ面積も減っています。また、20才以上限定のアダルトコーナーも消滅しています。^^;)。ですから、純粋な参加企業ブースの面積は20%減ぐらいではないでしょうか？（ショップもちょっと減っていましたね。）
• でも、3年ぶり(？)にマイクロソフトが帰ってきてくれました。ジャストシステムも帰ってきてくれれば良いのに。（ちょっと今は苦しいみたいですけどね。）
• Mac World Japan 誌が1998年4月8日から Graphics World 誌になります。Macintosh だけではなく、WindowsNT や Sun Microsystems 社やSilicon Graphics 社などのワークステーションなどもターゲットにしたコンピュータグラフィックスや DTP に特化した雑誌に生まれ変わるそうです。Mac User 誌を吸収した米国の Mac World 誌との提携も維持されるので、Macintosh の最新ニュースは強化掲載されるようです。これと Mac World Expo Tokyo の開催は何ら関係ないので、来年もちゃんと開催されるはずだそうです。
• 余談ですが、Mac User Japan 誌の廃刊は残念です。さらに Mac World Japan 誌の名前も消えてしまうというのですから……寂しいですね。アップルの騒動があってからさまざまな影響があちこちにでています。今回楽しみにしていた各 Macintosh 誌の Expo 特別号も配布していたのはアスキーだけでした。（Mac Power 誌＆ Mac People 誌）まあ、ビジネスですから儲からなければそういう余裕もでないわけですから。みなさん、Macintosh 情報誌を買って儲けさせてあげましょう。来年の Expo のために。

気に入らないです。一昨年ぐらいから幕張にもダフ屋が出没している。無料で配られている招待券をかき集めて売ったり、帰りの人から入場券を買い取って売ったり…。

• 確かに2,000円の入場券を1,500円で買えて500円も得した気分になりますよね。
• でも、その券は帰る人からたった100円で買い取ったものなのです。ダフ屋から「買うよ！」と言われて券を渡し、100円しかもらえず驚いた人も多いでしょう。
• ダフ屋の懐には1,400円/枚の金が入ります。でも、主催者には1円も入りません。これはフェアですか？
• ダフ屋から入場券を買った人は Mac World Expo '98 の入場者にカウントされていないはずです。こういう人が増えたら、入場者数が実際の数より少なくカウントされてしまいます。来場者が少ないと出展社が減るのです。効果が少ないと判断するからです。
• 主催者は儲かりません。来年の Mac World Expo '99 はもっと小さな会場でしか開催されないかもしれません。同じ広さの会場で開催できても値段が上がるかもしれません。実際に今年は当日券が値上がりしました。昨年は1,500円でしたが今年は2,000円でした。
• ……
• 全席指定のレアなコンサートチケットでも何でもありません。当日に誰でも2,000円で買えるのです。ダフ屋から買う人が、ダフ屋へ売る人がいるからダフ屋は存在するのです。

• 私は Mac World Expo に限らず、展示会に行くときは、できる限り各社のステージやワークショップを見て回ります。各社が工夫を凝らして作ったステージを無料で見れるのです。プレゼントまでもらえたり、当たったりします。これを見逃す手はありません。
• ステージは各社がお客様に最も知って欲しいことを中心に20分程度にまとめられています。かなりのお金もかかっています。ここで概要をつかんでから各社のブースを見るとよくわかるし、質問もしやすいです。
• ステージは座って見るべきです。座らないとプレゼントが当たらないこともありますし、立ち見は疲れます。各ステージのスケジュールボードがあるので時間をチェックして計画的に座って見ましょう。最初からちゃんと見れるから良いですよ。
• このスケジュールボードがないブースもたまにあります。次回の開催時間しか表示されていないと計画的にまわれません。他にも見たいステージはたくさんあるのです。(アドビやオープンブック9003などがなかったですね。残念！来年はよろしく。）中にはステージスケジュールを印刷して配布してくれているブースもあります。こういう配慮はうれしいものです。
• 初日に Expo に行けるのなら、国際会議場で行われる基調講演は必ず聞くべきです。ここに、 Expo の全てのエッセンスが詰まっています。何がメインか？、何がテーマか？、何を見て欲しいか？、など、主催者とアップルのメッセージが凝縮されているのです。しかも、無料！です。そして、必ずと言って良いほど時間オーバーするぐらい盛りだくさんです。こんなお得なものはないです。
• 昔は私もカタログ集めや粗品集めにまわったこともありましたが、今では情報収集にはこの方法が一番だと思っています。集めたカタログって実はあまり読まなかったりするんですよね。
• できれば会社や学校を休んで行きたいものです。最終日の土曜日は大変混雑します。私は仕事をやりくりして休みました。あらかじめ職場で「ああ、Mac World Expo なら仕方ないな。年に一度のお祭りだから。」と思い込ますことができれば休みやすいです。

ここでは私が注目した事だけを簡単に紹介します。後日のステージなどで得た情報で補足しています。

Power Mac G3 シリーズについて

• 思った以上に売れていて、ここ最近の最大のヒット商品みたいです。
• Pentium II マシンよりもかなり早いと自慢していました。（まあ、気持ちは分かりますけどね…）
• 「夏にはもっとすごい製品を出す」と Mr. Jobs は言っていました。（もう少しのんびりすれば？ねえ。製品のライフサイクルはもう少し長くしないと。いつまでたっても買えやしない^^;)）

• ローカライズを30日で成し遂げた。（日本語版が世界初リリース）
• マイナーバージョンアップではなく、大幅に機能を追加。
  • Finder でのコピー、フォルダのオープンの高速化。（68K Mac でも早くなるはずとのこと。試してみよう！）
  • アプリケーションの起動、再起動の高速化。
  • 浮動小数点演算の高速化。
  • 仮想メモリ、ディスクキャッシュの高速化。
  • ことえり2.1では辞書を指定して変換可能。（郵便番号辞書、和英辞書、英和辞書）つまり、「コマンドキー＋1」で郵便番号辞書を使って変換とか指定できる。
  • 作業環境マネージャ2.0でデスクトップ型の Macintosh もサポート。インターネットの設定などを簡単に変更可能。
  • UDF（Universal Disk Format）をサポートし、OSレベルでDVDをサポート。
  • PC Exchange 2.2 で Windows のロングファイルネームやFAT32をサポート。ZipやJazzもサポート。
  • Open Transport 1.3 でシングルリンク・マルチホーミングをサポート。つまり、1台の Macintosh に複数のIP アドレスを割り付けることが可能になった。
  • Mac Runtime for Java 2.0 を添付。JDK1.1.3 に準拠。
  • HFS+（Macintosh 拡張フォーマット）により、HDDを効率的に利用可能。
• マイクロソフトとの提携での最初の実績。（Internet Explorer をデフォルトブラウザとして設定。これは Netscape Navigator などの他のブラウザに変更が可能。）

• Power Mac G3 マシンなら、フル画面サイズでもコマ落ちのないスムーズなハイクオリティーの再生をしてくれます。
• インターネットからダウンロードしながらの再生でもそこそこのクオリティーです。ダウンロード可能なファイルサイズにしていたので画像サイズは小さくなり、クオリティーの落ちますが実用に耐えるレベルです。MPEG-4の業界標準になるはずです。こちらを先にデモすればよかったのに。先のスムーズなハイクオリティーの再生を見た後なので、ちょっと見劣りしたのは仕方ないですね。
• MIDI 再生も素晴らしいです。前バージョンとの比較で、ディテールの細かさが際だっているのがよくわかりました。これはローランド社が技術提供しているのです。ただただ感謝です。
• これはすごいです。でも、68K Mac ではパワー不足だな。たぶん。

• どうもはっきりしませんが、日本でもやりたいみたいです。
• 「広いパイプでゆっくりたくさん流すことも大切だが、細いパイプで早く流すことも大切だ。トータルで多く流せれば良い。」と言っていました。
• 日本にこのような方式が定着するかは別にして、ユーザにとって選択枝が増えるのはよいですね。

• 私はこの前まで Microsoft 社は嫌いでした。それは Windows95 を出しているからではなく、Microsoft Office 4.2 for the Macintosh をバージョンアップしなかったからです。「大マイクロソフトともあろうものが、Windows95 を売るためにセコいことをするなよ。」という気持ちでした。
• とはいうものの、会社では私もWindows95 関連の管理もしているのです。Windows95 や WindowsNT には何の恨みもありません。念のため。
• しかし、今回の Microsoft Office 98 Macintosh Edition を見て、再びマイクロソフトファンになりました。そもそも Macintosh で最初に触ったアプリケーションは Microsoft Excel 2.2J でしたから。素晴らしい出来です。発売は1998年の夏のようですが待ち遠しいです。私が気に入ったところを紹介します。

• 日本語で正しくソートできるようになりました。今までは漢字の文字コード順にソートされたりして、別に読みがなの列を作らないといけませんでした。ちゃんと日本でローカライズしているんですね。これは、基本的な日本語の処理をきちんと作り直した成果のようです。目立たないかもしれませんが、最大の機能強化で、素晴らしいです。感謝！
• プレビューで改ページ位置の修正や内容の修正が簡単にできる。
• 縦方向のセル均等配置ができる。（セル結合ができる。）
• 計算式に関係するセルを色付きで表示。（間違いの発見に効果あり。）
• 当然ながら Windows 版の Office 97 とファイル完全互換です。
• ちなみに私は個人で Excel.5 のライセンスを持っていますが、気に入らないので Excel.4 を使っています。
• 期待はしていますが、Microsoft Office 98 Macintosh Edition は確か PowerPC の120MHz 以上でなければ動かないので私個人では使えないですね。
• でも、会社の Power Macintosh 8500/120 には入れてもらおう！^.^)/

• 縦書きのサポートがかなり良い感じ。（縦書きテキストボックスで実現。）
• 罫線ツールも機能強化され、作成・修正・消去が容易に行える。
• 思ったより軽そうです。今の Microsoft Word 6 は重すぎるのでうれしいです。
• Word は勝手なことをしなければ良いのになあ。勝手に文字を詰める（英文じゃないのに…）、勝手に番号つける（そんなのいらないんだってば）、……。改善されているかな？今回の Office はローカライズ以上の日本語化がされているので期待しています。

• デモがない。残念。
• Powerpoint 4 から Powerpoint 95 のバージョンアップでかなり変わったので、今度も苦労しているのかな？でも、ちゃんと同時にリリースするそうです。
• これで、Powerpoint 95 や Powerpoint 97 のファイルが開けることが最大のメリットなのです。
• これも期待ですね。（なんて無責任な発言）

• エクスプローラバー（画面の左にあるタブ）は便利。
• 購読（オートパイロットでの未読チェック）なども便利そう。
• Active Channel に対応した。
• 英語版のバグも修正したみたい。
• これも期待ですね。
• CD-ROMもらったから試してみないといけません。

• Eudora などの既存のメールソフトのアドレス帳などのインポートができる。
• 複数のアカウントや複数のユーザの使用に対応している。
• フィルタも良くできているみたい。
• HTML もサポート。
• これも期待ですね。

• 新しいホームページ作成ソフト。
• Dynamic HTML をサポート。
• Java Script 作成も可能。ブラウザ・HTMLバージョンを指定して、それ用の Java Script を作成してくれる。
• リアルタイムで WYSIWYG 画面と HTML 画面が連動する。
• レイヤーというものを使ってレイアウトするので、レイアウトソフトみたい。
• HTML ファイルをライブラリ化でき、ライブラリの修正を全ページに一括適用できる。
• これも期待ですね。1998年4月〜5月頃発売予定。