Macintosh Centris 650 メモリ増設作業
Final Updated 1998/11/01
このページはApple Macintosh Centris 650をパワーアップするための情報を掲載しています。
この情報はあくまでも私が試したことの紹介です。この通りにして何らかのトラブルが起こっても保証の限りではありません。もし試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。
メモリ増設作業のながれ
本体の電源を切り、ケーブルを全て外します。
- 製品に付いてきたアップルのマニュアル「はじめにお読み下さい。Getting Started」には「コンピュータの電源コードを接続したままにすることで接地が保たれ、静電気による傷害を防止することができます。」と書かれています。しかし、日本ではアース(接地)のできるコンセント(3穴のもの)は普及していません。アップルの電源コードも3端子のものではなく、アース端子の代わりに緑のアース線が付いている2端子のものです。これをアース対応のOAタップにつないでも、壁のコンセントが普通の2穴タイプなら効果はありません。
- かえって誤って作業中に電源ボタンにさわって電源を入れてしまうことの方が恐いです。アップルのマニュアルにも「△重要:電源のスイッチをオフにしても電源は通っています。△」と注意書きがあります。マニュアル通りに電源コードを接続したまま作業をされる場合には電源ボタンに絶対に触らないように注意して下さい。
- 静電気とは自然に人体にたまり、ある程度たまると、手などが金属物に近づくと「バチッ」と放電するあれです。特に冬場の乾燥したときによく経験すると思います。これが何万ボルトという高電圧なので、作業中に放電するとマザーボードやSIMMについている半導体チップ(LSIやIC)が壊れるのです。流れるのは一瞬なので人体に害はないのですが、半導体チップには致命的です。実際に「バチッ」と放電しなくても、静電気は触れれば抵抗の少ない方に流れるので、マザーボードに触れれば体にたまった静電気がマザーボード上の半導体チップに流れてしまいます。体に静電気がたくさんたまっている状態で触ってしまうと半導体チップを壊していまう可能性があります。
- そもそも半導体チップは3V(3ボルト)や5Vで動作するよう作られています。ここに何千ボルト、何万ボルトの電圧がかかると簡単に壊れてしまいます。壊れた半導体チップは修理不能で交換するしかありません。しかし、壊れるといっても外見上にはそれほど変化がないので、ボード上のどの半導体チップが壊れたのかを突き止めるのは至難のワザです。そのためボードごと交換することになり、多くの出費を強いられてしまいます。静電気には十分注意が必要です。
- 人体にたまった静電気は、作業前に金属製の水道管に触れることで逃がすことができます。水道管は基本的に地中からきているのでアースできるわけです。ただ、塩化ビニール製の水道管などもあるので、手近の大きめの金属物にもいくつか触ることをお奨めします。人体より金属の方が静電気には居心地が良いので(抵抗が小さいので)そちらに流れてしまうのです。また、洗濯機用のコンセントには漏電防止の専用アース端子があるはずです。
- 静電気をためないようにする必要もあります。セーターなどは静電気がたまりやすいので、冬場の作業時は脱ぎましょう。乾燥しているのも良くないので加湿器などで加湿しましょう。(やかんでお湯を沸かしても同じです。)作業に時間がかかる場合には途中で再度静電気を逃がすようにしましょう。
- 作業をする際には安定したところで行いましょう。パソコンラックの上でも構わないのですが、作業がしやすいような広いテーブルなどの上に移動した方が安全です。
本体(ケース)の開け方
- 背面の「安全ネジ」をゆるめます。
- このネジできょう体の上カバーとシャシーがとめられています。
- 製品に付いてきたアップルのマニュアルには「ネジを半回転させてゆるめます」とありますが、ネジがグラグラするぐらい数回転させないと上カバーはシャシーと外れません。
- このネジは完全には外れない構造になっています。シャシーに残ります。
- ケースの上カバーの両側面を押さえ気味にして前に少し(2.5cmぐらい)スライドさせます。
- きょう体の左右の下には3カ所づつフックがあります。2.5cmぐらいスライドさせるとフックが外れるのです。
- 上カバーのスライドにはかなり力が必要です。しかし、力まかせに引っ張らないで下さい。このきょう体の上カバーは変形しやすいので慎重にゆっくりスライドさせて下さい。変形してしまうときちんと閉まらなくなってしまいます。
- 左右のフックが外れたら上カバーを上にそっと引き抜きます。
- 画像による補足説明
増設メモリの追加方法
- 解説書などにはSIMMスロットの上にある、HDDドライブやフロッピードライブや、CD-ROMドライブなどを外すように書かれていることもあります。確かにその方が増設メモリを取り付けやすいのですが、ドライブを外すとまた取り付けるのが面倒なので私は外しません。手先がSIMMスロットまで届けば問題ないですし、届くはずです。
- SIMMは静電気に弱いので端子(金メッキの部分)やメモリチップには触れないようにし、左右両端をはさむようにして持ちます。
- 72ピンSIMMは取り付けるまで買った時に入っていたビニール袋(少し厚手の青などの色のついた袋)の中や黒いスポンジの上に置いておきます。
- これらは導電袋、導電スポンジと呼ばれるもので、72ピンSIMMから静電気を逃がしてくれます。
- 72ピンSIMMの方向を確認します。(切り欠きのある方が前です。)
- 斜めに差し込みます。
- 端子部を支点にゆっくりとツメがカチッと止まるまで立てれば完了です。
- [2枚づつ増設する場合]
- 4カ所あるメモリスロットを順に1,2,3,4とすると、1と2、3と4がペアになっています。
- 同じ容量・速度の72ピンSIMMを1と2(あるいは3と4)に増設するとメモリインターリーブが働きます。
- [外す場合]
- メモリスロットの左右にあるツメをゆっくり少しだけ左右に引っ張ります。
- 金属製のツメなら多少の力を加えても大丈夫ですが、プラスチック製のツメの場合は折らないように細心の注意をはらって下さい。
- 72ピンSIMMの上を手前にちょっと手前に引っ張ってメモリスロットから浮かせます。
- メモリスロットから72ピンSIMMを抜き取ります。
- 画像による補足説明
本体(ケース)の閉じ方
- きょう体の左右のフックの位置を合わせて上カバーを置きます。
- 上カバーを両側面を押さえ気味にして後ろに少し(2.5cmぐらい)スライドさせ、フックをかみ合わせます。
- フックがかかったのを確認して上カバーを最後まで押し込みます。
- 背面の「安全ネジ」をしめます。
- 上カバーが変形してしまうとネジ穴の位置がずれるのでうまく閉まりません。作業中に変形させた記憶がなくてもネジ穴の位置がずれていることがあります。このきょう体が「たてつけが悪い」といわれたのもそのせいでしょう。昔のMacintosh IIciなどのプラスチックきょう体はカチッとしまりました。まあ、このネジがしまらなくても問題ありません。しまらない場合は放っておきましょう。
- 画像による補足説明
ケーブルを全てつないだのを確認し、本体の電源をを入れます。
- あわてずに最後の確認をしましょう。
- Macintoshを起動します。
- Finderのアップルメニューの「このMacintoshについて…」で「メモリ合計」をみて下さい。増設したメモリ分だけ増えていれば完了です。
- 「メモリ合計」が増設したメモリ分だけ増えていない場合は失敗です。ステップを逆にたどってチェックしましょう。
- まず、落ちつきます。Macintoshは簡単には壊れません。ちょっとした作業ミスのはずです。
- 72ピンSIMMがSIMMスロットにきちんとささっていますか?(接続不良)
- きちんとささっているなら72ピンSIMMが壊れている可能性があります。
- 静電気に注意して作業したのならもともと不良品だったのでしょう。お店で交換してもらいましょう。
[メモリ増設の準備]
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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