Macintosh セットアップ(2)

最終更新 1999/06/06

 このページはApple Power Macintosh G3 DT 266 (E) を例にして Macintosh のセットアップ方法を説明します。ただし、あくまでの私の経験による個人的意見です。皆さんそれぞれで判断して下さい。また、内容については正しく記述しようと努力はしていますが、絶対正しいと保証できるものではありません。何かトラブルが起こっても私は責任を負えません。ご承知おき下さい。
箱を開ける

まずは箱を開けるところから始めましょう。パソコンは Macintosh に限らず、想像以上に大きなもので重さもかなりあります。箱を開ける際には安定した場所を選びましょう。また、できることなら箱は捨てずに保管しておくことをお勧めします。引越や中古市場に販売する際に必要になるからです。

ケーブルを接続する

詳しくは取り扱い説明書をよく読んで下さい。注意点としては最後に電源ケーブルをコンセントにつなぐということです。思いもよらず電源が入ってトラブルが起こることを避けるためです。
 さて、ケーブルをコネクタについているマークと同じマークがある本体のコネクタ口に接続します。この際にケーブルを伸ばしきらないで必要な長さで「軽く」束ねておくとからまりにくいです。
 ただし、きつく縛るとトラブルの原因になります。あくまでも「軽く」です。また、SCSI ケーブルは繊細なので束ねない方が良いです。
 さらに、Power Macintosh G3 などは世界共通電源を積んでおり、電圧切替の必要があります。日本で使う場合にはディップスイッチを115V側に切り替えます。日本の家庭用電源は100Vですが、気にする必要はありません。

電源を入れる

電源を入れる前にケーブルの接続を確認します。そして、電源ケーブルをコンセントに接続します。アース端子つきの三足コンセントの場合は変換プラグが必要です。また、アースを接続する必要はありません。できれば接続した方が良いのですが、日本の家庭用コンセントでは難しいでしょう。洗濯機用のコンセントぐらいにしかアース端子つきコンセントはないからです。まあ、あまり神経質にならない方が良いと思います。
 電源ボタンを押すと起動を開始するはずです。この電源ボタンはオンのままにします。(Macintosh の電源オフは Mac OS 側で行うからです。)機種によってはオンのままロックできるものがあります。例えば Centris 650 の場合にはマイナスドライバーを使って電源ボタンを90度回転させます。こうすると誤ってボタンを押しても押しきれずオフになりません。

起動の確認

「ポーン」と起動音がして「Welcome to Macintosh」画面になります。デスクトップが表示されたら起動完了です。泣き顔の Macintosh マーク(Sad Mac)が出たり、?マークつきのフロッピーマークが出たりした場合には異常があります。接続を確認し、それでも起動できなかったら購入した店に相談しましょう。


簡単な信頼性テスト

最近のアップルの品質管理はしっかりしているので初期不良はほとんどありません。しかし、念のため初期不良のチェックのために電源を入れたまま一定時間置くことをお勧めします。「省エネルギー設定」コントロールパネルをオフに設定してスタンバイに入らないようにして下さい。(最近の Macintosh は Energy Star 規格に準拠するためあらかじめ「省エネルギー」オンになっています。そして、その設定が記憶されています。ですから、「省エネルギー設定」コントロールパネルをシステムフォルダから外しても効果はありません。必ず「省エネルギー」をオフにして下さい。)
 初期不良は72時間のランニング試験で簡易チェックできます。これをクリアすればまず初期不良はでないと思って構いません。これは品質管理の基本です。

 簡単に説明しましょう。どのような製品でも3種類の故障モードがあります。「初期故障」「偶発故障」「老朽故障」の3種類です。製品によってそれぞれのモードが起こる期間は異なります。CPU や RAM などの半導体部品は「初期故障期間」と「老朽故障期間」が極端に短く、稼働部品が多い複雑な構造の製品の場合には逆に「偶発故障期間」が短くなります。
 この3つの故障モードを簡単に説明します。「初期故障」は製造上の不具合による故障です。これは組み立て時の不具合だけでなく、部品レベルの製造上の不具合も含みます。通常は出荷テストで発見されるのですが、ある程度電流を流したり動かしたりしないとわからない場合もあるのです。メーカでは出荷テスト以外に信頼性テストをしており、ほとんどの初期不良はここで発見されます。しかし、信頼性テストは全数ではなくロットごとに統計的に抜き取りで行われるため、初期不良品が市場に出てしまうことがあるのです。
 「偶発故障」は文字通りの故障で予測不可能です。突然の停電にあったり、何らかのショックで何かが壊れたりすることです。目に見えない原因もあるのでなぜ壊れたかはわからないことも多いです。「老朽故障」は寿命による故障です。これは修理不能で交換するしかありません。

 さて、そういうわけなので購入直後のランニング試験はしてみて損はありません。必ずメモリの増設や記憶装置の増設など内部をさわる前に行って下さい。自分が壊したのか初期不良なのかが区別できなくなることを避けるためです。これは鉄則です。方法は先に述べた通りですが、ハードディスクの読み書きなどは長時間できませんからメーカの信頼性テストの完全な代わりにはなりません。ただ、気休めにはなりますし、電源を入れっぱなしにするだけでも効果はあります。
 テスト時間ですが、メーカでは72時間ぐらい行っているはずです。ただ、家庭用電源は不安定であり無理に連続運転することもないでしょう。特にヘアドライヤーを使ったり電子レンジを使うとブレーカーが落ちるような家では実施しないで下さい。パソコンにとっていきなり電源を切るということはやってはいけないことだからです。お勧めは夜間の連続運転です。1週間ほど毎晩つけっぱなしにしていれば良いのです。夜間は使用する電器製品も少なく安定しているからです。それで問題なく動作していれば問題ないと思ってよいでしょう。


なぜフォーマットが必要なのか?

 始めに改めて書きますが、フォーマットは必ずしなければならないものではありません。私のように特殊な事情がある場合や中古の Macintosh を購入した際には積極的に行うべきですが、必要もないのにフォーマットするべきではありません。ただ、やり方を知っていれば何も危険はありませんし、Mac OS の調子が悪くなった場合の最終手段である、Mac OS の再インストールの時に必要な作業です。覚えておいて損はないと思いますので紹介をしています。
 Macintosh には2つのフォーマットがあります。従来の「HFS」は「Macintosh 標準フォーマット」とも呼ばれます。そして、Mac OS 8.1 から採用され始めた「HFS plus」は「Macintosh 拡張フォーマット」とも呼ばれます。
 さて、ハードディスクはデータを記録するものですが、その記憶方法はどうなっているのでしょうか?「HFS」「HFS Plus」ともに記憶方法は同じです。簡単に説明するならば、ハードディスクを小さなエリアに細かく分割し、それぞれに番号をつけて管理するのです。例えば、1番から100番には「Finder」というファイルが入っているなどと記録するのです。このエリアを「ブロック」と呼びます。
 余談ですが、この管理情報は壊れることがあります。壊れるとアイコンが真っ白になったり、ファイルを開くことができなくなったり、Mac OS が起動しなくなったりします。それを修復するのが「デスクトップの再構築」だったり「Disk First Aid」です。ハードディスクを管理・修復する専用のユーティリティソフトもあります。

 ポイントはこの管理情報ではなく、分割されたブロックの数です。「HFS」の場合にはブロックは「65,535個」になります。これは16ビット(216=65,536)で管理しているからです。例えば、230MBのハードディスクの場合には1ブロックのサイズは4KBになります。(計算が合わないと思います。ブロックの最小サイズは4KBなのです。それ以下のブロックサイズは存在しません。)しかし、2GBの場合には1ブロックのサイズは32KBに、4GBの場合には64KBになります。「HFS」が作られた当時はハードディスクは最大でも10MBぐらいの容量だったので何ら問題はありませんでした。しかし、ハードディスクが大容量化してくるにつれて1ブロックのサイズが大きくなってしまったのです。これは大きな問題です。つまり、1KBしか容量のないファイルでも64KBのブロックを占有してしまうのです。ですから小さなファイルがたくさんあるとハードディスクの容量が無駄になってしまうのです。また、「HFS」では4GBを超える容量のハードディスクは扱えません。
 これが「HFS plus」になると32ビット管理になるので、ブロック数は「4,294,901,760個」(約43億個)になり、4GBのハードディスクでも1ブロックのサイズは最小の4KBで済むのです。また最大で2TBまでの容量のハードディスクまで扱うことができます。

 「HFS plus」が登場した当時はユーティリティソフトなどが対応できていなかったのですが、今はほとんどのソフトが対応しています。ですから、通常はこの「HFS plus」で問題ありません。ただ、私のように Mac OS 7.6.1J の 68k Macintosh と併用する場合には問題があるのです。どういうことかというと、Mac OS 8.1J より前のシステムでは「HFS plus」が利用できないのです。つまり、Mac OS 7.6.1J では「HFS」を使うしかないのです。私は「HFS plus」を使うために Mac OS 8.1J にアップデートする気にはなりません。Mac OS 8.1J は 68k Macintosh には重すぎると思っているからです。

 さて、問題は「HFS」と「HFS plus」が互換性がないということです。「HFS」ドライブからは 「HFS plus」ドライブは見ることができないのです。(逆に「HFS plus」ドライブからは「HFS」ドライブを見ることはできます。)このフォーマットはハードディスクだけのものではありません。フロッピーディスクや MO ディスクなどにもあてはまります。これらのリムーバブルのディスク類は「HFS」に統一すれば大丈夫ですが、ネットワーク接続すると大変です。ネットワーク上にあるはずのディスクが見れないのは困ります。ですから、私はあえて「HFS」にフォーマットし直しています。

 さて、「HFS」でもブロックのサイズを大きくしないことが可能なテクニックがあります。それは「パーティションを切る」ことです。「パーティション」とは「仕切り」とか「区切り」という意味です。これまで HDD をハードディスクとかドライブと表現し、1つとして説明してきました。しかし、パーティションを切ることで複数に分割することができるのです。この分割されたハードディスク1つを「ボリューム」と呼びます。今までの説明はハードディスクをボリュームに置き換えても同じ事です。つまり、パーティションで分割されていないハードディスクは1ボリュームだからです。つけ加えるなら、CD-ROM やフロッピーディスクもボリュームです。

 「ボリューム」は1つのドライブと同じように扱えます。同じハードディスクではあるのですが、A ボリュームから B ボリュームにファイルを移動すると「コピー」されます。つまり、パーティションを切ってハードディスクを4つのボリュームに分割すると4つのハードディスクを接続したのと同じになるわけです。1つのボリュームがクラッシュしても他のボリュームは生き残ることがあります。同じハードディスクなので絶対生き残るとは限りませんが、可能性は高いのです。また、「ボリューム」毎に違うシステムをインストールして切り替えて使用することが可能です。

 「パーティションを切る」ことによるデメリットは私の知る限りありません。逆に分割することでボリュームあたりのサイズが小さくなるので「HFS」でも1ブロックのサイズを大きくせずに効率的に使えるようになるのです。これが「パーティションを切る」ことによる最大のメリットです。2GBのハードディスクを1ボリュームとして使った場合には1ブロックは32KBになりますが、4つのパーティションを切った場合、1ボリュームは512MBとなり1ブロックは16KBになります。(1/4の8KBになるはずですが、私の場合16KBになっています。なぜでしょう?そのうち調べてみます。)


パーティションの切り方

 ハードディスクをフォーマットしたりパーティションを切るためには、そのハードディスク以外のディスクから起動する必要があります。フォーマットなどの作業は Mac OS 上の作業です。ですから Mac OS 動作中にはできないのです。起動ボリュームのフォーマットはできないということです。
 まず、Mac OS CD-ROM を入れて再起動します。その時にキーボードの「c」キーを押し続けると強制的に CD-ROM から起動されます。かなり長い時間(10秒程度)押し続ける必要があります。こらえて下さい。キャディー式の CD-ROM ドライブの場合には起動音がした後にキャディーが排出されてしまうが、あわてずに押し込みましょう。また、キーボードの「c」キーでうまくいかない場合には「command」キー「option」キー「shift」キー「delete」キーを同時に押し続ければ起動できるはずです。これは外部 SCSI ディスクから強制的に起動する方法です。

 このあたりについては詳しいサイトが他にあります。そのうち了解をとって紹介します。

 CD-ROM からの起動が完了したら「ドライブ設定」というアップル純正のフォーマッタ(フォーマット用ソフト)でフォーマットをします。「ドライブ設定」は「ユーティリティ」フォルダの中の「ドライブ設定」フォルダの中にあります。これをダブルクリックすると自動的にハードディスクが認識されるので選択し「初期化」を選びます。そして、次の画面で「カスタム設定…」を選ぶとパーティション数が選べます。同じ画面でフォーマットの種類も選べます。「Mac OS 標準」を選べば「HFS 」でフォーマットされます。


セットアップ(その1)] [カスタマイズ(その1)] [(その2)
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