Macintosh セットアップ (1)

最終更新 1999/06/06

 このページはApple Power Macintosh G3 DT 266 (E) を例にして Macintosh のセットアップ方法を説明します。ただし、あくまでの私の経験による個人的意見です。皆さんそれぞれで判断して下さい。また、内容については正しく記述しようと努力はしていますが、絶対正しいと保証できるものではありません。何かトラブルが起こっても私は責任を負えません。ご承知おき下さい。
パソコンを購入したいという方へのアドバイス

 パソコンを買う際に注意しなければならないことがあります。ハードディスクはどれぐらいの容量が必要か?メモリは……。違います。

 一番大切なことは「パソコンで何をしたいのか?」です。あなたはどうしてパソコンを買うのでしょう?会社の仕事を家でするためですか?年賀状や暑中見舞い状を作るためですか?家計簿を作るためですか?ホームページを見るためですか?E-mailをやり取りするためですか?3Dグラフィックをするためですか?ゲームをしたいのですか?自分のビデオやカセットテープのデータベースを作るのですか?これがはっきりしない人はパソコンを買ってはいけません。結局使わなくなってほこりをかぶってしまいます。

 わたしも人からどのパソコンを買ったら良いか聞かれることがあります。その時にはこのように「パソコンで何をしたいの?」と聞くことにしています。それがはっきりしている人には突っ込んだアドバイスをするようにしています。
 例えば、「会社の仕事を家でするため」にパソコンを買う人には IBM-PC/AT 互換機(Windows)を薦めます。いくら Microsoft Office 98 Macintosh Edition があってもフォントは非互換ですからファイル互換は完全ではないからです。

 ちょっと脱線しますが、簡単に説明しましょう。Microsoft Office の互換性はかなりのものです。Windows95/98 で作ったファイルは Mac OS でも開くことができます。しかし、Mac OS と Windows95/98 のフォントは微妙に異なります。Mac OS は「Osaka」という TrueType フォントが標準ですが、Windows95/98 には「MS明朝」「MSゴシック」が標準です。このフォントそのものが違うという問題は小さな問題のようですが、解決方法がありません。Mac OS 用の「MS明朝」「MSゴシック」は存在しないからです。買ってきて Macintosh にインストールすれば良いというわけにはいかないのです。

 仮にそれらのフォントが存在したとしても日本語フォント特有の問題があります。フォントはコンピュータではコード番号で扱われています。そのコード番号表がマップと呼ばれるのですが、同じコード番号でも Mac OS と Windows95/98 では割り当てられているフォントが違う場合があるのです。基本的に漢字は同じですが、外字と呼ばれる記号が違います。つまり、Windows95/98 の丸つき数字などは Mac OS では別の記号になってしまうのです。

 さらに問題なのは英文字です。なぜこんな事になっているのかわかりませんが、日本語版Windows95/98 の日本語フォントの英文字は基本的に半角文字です。つまり、どのような英文字でも横幅は同じなのです。Mac OS や Windows95/98 の英文字フォントは基本的にプロポーショナルフォントです。つまり、文字によって横幅が異なります。そのため Windows95/98 のファイルを Mac OS で開くとレイアウトがずれることになります。

 脱線が長すぎました。結論をもう一度書きますが、「会社の仕事を家でするため」にパソコンを買う人には IBM-PC/AT 互換機(Windows)を薦めます。ファイル互換に気を使う必要がないからです。ただ、一言だけつけ加えます。「家でまで仕事しなくてもいいのでは?」

 パソコンをそれ以外の用途に使いたい人には「Macintosh でも IBM-PC/AT 互換機でも好きな方を買えば?」とアドバイスします。まあ、身近にいるパソコンに詳しい人が使っているものと同じものを買うのが無難でしょう。しかし、その人に全てまかせる訳にもいかないのです。その人は別にあなたの専属パソコンお助け人ではないですから。

 「どちらでも良い」という人には Macintosh(Mac OS)を薦めます。操作が簡単で直感的に使えると思うからです。私には Mac OS の Finder の方が Windows95/98 の Explorer より使いやすいのです。インターネットへ接続するのも簡単です。

 ただ、1996〜1997年頃には IBM-PC/AT 互換機(Windows)を薦めていました。悲しいかなアップルの先行きが見えなかったからです。アップルが無くなってしまったら Macintosh はベータマックスになってしまいますから。ベータマックスとはソニーが開発したビデオフォーマットです。機能的には優れていたのですが、VHSフォーマットとの競争に敗れてしまいました。幸いにしてアップルは持ち直しつつあり、iMac もあります。安心して初心者にも薦められます。Modern I/O も初心者なら問題はありません。過去の資産はないのですから。


どの Macintosh を買うのか?

 今の Macintosh の構成はとてもシンプルです。以前ならモデル紹介だけで本ができました。今は4(3)種類しかありません。

 iMac はオールインワンタイプですが、USB ポートを持っているのでかなり拡張できます。USB ポートにはプリンタ、スキャナ、TAなどの従来のシリアル機器だけでなく、MO や HDD などの従来の SCSI 機器も対応しつつあります。これで FireWire(IEEE1394)ポートまで持てば完璧に近くなります。増設カードが入らないぐらいの問題しか残りません。初心者なら iMac を買った方が良いでしょう。余計な難しさがありません。スペック的にも充分過ぎるぐらいです。

 Power Macintosh G3 は特に明確な目的がある人が買うモデルです。さらに記憶装置を内部に増設する人や128MBを超えるメモリを積んで高速に画像処理する人、機能拡張用のカード(ボード)を挿す人、……。漠然とした希望ではなく、明確に計画している人が買うべきモデルなのです。パソコンは2年もすれば完全な旧式モデルになります。5年もたつと「ヴィンテージもの」なんて呼ばれてしまいます。ですから「今必要な最低限の機能」だけを買えば良いのです。将来的なことにお金を使うのは無意味です。時間が経てばパソコンの価格はどんどん下がります。使いたくなった時に買えば今より安く高機能の製品が買えるのですから。

 PowerBook G3 はパソコンを持ち運びたい人や設置スペースを少なくしたい人が買うモデルです。日本の薄型ノートパソコンとは違い、アメリカ製のノートパソコンはオールインワンタイプが主流です。全ての機能を詰め込んであるので日本人には少し大きく重いです。ですが、iMac より省スペースで大幅に軽いです。(でも、価格はかなり高いです。)車を使えば楽に持ち運びが可能です。あまりモバイル用途を意識して買うと失敗します。注意しましょう。

 Macintosh は IBM-PC/AT 互換機と比べて高いという人もいます。でも、冷静に計算してみて下さい。それほど高くはないのです。これはどういうことでしょう?

 簡単に言い切ってしまうと、IBM-PC/AT 互換機は基本仕様のみで販売されているのです。ですから、3Dグラフィックスをしたければ「3Dグラフィックスカード」を追加しなければなりません。サウンド機能の無いものもあります。Macintosh では信じられないですが、オフィスで使うのにサウンド機能は不要かもしれません。そういう価格を足し算してみて下さい。あらかじめそれらが内蔵されている Macintosh は決して高くは無いはずです。特に iMac 以降の Macintosh は Power Macintosh G3(Blue & White)も含めて低価格です。古くから Macintosh を使っている私にとっては信じられないくらい安いのです。その昔、Macintosh は「パソコン界のポルシェ」とか言われていましたから。


 さて、私は何を買ったかというと、……1993年9月に Macintosh Centris 650、Apple Color Display を、1999年1月から3月に Power Macintosh G3 DT 266 (E) と AppleVision 850 を買いました。それらの仕様を簡単に書いておきます。選んだ基準は既に私のホームページに書いてあります。過去のコメントから想像してみて下さい。

Apple Power Macintosh G3 DT 266 (E) とは?

Apple Macintsoh Centris 650 と比較しながら見てみましょう。
  G3 DT 266 (E) Centris 650
購入時期購入価格 1999年3月208,000円 1993年9月344,800円*1
CPU動作周波数 PowerPC 750266MHz MC6804050MHz*2
バックサイドキャッシュ512KB -
システムバスクロック倍率 66MHz×4 25MHz×2
RAM(標準)(最大) 64MB768MB 8MB136MB
168ピンDIMM/10ns/3.3V 72ピンSIMM/80ns
VRAM(標準)(最大) 2MB6MB 1MB1MB
832×624まで1,670万色*3 832×624まで32,000色*3
ハードディスク容量 E-IDE (ATA)4GB SCSI-1230MB
転送速度:13.3MB/s 転送速度:5MB/s
CD-ROM速度 ATAPI24× SCSI-1
トレー式 キャディ式
記憶装置ベイリムーバブル 21*4 00
外部拡張バスPDS PCI Bus×3- NuBus×3040PDS×1
32ビット・33MHz 32ビット・10MHz*5
シリアルポートADB ポート GeoPort×1
56K Modem×1
ADB×1 Serial×2ADB×2
パラレルポートEthernet ポート SCSI-1×110Base-T SCSI-1×1AAUI
最大消費電力ピーク時 150W189W 200W-
Mac OS付属ソフト Mac OS 8.5EMS Office 98E
IE / OE 4.0E
漢字Talk 7.1-
その他 Apple Design Keyboard 付属 -


AppleVision 850 とは?

Apple Color Display と比較しながら見てみましょう。
  AppleVision 850 Apple Color Display
購入時期購入価格 1999年1月89,800円 1993年1月72,200円
画面サイズ重量 20インチ30kg 13インチ11kg
表示可能解像度 640×480〜1,600×1,200 640×480
最大消費電力スリープ時 150W30W 55W-
その他 トリニトロン(0.25mmピッチ)
ColorSync 対応
トリニトロン(0.26mmピッチ)


 5年半の間にパソコンの価格はかなり下がっているのがわかります。また、パフォーマンスも大幅に向上しています。

 さて、前置きが長すぎました。Macintosh をセットアップしてみましょう。ここではハードディスクのフォーマットからはじめます。しかし、Macintosh はあらかじめシステムをインストール済みですから不要な場合には読み飛ばして下さい。
セットアップ(その2)] [カスタマイズ(その1)] [(その2)
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