World PC Expo は今年で5回目です。私が行くのは今回で2回目になります。今年も1999年9月7日から9月11日まで幕張メッセで開催されました。(開催されています)
Windows World Expo Tokyo '99 からまだ2ヶ月しか経っていないので出展社は苦労しているようです。新しいネタのない展示会ほどつまらないものはないからです。なぜこういう事が起こるかというと主催社が違うからです。この Expo は日経BP社が主催しており日本でだけ開催されています。もう少し時期をずらせば面白くなると思います。
日本のパソコン展示会
参考までに日本におけるパソコン関連の総合展示会をまとめておきましょう。
展示会名 | 開催時期 | コメント | 主催 | 開催回数 |
---|---|---|---|---|
Mac World Expo Tokyo | 2月中旬 | Macintosh 総合展示会 | IDG Japan | 今年9回目 |
Windows World Expo Tokyo | 7月上旬 | Windows 総合展示会 | IDG Japan | 今年8回目 |
World PC Expo | 9月上旬 | パソコン総合展示会 | 日経BP | 今年5回目 |
COMDEX Japan | 11月上旬 | コンピュータ総合展示会 | ソフトバンク | 今年3回目 |
これを見ると Mac World Expo Tokyo 以外は同じような展示会が続いていることがわかります。各展示会はそれぞれ差別化をはかってはいますが、ユーザにとっては同じようなものに見えます。これだけの展示会が同じ場所(幕張メッセ)で立て続けに開催されて採算面で成り立っているのは驚くべきことです。
展示会に出展するのは大変です。費用はもちろんですが多くの人が3ヶ月程度かけて準備をするのです。展示会に出展しても売上にすぐ結びつくわけではなく展示会離れが進む中で、パソコン業界だけは粘り強く頑張り続けています。Mac World Expo Tokyo も消滅の危機を乗り越えて続いています。
これらは評価できることですが、できれば統廃合を進めた方が良いと思います。出展社の体力には限界がありますし、東京集中というのも感心しません。せめて大阪に開催地を移して差別化するなど工夫をしないと続かないと思います。今回の World PC Expo の展示内容を見て強くそのあたりの事を感じてしまいました。ほとんどの Windows 陣営の企業は Windows World Expo Tokyo の方に力を入れており、この World PC Expo にはそれほど力を入れていないというのが見て取れたからです。
もちろん、展示会の色づけの違いもあります。World PC Expo のキャッチコピー「アジア最大のパソコン総合展」にもある通り韓国、台湾、シンガポールなどアジアの企業が多数出展しています。また将来技術(USB、IEEE1394 -FireWire-、Linux、など)を重点的に展示しているので展示スペースが十分に割り振られないのかも知れません。ただ、私が見た限りでは Windows World Expo Tokyo と大差ない製品が少ないスペースで展示されており、ステージの内容も寂しい感じが強かったように思いました。
アップルにとってはチャンス
しかし、これはアップルにとってはチャンスです。アップルは確か昨年から出展を始めています。昨年は iMac を出展し大人気で他のブースに比べて大いに目立って PR 効果抜群でした。この時期は2月の Mac World Expo Tokyo からちょうど半年経過しており、Mac World Expo NY や Seybold Seminars の後でもあり新製品の日本上陸にピッタリの時期なのです。他のメーカが力を抜いてきているならなおさらです。もちろんアップル以外にも World PC Expo に照準を合わせてきているメーカもあります。少ない努力で目立つことが可能なので賢い戦術といえます。
そして、今年もアップルの独り舞台となりました。iBook、Power Macintosh G4、……これらは後ほど書きますが、ブースの周囲は人があふれ、お目当てのマシンに触るためには5〜10人待たなければならないほどでした。初日には取材陣が様々な取材合戦を繰り広げていました。隣の NEC や SOTEC が可哀想でした。また、会場入口で配られている紙袋には iBook がプリントされており、多くの人がそれを持って会場を巡っていました。一般ユーザにアップルを PR するのに大いに役立ったと思います。
初日に開催された無料の基調講演。立ち見が出るほどの盛況でした。日経パソコンの藤田編集長が司会を行いパソコントップ企業のキーマンがディスカッションするいろいろなエピソードを生んだ名物企画です。今年の出演者は次の方々でした。
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