Macintosh 雑記帳（バックナンバー）

今さらですがスタンプラリー2000に登録しました。昨年はあきらめたのですが、遅いサーバでも期間限定なら大丈夫と思い直し今年は参加することにしました。ただでさえカウントダウンカウンタで遅くなっていると言うのに……
まあ、お祭りですからネ。

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• Macintoshユーザは「Mac教」信者だと言われる。私も最近そのことを強く意識するようになった。それはMacintoshトラブルニュースで紹介されたいろいろなBBSを見るようになったからである。今回こういう記事を書こうと思い立ったのは、BBSでの不毛な争いが多いからである。この事を冷静に考えてみたい。
• まず、どうして「宗教」なのかを考えてみよう。宗教とは人間の心の拠り所である。人間は集団で行動する生きものなので、共同体を維持するための原理原則として本能的に求められてきたものとも言える。だから、正しく機能しているなら何ら問題はない。しかし、新興宗教のような「偽宗教」は信者を食い物にして幹部が金儲けに走っている。また、聖地エルサレムではいくつかの老舗の宗教が衝突を繰り返している。
• 何が問題なのだろう。宗教そのものが問題なのだろうか。そう、根本的な問題があるのだ。ほとんどの宗教は「神は1人」しかいない「一神教」である。つまり、ある宗教を信じると、他の宗教を信じている人間は「神以外＝悪魔を信ずる邪教徒」になってしまう。自らの神に忠誠を誓うということは、他の宗教を敵視する事に他ならない。これは日本人には理解できないようだ。というのも日本では「八百万（やおよろず）」もの神がいるからだ。その中には仏教の神やヒンズー教の神など多くの宗教の神が取り込まれている。日本人には信仰心が無いという人もいるが、そうではなく他の宗教に寛容であるのだと思う。日本人は正月には神社に初詣をし、お寺参りをし、クリスマスを祝う。このあたりに解決のヒントがあるような気がするのだが……。話を戻そう。共同体が小さく、他の共同体と接触しないような太古の時代ならいざ知らず、現在のような世界中で交流がはかられている時代では「一神教」が大きな問題になる。
• 他の宗教徒を尊重できないような「宗教」はもはや不要である。しかし、「神は1人」であり、「宗教」とはそういうものなのだ。かつて、宗教に代わるものを「イデオロギー」に求めた時代もあった。イデオロギーとは物の考え方、つまり、「理論」であり、原始的な宗教とは異なり、不合理な衝突は起きないと思われたのだ。しかし、結局のところ宗教と同じ事になり、イデオロギーどうしの対決になってしまった。「宗教」では「神は1人」であったが、「イデオロギー」でも「真理は1つ」と短絡的に考える傾向が強く、どちらも他のものと相容れなかったからである。
• 人間は集団で行動する生きものであるにも関わらず、他の集団と相容れないというのはどういうことなのだろう。世界各地で宗教紛争、民族紛争が起こっているが、それらもお互いが「唯一絶対のもの」を掲げて争っているのである。人間とはそもそもそういうもので、どうしようもないものなのだろうか。悲観論者は「戦争とはレミングの集団自殺のようなもので、世界人口が増え過ぎないようにするための本能である」などと言うが、本当なのだろうか。
• 私は争いが起こるのが当然であるなどとは思わない。先に「世界各地で宗教紛争、民族紛争が起こっている」と書いたが、これは1人1人が争っているわけではない。あくまでも「集団」対「集団」の争いなのだ。1人1人は普通の良い人達で、宗教が違っていても問題なくつきあい、生活していたというのに「集団」になると 集団の「利益」を守るために争っているのだ。こんなおかしな話はない。個人の利益を守るために集団は存在するというのに、個人が集団の「利益」を守るために振り回されている。そもそも集団の「利益」とは何なのか。そんなものは無いのだ。個人の利益の集合体などというものは無い。個人の利益は千差万別であり、それらを全て満たすような「利益」などというものは無い。おそらく過半数を満たすような「利益」すら無いであろう。あえていうなら、集団の幹部達の利益でしかない。そんな集団の幹部達の利益のために争っているわけだ。何と愚かしいことだろう。本末転倒とはこの事だ。もう一度書くが、「個人の利益を守るために集団は存在する」のである。
  
• さて、話を「Mac教」に戻そう。「Mac教」の教義とは何か。私は「Mac教」の信者ではないので詳しくは知らない。想像でしか書けないが、以下のようなものだと思われる。
  • MacintoshやMac OSをこよなく愛し、使い続ける。
  • 自分の周囲の人たちにMacintoshやMac OSの良さを伝え続ける。
  • 自分の周囲の人たちにMacintoshを購入するよう勧める。
  • 自分の周囲の人たちがMacintoshを購入したら使いこなせるようになるまで面倒を見る。
• このぐらいまでなら何ら問題はないのだが……
  • Windowsを使う人たちを非難する、バカにする。
  • Windowsでトラブルが発生すると「だからWindowsはダメなのだ」と喜ぶ。
  • IBM-PC/AT互換機を使う人たちにMacintoshに切り替えるように強引に勧める。
  • Windowsを使う人たちに喧嘩を売る。
  • MacintoshやMac OS、アップルに対する非難に対し過剰に反応し、反論・弁護をする。
• こうなってくるとまさしく「宗教」である。唯一絶対のMacintoshとMac OS以外を認めないわけだから、MacintoshとMac OSを唯一神として崇めている宗教と言われても仕方がない。
• 「究極の選択」という例えがある。「もし、この世にＡとＢしか無いとしたらどちらを選ぶか」というものだが、実際にはそんな事があり得ないから「究極」なのだ。Windowsのみが世界で唯一のパソコン用OSになる事はあり得ないし、Mac OSのみが世界で唯一のパソコン用OSになる事もあり得ないのだ。双方が共に存在続けるのであり、新たなOSが生まれてくる事だって十分にあり得る。どうして争いが起こってしまうのか。
• 1つには「異常者」がいるからである。こういう輩は人をあおって争わせる事に喜びを見い出すのである。自分自身は何ら関係ない事であるにも関わらず、わざわざ争いのネタを投げ込むのだ。例えば、BBSにMac OSを使っているものとWindowsを使っているものが争いそうなネタをわざわざ投稿するのである。そして、双方が争うのを覗いて楽しんでいるのだ。こういう「異常者」に踊らされて楽しいだろうか。こういう輩には何ら対応すべきではない。彼らを喜ばしてやる必要などないのだ。無視をし続けていれば退散するはずだ。楽しめるものがないからそれも当然である。ただ、これには根気が必要だ。ちょっとの間だけ無視するのではなく、金輪際永久に無視しなければならない。彼らが退散したと思って勝利宣言などしようものなら再び荒らしにくるのが目に見えている。「出ていけ。二度と来るな。」と総攻撃して追い出すのも良くないだろう。他のBBSへ行って憂さ晴らしをされても困るからだ。勝った負けたではないのだ。「君子危うきに近寄らず」である。「異常者」はゴミとして無視する決意を固めなければならない。それができないなら泥沼の争いを続けるしかないのだ。そうすればあなたも「異常者」の仲間入りができる。
• もう1つには「想像力」が足りないからである。これは以前にも書いた事であるが、もう一度書いてみよう。世の中にはいろいろな人間がいる。年令も違えば、生まれた場所も、民族、宗教、趣味、考え方も違うのだ。こんな事は当たり前である。これが身近な人の場合は「ああ、この人はこういう人なのだな」と理解できるのだが、見ず知らずの人を理解することはできないのだ。BBSなどではハンドルネーム以外の情報は何もないから当然ではある。BBSなどには長々と自己紹介も書けないし、主旨だけを簡潔に書こうとする。つまり、その人となりは想像するしかないのだ。「行間」を読むという言葉があるが、文章を鵜呑みにするのではなく、想像力を働かせて読まなければならない。そして、ポジティブに、良い方向に解釈するべきなのだ。それでも良く思えなければ関わりを持たなければ良い。実際の人間関係でも同じだと思う。あなたはどうやっても合わない人間と喧嘩を続けるだろうか。そうではないだろう。関係を断って疎遠になるだけのはずだ。喧嘩を続けるのは疲れるからだ。精神衛生的にもよろしくない。
• そして、もう1つにはお互いを尊重するということを理解していない人が多いからである。人は本能的に自分を守ろうとする。これは生きものである以上当然のことだ。しかし、これが過剰になると自分自身の「考え方」までも守ろうとする。まあ、ここまでも良いとしよう。その人個人の事だから他人がとやかく言う事ではないからだ。しかし、「攻撃は最大の防御である」という言葉の通り、自分自身の「考え方」を守るために相手の考え方を攻撃してしまうようになると「病気」の一歩手前である。精神科患者の予備軍であり、一般的には「協調性が無い」と言われる社会不適応症である。さて、自分自身の「考え方」を守る必要性の有無は別にして、守るとしても他人を攻撃する必要はない。相手の考え方を尊重すればよいのである。そうすれば相手も自分の考え方を尊重してくれる。そう、「お互いさま」なのだ。世の中には「絶対」ということはない。「そういう考え方もあるのか」と相手の考え方を尊重すれば良いのだ。ここで、「それは違う」と相手を言い負かそうとするから争いになってしまうのだ。ここで自分が相手を尊重したからといって、相手から尊重されるとは限らないなどと考えてはならない。まずは自分から始めれば良いのだ。そうすればきっと相手もわかってくれると信じるところから始まるのだ。
• 最後に、匿名性の問題がある。人はそれが自分の仕業であるとわからないなら極端に大胆になる。いたずら電話の犯人を捕まえてみれば小心者だったというのは良くある話だ。通常、小心者でなければいたずら電話などせずに直接話すだろう。さて、匿名性をなくしてしまえば良いという人もいるが匿名であることが悪いのではないと思う。匿名であることのメリットもあるのだ。例えば、人を色眼鏡で見ることがないということがある。人は相手が偉い肩書きを持っているだけ無条件で下手にでてしまう。その肩書きが「社長」であれば、その会社内でしか通用しないものであると言うのにである。匿名性はそういう色眼鏡を取り除いてくれるのだ。匿名のままなら皆対等でいられるわけだ。まあ、どちらにしてもインターネットの世界で相手の素性を確認することは困難であり、匿名性を前提に考えなければならないのだ。要は匿名であるがゆえに大胆になり過ぎる自分をコントロールできない小心者が多いのが問題なのだ。BBSへの書き込みと「同じことを目の前にいる人に対しても言うことができるか」と常に自分に問いかけるべきだ。そうすればあのような争い事が頻発することはないと思う。
• もう一度だけ書いておこう。別に自分だけが絶対に正しいなどということはあり得ないし、真理がただ一つなどということもあり得ない。価値観は多種多様である。相手を尊重して初めて自分も尊重されるのだ。