Power Macintosh G3 DT Power Up

最終更新 2000/01/16

 このページはApple Power Macintosh G3 DTをパワーアップするための情報を掲載しています。

 ここに書いた情報は全て私が実際に試したものです。全てパソコンの基本的な増設・交換作業で比較的安全な作業です。私もアマチュアですので半田ゴテでマザーボードを「改造」するようなことはしていません。

 Blue & WhiteのPower Macintosh G3の登場からそろそろ1年です。私のベージュのPower Macintosh G3は英語版でショップ独自の保証期間が6ヶ月でしたが、それも切れてしまいました。ぼちぼち手を入れても良い頃だと思います。ボーナスという軍資金も入ったのでささやかな機能強化を行うことにしました。
 また、PowerPC G3 ではなく、PowerPC 604eが搭載されている同じきょう体のモデルもあります。これらもパワーアップをすればまだ十分に使い続けることができます。Macintoshユーザはきょう体を開けることを躊躇する人が多く、外付けの周辺機器を使う場合が多いようです。これはMacintoshが初心者にも使いやすいPersonal Computerを目指したことと関係があるようです。しかし、実はきょう体を開けて作業をすることはそれほど難しいことではないのです。内蔵すると、場所を取らないのはもちろんですが、いちいちMacintoshを起動する前に外付け機器の電源を入れる必要がありません。Macintoshが先に起動している場合にはユーティリティなどでマウント処理をしないと周辺機器は認識されないことが多いのです。この手間から逃れられるのは大きなメリットです。この内容はできるだけ初心者にもわかりやすく書いたつもりです。ですからこの通りにすれば同じパワーアップができると思います。
 このページを作成するために写真撮影をしながら作業をしました。この作業内容は確認したものです。しかし、説明には私の勘違いや間違いがあるかもしれません。また、機種の違いや微妙な環境の違いにより予期しないことが起こるかもしれません。ですから、実際にこのページの通りに作業した場合に何のトラブルも起きないとは私は保証できません。

 もし、このページの内容を試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。何かトラブルが起こっても私は責任を負えません。


Apple Power Macintosh G3 Desktop 266MHz(英語版)とは?

Front
正面
Back
背面
 私はこのパソコンを1999年3月に購入しました。そのスペックと価格は次の通りでした。アメリカ仕様の最終モデルだと思われ、日本国内で販売されていたものと若干仕様が異なるようです。本当は日本仕様のモデルが欲しかったのですが、Power Macintosh G3 Blue & Whiteがどのようなものかわからず、その登場を待っている間に売り切れてしまったのです。結局、Power Macintosh G3 Blue & Whiteは私の好みのデザインでなかったため、やむを得ず並行輸入品であろうこのモデルを購入したわけです。しかし、通常はMac OS 8.5Jを追加購入するなど余分な費用がかかるので、よほどのこだわりがある方にしかお勧めできない購入方法です。また、並行輸入品はアップル・ジャパンの保証を受けられないのでリスクが大きいです。安易に選択する方法ではないことを覚えておいて下さい。
 ここにはもう少し詳しく書いてあります。
 日本仕様との違いをまとめてみましょう。

同じきょう体のモデル解説(未作成)
Gossamerについて

 このPower Macintosh G3 DTには「Gossamer」(ゴッサマー)というマザーボードが使われています。GossamerとはアップルのPower Macintosh G3の開発コードなのですが、マザーボードの通称として使われています。ただし、「Gossamer」には初期型と後期型の2種類があり、それぞれ Rev.1、Rev.2と区別されているので少し注意が必要です。(3種類あると言う人もいますが、私は詳しく知りません。)
 これは単なるマイナーチェンジなのですが、一つだけ大きな違いがあります。記憶装置を接続するバスが若干異なり、それが記憶装置の増設には関係するのです。簡単に整理してみます。
 Gossamerは記憶装置用の内部バスにE-IDEを採用しています。同時に外部拡張用と兼用でSCSI-1バスも搭載しています。Gossamer Rev.1 と Rev.2 の違いは前者のE-IDEの仕様にあります。このE-IDEはIBM-PC/AT互換機の仕様ですが、Macintoshに流用される際に若干の機能が省かれていました。LC630やPowerBook150などから採用され始めたこのE-IDEバスは、本来は1つのバスに2つのATAPI型の記憶装置を接続可能で、そのバスが2本あるので合計4台を接続可能なはずなのです。 しかし、Gossamer Rev.1 までは1つのバスに1つのATAPI型の記憶装置しか接続できませんでした。つまり、Gossamer Rev.1 では合計2台しか接続できないのです。
 それが、Gossamer Rev.2 の登場により、ようやく本来の規格通り合計4台のATAPI型の記憶装置を接続できるようになったのです。しかし、Gossamer Rev.1 以前のモデルで3台目以降の記憶装置が接続できないということではありません。それらはSCSI-1バスに接続すれば良いのです。実際のところ、E-IDEバスはHDDとCD-ROMに占有されているのでZipモデルの場合にはZipドライブがSCSI接続されているのです。もちろんATAPI型の方がドライブのコストが安いので、Gossamer Rev.2 ではZipドライブはATAPI型に変更されE-IDEバスに接続されています。
 つまり、Gossamer Rev. 1に内部記憶装置を増設する場合にはSCSI型を使用する必要がありますが、Gossamer Rev. 2にはSCSI型とATAPI型(E-IDE)の両方が使えるのです。一つ補足するならば、以前はE-IDEは「廉価版のSCSI」などと酷評されていたのですが、ここで採用されているE-IDEの転送速度は13.3MB/sと高速で、SCSI-1(5MB/s)を大きく上回っているのです。仕様上、SCSIの方が安定しているのですが、この速度帯ではE-IDEも安定度は問題なく、コストパフォーマンスも優れておりお勧めと言えます。


Gossamer Rev.2 のレイアウト

Gossamer

 では、具体的にマザーボード「Gossamer」を見てみましょう。きょう体を開ければすぐに見ることができるのですが、その前にここで概要を見ておいて下さい。これは英語版のモデルなので56kbpsモデムが搭載されたパーソナリティカードが既に組み込まれています。(上図の緑枠内)
 まず、左隅(上図の赤枠内)を見て下さい。ここにボードの型名らしきものが印刷されています。「820-0991-B」とあります。私はこれが何を意味しているかを知りません。敢えて推測するならば、「820-0991-A」が Rev.1 でこれは Rev.2 かもしれません。あるいは、「820-0991」が Rev.1 で「820-0991-A」が Rev.2 であるならば、これは Rev.3 かもしれません。まあ、少なくとも Rev.2 であろうと思います。
Parts No.

 Rev.2 の特徴としてもう一つ、グラフィックコントローラが改良されて ATI RAGE II + DVD から ATI RAGE Pro に変更されていることがあげられます。しかし、パーソナリティカードが邪魔をしてグラフィックコントローラを確認できません。ドライバーでネジを外すのは面倒なので、確認はまたの機会にしましょう。今回はそこまでこだわる必要がないからです。
 次に、このケーブルの束(上図の青枠内)を見て下さい。いかにも「増設して下さい」と言っているようでしょう。これが E-IDEバスのフラットケーブルと電源ケーブルです。E-IDEケーブルはここでマザーボードのコネクタに繋がっています。HDD用とCD-ROMドライブ用がそれぞれ別に2つのコネクタに接続されているのがわかるでしょう。ケーブルを外さないとわからないでしょうが、E-IDE用のコネクタは端子数が40本です。その上にもう一つの空いているコネクタがあります。これがSCSIコネクタです。コネクタの端子数が50本あるのがわかります。
Conector

 他にも重要なポイントがありますが、とりあえずこれぐらいにしておきましょう。内蔵記憶装置の増設にはこのぐらいを知っておけば十分だからです。


 このMacintoshをパワーアップする方法はいくつかあります。これから随時追加していこうと思います。
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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