先に書いた通り、今年のアップルブースは情けないものでした。私はこのWorld PC Expoは第二のMac World Expo Tokyoだと思っていたのですが、アップルにはその気はなかったようで、とても残念です。ステージに空席が目立つというのではどうしようもありませんし、新製品のPowerMac G4 QuickSilverやiMacは展示されていませんでした。Macユーザもそれを知っているのでしょう。来場者は非常に少ないものでした。インターネットのニュースサイトでもハードウェアの展示がないことは知らされていたからです。
ただ、Mac OS X 10.1は展示されており、アップルの説明員は私の質問に親切に応えてくれました。私のPower Macintosh G3 DT 266では「お試しで使える」レベルでしかないそうです。Mac OS 9に比べると機能が強化されているので比較は難しいのですが、Mac OS 9を100とすると、Mac OS X 10.0.xは50ぐらいのパフォーマンスだったそうです。それが、Mac OS X 10.1では80ぐらいになったので速くなったといわれているのです。それでも、メモリを192MB積んでいる私のPower Macintosh G3 DT 266では「お試しで使える」レベルでしかないそうです。まあ、仕方ないですよね。Mac OS Xを使いたければ買い換えた方が良いというのは私も同感です。
また、レガシー・インターフェースへの対応はまだまだ不十分のようです。シリアルやSCSIは未だにサポートされていないそうです。私はシリアル経由でTAを接続しているわけですが、アップルのテストでは「全滅」だそうです。これらはサードパーティのサポートに期待するしかありません。アップルの説明員は「フィードバックしてください」とコメントされていましたが、今は他に改良する点がたくさんあるので気長に待とうと思います。たぶん、最終的にはSCSIしかサポートされないのでしょうが……。私がアップルのエンジニアだったら今さらシリアルをサポートしようなどとは思いません(笑)。
ただ、USB経由のTAでのISDN接続がほとんどNGだというのには驚きました。NTT-MEなど一部の機種では接続が確認されているそうですが、アップルのテストではほとんどNGだそうです。Mac OS Xは中身はUNIXなのですが、確かにUNIXでのネット接続はEthernetでの専用線接続がほとんどのはずです。なかなか難しいのでしょうか。まあ、不可能ではないはずですから時間が解決してくれるでしょう。
さて、Macintoshを買い換えるとなると困った問題があります。今のPower Macintosh G4は大きすぎるのです。リムーバブルドライブは2台しか内蔵できません。その割にボディーは大きいのです。拡張性のないPowerMac G4 Cubeは生産中止になってしまいましたが、両者の中間のモデルが欲しいと思います。IBM-PC/AT互換機で言う「省スペースデスクトップ」のようなモデルです。アップルもUSBやIEEE1394で拡張しろと言うならそのようなモデルを用意すべきです。まあ、私の使っているPower Macintosh G3 DT 266の後継モデルでも良いですが(笑)。リムーバブルドライブは3台内蔵できますし、その上でHDDは2台内蔵できます。拡張カードも3枚入ります。日本にはちょうど良いサイズなのです。やっぱり日本にはタワー型は大き過ぎます。
今年のWorld PC Expoの目玉であるWindowsxpですが、印象は「うーん」です。私がMacintoshユーザだからそう思うのかもしれないのですが、「パクリ」でしかありません。まあ、進むべき方向が同じなので似たようなものになるのは仕方ないのかもしれないのですが、オリジナリティーをほとんど感じません。圧倒的なシェアを誇るOSなのですからもう少し自覚を持ってもらいたいものです。これでは自動車のトヨタ、家電の松下、カメラのキヤノンと変わりません。まあ、トップ企業にはこのような戦略もあるのですが、私は嫌いです。
私はWindowsxpに非常に注目しています。今までも何度か書いていますが、アップルがMac OSとMac OS Xを統合しようとしている遙か以前からMicorsoftはWindows 9xとWindows NTを併売していました。Windows 9xはWindows Meへ進化し、Windows NTはWindows 2000に進化したのですが、今回初めてWindowsxpとして統合されるからです。アップルはMac OS Xに「Classic」としてMac OS 9を組み込んでいるわけですが、MicorosoftはWindows NTのユーザ・インタフェースをWindows 9xと共通にし、Windows NTに一本化することを選んだのです。
Windows 2000までは相変わらずサーバ用などにしか使われてこなかったのですが、今回の統合によりWindows 9x系統は姿を消すので完全に一本化されるわけです。ただ、多くのマシンパワーが必要なので、従来からユーザはマシンを買い換えないとならなくなりそうです。これもMac OS Xと同じです。
この移行のためにMicrosoftが行ったのは「化粧直し」です。Mac OS Xが「Aqua」というデザインを採用したのと同じく、「Luna」というデザインに変更したのです。詳しくは知らないのですが、中身はWindows 2000とそれほど変わっていないのではないでしょうか。まあ、これぐらいは構わないのですが、マイクロソフトのステージを見て驚きました。「パクリ」のオンパレードなのです。
このステージではいくつかキーワードが出てきました。しかし、それはほとんど全て聞き慣れたものだったのです。
時間がなかったのでほとんど見ることができませんでした。Palm OS 4.0Jへのアップデートについて聞いてみればよかったですね。ブースでは大きなスペースを使ってDocuments to Go 4.0JがPRされていました。私はPalm Vxを使っているので聞いてみたのですが、m500シリーズへバンドルされる以外のことは決まっていないそうです。単独販売があるとしてもしばらく先になりそうです。
私のような会社員は仕事でMicrosoft Officeを使っているわけで、そのデータを持ち運べるのは大きな魅力です。もちろん、今までにも同様のソフトはあったのですが、やや高価だったり英語版しかありませんでした。このDocuments to Go 4.0Jには期待が持てます。
そういえば、iモード内蔵のPalmが登場しないですね。昨年のWorld PC Expoでは「来年には登場する」ということだったのですが……。確約ではなかったものの、NTTも同様のコメントをしていたはずです。今回はm500シリーズ用のハギワラシスコムのCommunication Card Adapterを経由してP-in M@sterやP-in Comp@ct、C@rdH"64 petitなどによりWeb Clippingが行われていたのです。日本用のPalm VIIのようなモデルの登場が待たれます。