MacDays in GW iWeek '99 Report
Page Edit 1999/05/09
このページには iWeek Osaka '99 についての個人的なレポートを掲載しています。
この情報はあくまでも私個人の感じたレポートです。これが絶対正しいとは限りません。みなさん個人の価値観で判断して下さい。
また、ほめたり、苦言を呈したりしていますが、何ら利害関係はありません。
概要
- 1999年5月1日〜4日に MacDays in GW iWeek が開催されました。大阪地区での Macintosh の展示会は一昨年末の Kansai Expo 以来になります。基本的にユーザグループなどの有志によって企画・開催された展示会のようです。
- 会場は大阪アメニティパーク(OAP)の12階フロアでした。OAPは全館あげてイベントを応援しているようで、賛助イベントが盛りだくさんでした。こういうアットホームな展示会はめずらしいです。展示スペースは小さく、ブースも10個程度でしたが基調講演やステージもあり楽しめました。
滝口直樹氏の講演について
- 2日目は Mac Fan 3誌の総編集長である滝口直樹氏の講演が行われました。2月の Mac World Expo Tokyo '99 の裏話などを中心におもしろく語ってくれました。石井めぐみさんのアシストも素晴らしく、盛り上がりました。内容を簡単に紹介しましょう。
- 今年の Expo は Mac World ではなく、Jobs Expo であった。事前にアップルジャパンからも了解を得ていたものの Mr. Jobs の来日まで不安であった。Mr. Jobs の来日には50名程度の関係者も同行し皆気を使っていたが、日本は気に入ってもらえたようだ。来日の際に4000名収容の基調講演会場を条件とされたため会場を変更したが、その影響がかなりあり準備は大変だった。国際会議場は1500〜2000名が限界でありイベントホールに変更した。装置も全てアメリカから持ち込まなければならなかった。あれだけ巨大な20m級のスクリーン2枚のシステムは日本にはなかったからだ。そのセットも基調講演終了後にすぐに撤収作業をしなければならず、同イベントホールで行う予定の Mac Fan Night の会場まで変更しなければならなかった。
- Expo の後、Macintosh 関連のホームページに新製品の発表がなかった事へのバッシングがあったが、もう少し考えて欲しい。新製品が出ない事は事前にアナウンスされていたわけだから理不尽な非難はやめた方が良くないか。Mr.Jobs も Expo の反応を見るためにホームページを見ているはずだ。非難するホームページばかりだと来年は来てくれなくなるかもしれない。そうしたら損をするのは皆さんですよね。
- Macintosh 関連のホームページの新製品予想ももう少し考えて欲しい。新製品の出るタイミングはだいたい決まっている。アメリカ(World Wide)なら1月の SanFransisco Expo と7月の NewYork Expo がタイミングだ。日本の場合ボーナス商戦(夏・冬)の前後にある場合が多い。Mr.Jobs 体制になってから5月の WWDC(World Wide Developpers Conference)でも発表される可能性が出てきた。それ以前は開発者向けのクローズなカンファレンスだったが、Mr.Jobs になってから変わってきた。ホームページを見る人もこのあたりを知った上で見ると誤報に惑わされることが少なくなると思う。
- アップルのショップへの製品納入は金曜日に一括納入する形態。それをショップは土・日で販売して月曜日にアップルに追加注文するようだ。
- アップル関連のパソコン業界は iMac 登場以来活気づいてきている。しかし、ショップやソフトハウスはそれほど儲かっていないようだ。これは iMac がインターネットにしか使われていないことが原因のように思われる。Macintosh の楽しみは何もメールばかりではない。皆さんももっとソフトを買いましょう。Mac Fan でも「ソフトを買おうキャンペーン」を予定している。
- そもそも Mac Fan は MACLIFE のような Macintosh 情報誌のスタンダードを目指したものではない。週刊誌感覚で読めるパソコン情報誌を作りたかった。ASAHI パソコンの Mac 版を作るつもりで始めた。ちなみにスタンダードも好きで今月号(1999年5月号)の MACLIFE には自分も登場している。
私の感想
- Expo の裏側が聞けたのは良かったです。基調講演に6,500名も集まりましたが SanFransisco Expo ではそれほど集まらなかったそうです。公式発表は実数とかけ離れているというコメントのみで具体的な人数は明らかにはされませんでした。しかし、Tokyo Expo では同時通訳レシーバの数からしても6,500名は間違いないそうです。
- 私は以前の Expo Report であれだけ大きなスクリーンに Mr.Jobs を大撮しにしなかったことにクレームをつけましたが、アメリカから空輸したシステムではそういう細工もできなかったのでしょう。Sanfransisco Expo であれほどの聴衆がいなかったのなら大撮しの必要もなく、準備もなかったのでしょう。来年に期待しましょう。
- Tokyo Expo に新製品が発表されなかったことへのバッシングについては全く同感です。私も先の Expo Report にも書きましたが、ホームページ制作者はもう少し考えるべきですね。著名なページですらスクープ合戦をしている現状は阿呆らしいとしか言いようがありません。以前に恥ずべき存在としてパパラッチがバッシングにあっていましたがそれを思い出します。「報道」の自由を逆手にとった最低の奴等ですがやっていることに何ら違いはないのです。対象が個人か企業かの違いはあるにせよ、対象が迷惑しており被害を受けていることには違いがないからです。ページを作成する側に、所詮はホームページだからという甘えがあるのではないかと思います。もう少し責任感を持ってもらいたいものです。
- Mac Fan は読まず嫌いでした。私はスタンダード誌のファンだからです。私の嫌いなホッチキス綴じにも意味があったわけです。ちょっと読んでみようかという気になりました。
結城豊弘氏の Mac 大好きトークについて
- 結城豊弘氏はテレビ業界の方で、テレビとホームページの違いなどわかりやすく説明してくれました。このステージは面白かったです。初日にも行われたようですが、野村夫人ネタに終始していたそうで、2日目はその反動で真面目な話題になったようです。(結城氏はワイドショー担当です。)このステージには滝口直樹氏や同じテレビ局から若い方も出演され3名で楽しく進行しました。私が興味のあったところを紹介します。
- 速報性はホームページの方がある。先日のアメリカの銃乱射事件などはホームページに多くの情報があった。ただ、ホームページの情報は玉石混淆で正しいものもあれば、誤ってるものもある。そのあたりを見分ける能力が必要である。
- ホームページはまだテレビのライバルではない。それは先に述べた正確さの問題もあるが、形態の違いが大きな理由だ。テレビはスイッチを入れてチャンネルを合わせれば映り、情報がどんどん流れてくる。しかし、ホームページはパソコンを立ち上げて電話回線を接続し、ホームページにアクセスしなければならない。ページの数も非常に多いので自分に必要な情報を探しにいかなければならない。つまり情報にたどり着くまでが煩雑なのだ。
- ただ、将来的にはテレビの優位が崩れる可能性がある。DVカメラ(デジタルビデオカメラ)の普及により、一般人でも簡単にホームページで画像を公開可能になった。つまり、製作手法はうまい下手はあるにせよテレビ業界専用ではなくなってきている。webtvなどはまだ使いにくいが、そのうちテレビのチャンネルに yahoo などのポータルサイトが登録されていて一発でインターネットに接続できるようになるかもしれない。テレビ業界はそういう自体も見越してホームページの可能性の研究もしている。敵対するのではなく、うまく取り込むことを考えている。
- 結城氏のテレビ局では Macintosh は少数派で Windows が中心。これは原稿を書く専用エディタが Windows 版だから。(文字数による時間カウントなどもできる専用エディタなので必須らしい。)しかし、少しづつ Macintosh のファンを増やしている。具体的にはファイルメーカーでデータベースを作っている。テレビというメディアはデータ管理がしっかりしているように見えるかもしれないがまだまだ不十分だ。ワードショーのコメンテータのコメントをデータベースにしておくことも重要である。キャスティングの参考にできる。テレビは情報を流すが残らないから。以前は大量のテープを保管することもできず、またテープが高価だったので重ね撮りをして使っていた。そのため何も残らなかった。この10年ぐらいでようやくデータベース化が始まり、この2〜3年でそれを活用できるようになってきた。それまでは担当者の記憶のみが頼りだった。そのため担当者が異動になればどうにもならなかった。
私の感想
- 非常にわかりやすく、面白い講演でした。今までテレビや新聞などのメディアとインターネットを比較する議論をいろいろ聞いてきましたが、テレビ局側の意見が聞けてかなり整理されたような気がします。今のインターネットはまだ反骨精神が残っており、管理を嫌い自由を求める雰囲気があります。しかし、それは望めば手に入るものではありません。自らが厳しく律しコンテンツに責任を持たねばなりません。先にも指摘されていましたが、ホームページが興味本位の誤ったコンテンツを流し続ければ規制されても文句は言えないですから。
- 今のインターネットの状況はマスコミの黎明期に似ているのではないでしょうか。想像でしかないのですが、そんな気がします。しかし、「悪貨は良貨を駆逐し」ます。当初の理想や希望は腐り果ててしまいました。今のワイドショーを「マスコミ」と呼ぶならそういう結論になります。興味本位でウソの多い面白ければそれで良いという番組のどこに理想や希望が残っているのでしょう。
- 結城氏はそのワイドショー担当です。講演を聴く限りまともな人です。彼はあくまで「娯楽番組」を作っているつもりのようです。つまり、要はテレビを見る側の問題かもしれません。ワイドショーなど報道番組ではなく、娯楽番組でウソだらけだと理解していれば良いのです。彼はホームページの情報の正確さに疑問を提起していましたがワイドショーはどうなのでしょう。それほど変わらないと思いますね。公共の電波を使っているわけですからもっと悪いとも言えます。(^^;)
- 冷静に考えると「人は言う事とやっている事が違う場合がままある」ということでしょう。結城氏の講演は一般論としては面白く、参考になったのですが、彼にそういう資格があるのかは疑問ですね。まあ、人は自分の置かれている状況が悲惨であれば悲惨なだけ夢を語るということでしょうか?
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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