Macintosh の PPC Upgrade 情報(その1)
最終更新 1998/11/01
このページはApple Macintosh Centris 650をパワーアップするための情報を掲載しています。
他のページと異なり、この情報は実際に試したことを述べたのではなく、過去の雑誌などの情報から推測して書いています。私が試したことではありません。
この通りにして何らかのトラブルが起こっても保証の限りではありません。もし試されるのでしたら、みなさん個人の責任で行って下さい。
Power PC へのアップグレードについて
Apple Macintosh Centris 650 の CPU を Power PC にアップグレードするには、いくつかの選択肢がありました。今ではほとんど実行不可能なものもありますが、わかる範囲でご紹介します。何名かの方からご質問をいただいたので作成しました。今回は Apple Macintosh Centris 650 に限らず、わかる範囲の機種について書いてみました。
1)アップル Power Macintosh アップグレードカード
- マザーボードの 040PDS に増設する。
- 対応機種:このきょう体では Apple Macintosh Centris650、Quadra650
- 他に Apple Macintosh Centris610、Quadra610、Quadra700、Quadra800 、Quadra900、Quadra950 に対応。
- Apple Macintosh Centris660AV、Quadra840AV には未対応。(040PDS がない)
- Power PC 601 の周波数:マザーボードの MC68040 の周波数の2倍に設定されます。
- Apple Macintosh Centris650なら50MHzになります。
- Apple Macintosh Quadra650なら66MHzになります。
- 当時の定価:118,000円(1994年4月)
- キャンペーン期間中に Apple Macintosh Centris650、Quadra650 を購入した場合、 30,000円で追加購入できた。
- 漢字 Talk7.1.2 以上が必要
- 付属のドライバディスクを使ってシステムをアップグレードした場合はこの限りではない。
- 漢字 Talk7.1.2 相当にアップグレードされます。
- ただ、その場合でも漢字 Talk7.1 以上が必要。
- メモリはマザーボードのものを共用。
- CPUの切替にシャットダウン・起動が必要です。(再起動ではありません。)
- 2つのCPUを切り替えるためのコントロールパネル書類「Power Macintosh カード」が必要です。
- 漢字 Talk7.1.2 の場合にはシステムイネーブラ「PowerPC Upgrade Card Enabler」も必要です。(漢字 Talk7.1.2 のシステム CD-ROM に入っています。)
- Power Macintosh に切り替わったら起動時に「Welcaome to Power Macintosh」と表示されます。
- マザーボードにMC68040が残るのがメリットです。
- そのため非Powerアプリケーションのエミュレーションによる速度低下はありません。
2)DAYSTAR DIGITAL 社 PowerPro 601
- マザーボードの 040PDS に増設する。
- 対応機種:このきょう体では Apple Macintosh Centris650、Quadra650
- 他に Apple Macintosh Quadra700、Quadra800、Quadra900、Quadra950 に対応。
- Apple Macintosh Centris610、Quadra610 には未対応。
(カードが大きすぎて入らない。)
- Apple Macintosh Centris660AV、Quadra840AV には未対応。(040PDS がない)
- アップルからライセンスされた Mac OS ROM を搭載。
- Power PC 601 周波数:マザーボードの MC68040 に無関係で搭載された PowerPC 601 の周波数で動作します。(非同期式)
- PowerPro 601 66MHz:66MHz
(1994年4月の定価 318,800円)
- PowerPro 601 80MHz:80MHz
(1994年4月の定価 425,000円→12月の定価 359,000円)
- PowerPro 601 100MHz:100MHz
(1994年12月の定価 298,000円)
- メモリはマザーボードのものを共用、かつ、メモリスロットを4つ持ち最大128MB まで増設可能。(72ピンSIMM を使用)
- キャッシュメモリを追加可能:FastCache Power Pro 1MB Cache
- 漢字 Talk7.1.2 以上が必要
- 付属のドライバディスクを使ってシステムをアップグレードした場合はこの限りではない。
- 漢字 Talk7.1.2 相当にアップグレードされます。
- ただ、その場合でも漢字 Talk7.1 以上が必要。
- CPUの切替は再起動で可能。
- 2つのCPUを切り替えるためのコントロールパネル書類「PowerPro」が必要です。
- マザーボードにMC68040が残るのがメリットです。
- そのため非Powerアプリケーションのエミュレーションによる速度低下はありません。
3)アップル Macintosh プロセッサアップグレードカード(参考)
- マザーボードの MC68LC040を引き抜いて代わりに差し込み、その上に再度 MC68LC040 を差し込む。
- 対応機種:Apple Macintosh LC475、575、630、Performa 575、630 など
- Power PC 601 の周波数:マザーボードの MC68LC040 の周波数の2倍に設定されます。
- Apple Macintosh LC475なら50MHzになります。
- 当時の定価:オープンプライス円(1995年3月)
- 漢字 Talk7.5.1 以上が必要
- 専用の漢字Talk 7.5 のシステム CD-ROM が付属。
- 漢字 Talk7.5 に必要なコントロールパネルなどが追加されている。
- これは単に発売時期のせい。以下の順に発売されたため。
- 漢字Talk 7.5
- Macintosh プロセッサアップグレードカード
- 漢字 Talk7.5.1
- メモリはマザーボードのものを共用。
- CPUの切替は再起動で可能。
- 2つのCPUを切り替えるためのコントロールパネル書類「601 プロセッサ・アップグレード」が必要です。
- 漢字Talk 7.5.x の場合にはシステムイネーブラ「601 Processor Upgrade Enabler」も必要です。(専用の漢字Talk 7.5 のシステム CD-ROM に入っています。)
- LC III PDS はこのカードに隠されて使用不能になります。
- 機種によってはバックアップ電池の場所を移動しないとカードが入らないことがあります。
- マザーボードにMC68040が残るのがメリットです。
- そのため非Powerアプリケーションのエミュレーションによる速度低下はありません。
4)DAYSTAR DIGITAL 社 PowerCard 601(参考)
- マザーボードの MC68LC040を引き抜いて代わりに差し込み、その上に再度 MC68LC040 を差し込む。
- アップル Macintosh プロセッサアップグレードカードと全く同一の仕様です。
- 対応機種:Apple Macintosh LC475、575、630、Performa 575、630 など
- Power PC 601 の周波数:マザーボードの MC68040 の周波数の2倍に設定されます。
- Apple Macintosh LC475なら50MHzになります。
- 当時の定価:128,000円(1995年7月)
- 漢字 Talk7.5 以上が必要
- 漢字Talk 7.5 のシステム CD-ROM が付属。
- メモリはマザーボードのものを共用。
- CPUの切替は再起動で可能。
- 2つのCPUを切り替えるためのコントロールパネル書類「601 プロセッサ・アップグレード」が必要です。また、イネーブラ「601 Processor Upgrade Enabler」が必要です。
- マザーボードにMC68040が残るのがメリットです。
- そのため非Powerアプリケーションのエミュレーションによる速度低下はありません。
5)DAYSTAR DIGITAL 社 Turbo 601(参考)
- マザーボードの 030PDS に増設する。
- 対応機種:Apple Macintosh IIci、IIsi、IIvi、IIvx など
- Power PC 601 周波数:マザーボードの MC68030 に無関係で搭載された Turbo 601 の周波数で動作します。(非同期式)
- Turbo 601 66MHz:66MHz(1995年5月の定価 165,000円)
- Turbo 601 100MHz:100MHz(1995年5月の定価 240,000円)
- メモリはマザーボードのものを共用。
- 256kB のキャッシュメモリを内蔵
- 漢字 Talk7.5 以上が必要
- CPUの切替は再起動で可能。(よくわかりません。)
- 2つのCPUを切り替えるためのコントロールパネル書類「????」が必要です。(よくわかりません。)
6)ロジックボードアップグレード(参考)
- マザーボードを交換する方法です。
- Power Macintosh 7100/66AV 相当になります。
- マザーボード交換なので機能的には Power Macintosh 7100/66AV と同等になります。
- ただし、ハードディスクドライブなどは交換されません。古いドライブのままなのでアクセス速度や容量は Power Macintosh 7100/66 に劣ります。
- 当時の価格は以下の通りでした。
- Centris650、Quadra650、IIvi、IIvx から 7100/66AV へ: 268,000円
- Centris610、Centris660AV、Quadra610 から 6100/66AV へ: 198,000円
- Quadra800、Quadra840AV から 1100/80AV へ: 348,000円
- Quadra800、Quadra840AV から 1100/80 へ: 328,000円
- MC68040 がなくなるので非 Power アプリケーションはエミュレーションで動作します。そのため実行速度が遅くなる可能性があります。
- 現在ではメジャーなアプリケーションは Power アプリケーション化されています。
- MacOSのPowerPCチップへのネイティブ化(最適化)も進んでいます。
- ですから、エミュレーションによる速度低下はあまり心配しなくても良いかもしれません。
- 現在ではもう行われていません。
- パーツショップで修理用のマザーボードを安く手に入れて自分で交換する強者もいるようです。
(自信のない人にはお勧めしません。)
[PPC Upgrade 情報(その2)]
[Centris 650 Power Up のトップページ]
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そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
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