2023/02/12
フィット RS(その10) - Next 初代フィット 1.5T -
- 日本の困った現状を嘆いていても仕方がない。私の初代フィット 1.5Tは既に20年が経過して限界に近づいているからだ。自動車税は値上がりし、走行面ではさすがにホンダというところで問題はないものの、電動ドアミラーが動かないなど、いろいろ細かな不具合は出てきている。買い替えが必要だ。ただ、この先15年は乗りたいと思うとEVはもちろん、ハイブリッドカーでもバッテリーが持たない恐れがある。ゆえにガソリンエンジン車しか選択肢はないのだ。改善されたとはいえ走行性能が低く、サイズ面での苦肉の策であるインパネシフトも使いづらいため軽自動車では辛い。そうするとコンパクトカーしか選択肢はないわけだ。いろいろ書いてきたが、結局のところ最初の条件に戻ってしまうのだ。
- ガソリンエンジン車で、コンパクトで、走りを楽しめるセミオートマチック機構があること。これが最低条件で、追加でブレーキホールド機能付きの電動パーキングブレーキが付いていればなお良いということになる。そういう車が少ないというところまで書いてきた。その後、数台を試乗してみたので簡単に感想を書いてみたい。あくまでも私の個人的感想である。当然、プロではないので大したことは書けない。
- 各車を試乗するにあたってネットで評判や動画を見てみたが、参考になるようでならなかった。自動車評論家の動画は基本的に褒めてしかいない。まあ、それが仕事だし、悪口を書いたら次から自動車メーカーから試乗などの便宜を図ってもらえなくなるから当然ではある。ただ、今やEVと化したハイブリッドカーを「加速がすごい」と誉めそやすのはいただけない。10年乗ったらどうなるのか、など冷静なコメントが欲しいところだ。
- 逆にYouTuber の動画も参考にはならなかった。「中立」で「辛口」な批評をうたっているが、しょせんは素人なので客観的ではなく嘘が多い。再生回数を稼ぐためにネガティブなコメントをするのはいただけない。それを誉めそやすコメントも気に入らない。自動車メーカーは真剣に車を開発しているのに無礼な話だ。
- ただ、実際に購入したユーザーの動画は参考になった。当然惚れ込んで買ったわけだからポジティブなコメントが多い。これから買おうとする人にはこういう動画の方が気分が上がるだろう。実際にそれなりの期間を乗っている人のコメントには真実味がある。もちろん、買ってからわかった困った点も参考になった。
- さて、リチウムイオン電池は使えば劣化する。それはスマホでも明らかである。マニアでなければスマートフォンを毎年買い替えたりはしないが、昔の慣習で2年毎に買い替えたりする人はいる。もう少し長く使って3年で買い替えるのが普通だろうか。最近は景気が良くないので4年ぐらい使う人も多いだろう。その買い替え時にはバッテリーは購入時より20%〜30%ぐらい容量が少なくなっている。これは使い方にもよるが仕方のないことだ。バッテリーを長持ちさせるにはバッテリー容量を20%〜80%の間でキープするのが良いと言われるのだが、やはり満充電してしまうものだ。そして、思いのほかバッテリーはダメージを受けて劣化してしまう。
- 車の場合も同じなのだが、さすがに初回の車検の3年で買い替えるわけにはいかないものだ。そのため、自動車メーカーはバッテリーを20%ぐらい多く積んでいるらしい。そして、その80%しか使わないように制御しているようなのだ。つまり、120%のバッテリーを100%しか使っていない。そして、カタログスペックも100%時の値が載せられているわけだ。120%フルに使えばもっと長くバッテリー走行ができるのにしないようにコントロールすることでバッテリーへのダメージを抑えているらしい。先に書いたスマホの充電を80%までにすればバッテリーが傷みにくいということを自動制御で行なっているわけだ。それならバッテリーは長持ちするだろう。しかし、ユーザーは20%分のバッテリーコストを余分に負担しているわけだし、20%分のバッテリー重量を乗せて走っているわけだ。これは良いことなのだろうか。
- リチウムイオン電池は高価で容易に交換できないため仕方ないことなのだが、7年、9年乗られたハイブリッドカーの中古車ってどのぐらい価値があるのかよくわからない。プリウスの発売が1997年12月だから既に25年経っているわけで、そろそろそういう情報も欲しいところだ。私なら、EVやハイブリッドカーの中古車は買わないだろう。まあ、そもそも素性がよくわからない中古車は買わないのだが。
- その点、ガソリンエンジン車はメンテナンスすれば長く乗れるので安心である。もちろん、ガソリンスタンドが減っていって給油できなくなれば乗れなくなるのだが、さすがに私の生きているうちにそういう事態になることはないと信じたい。ただ、現実問題として過疎地域などでは車が生活の足になっているにも関わらず近くのガソリンスタンドが廃業して困っているらしい。40年を過ぎたガソリンスタンドはガソリンタンクを改修しないと営業できないという法律のために採算が取れないスタンドが廃業してしまうからだ。最近になって安価にタンクを補修できる技術なども開発されているので何とか延命できるのではと期待しているが気になる事態ではある。
- 日本の自動車販売の半数近くが軽自動車という状況も何とかしなければならない問題だと思う。私なら軽自動車の規制と優遇を撤廃するのだが、日本の官僚にはそんなことはできないだろう。ガラパゴス規格を守り続けて何になるのかと思えてならない。