フォーサーズ雑記帳(バックナンバー)
このページには フォーサーズやMacintosh についての個人的メモを掲載しています。不定期に更新します。
2018/04/29
CP+ 2018 雑感(その2)
- さて、CP+の雑感なので具体的なことも若干書いておこう。
- まず、今年のオリンパスの目玉はエントリー向けのE-PL9だった。当然ながらターゲットは女性であり女性向けのイベントなどが行われていた。というわけで私はスルーしてしまった。まあ、ビジネスの狙いとしては合っていると思うのだがブースは私には少し居づらい感じではあった。
- 次にニコンは既に昨年の9月8日にハイアマチュア向けの135サイズのD850を発売して大ヒットさせておりそれをアピールしているようだった。ただ、4,475万画素という高画素機なのでレンズを選ぶようだ。阿部秀行氏はD5の下を切ったものがD850であり、ファインダ倍率が0.75倍とD5の0.72倍を上回っていることをあげてもう1つのフラッグシップであると力説していた。スポーツ写真はD5、風景やポートレートはD850と住み分け可能で、D850はデジタル一眼レフの完成形であるとステージで絶賛していた。時代はミラーレス一眼にシフトしようとしている。そういう意味では一眼レフの集大成であるとは思うのだが逆に私はニコンのミラーレス一眼への対応が気になってしまった。
- キヤノンはミラーレスのEOS Kiss M、つまり、エントリーモデルのKissをミラーレス一眼で発売するということで大きな話題になっていた。ニコンの1インチサイズのイメージセンサを積んだミラーレス一眼のNikon 1は販売が振るわなかったが、キヤノンはより大きなAPS-CサイズのEOS Mシリーズを展開しミラーレス一眼ではオリンパスに次ぐ台数シェアを誇っている。デジタル一眼が高額商品化していると言われてはいるが、市場を支えているのは膨大に販売されているエントリーモデルであり、オリンパスのPENシリーズとキヤノンのEOS Mシリーズがその双璧なのだ。そして、キヤノンで最も売れているのはEOS Kissシリーズのはずだが、それをミラーレス一眼のEOS Mシリーズに持ってきたことでミラーレス一眼へのシフトが一気に加速するのではと思われているわけなのだ。ミラーレス一眼用のEF-Mレンズはまだまだラインアップが不十分であると思うかもしれないが、エントリー向けのレンズはひと通り揃っているので問題はないのである。さすが、キヤノンだ。ただ、ハイアマチュアやプロに対してアピールできるミラーレス一眼やレンズがまだ無いのは事実であり、この先キヤノンがどのような展開を考えているのかとても興味深い。
- 富士フイルムは初のボディ内手ぶれ補正機構を搭載したXシリーズのフラッグシップであるX-H1をCP+と同時に発売し大いにアピールしていた。イメージセンサが高画素化すると1画素のサイズが小さくなるため微小なブレでも影響を受けてしまう。そのため、各社はミラー機構やシャッターユニットの低振動化を進めているがボディ内手ぶれ補正機構もブレ低減に大きく貢献する。富士フイルムはレンズ内手ぶれ補正を採用してきたが、ここにきてボディ内手ぶれ補正機構を投入してきたのはそういう理由もあると思われる。もちろん、表向きは動画撮影のためということになっているわけではある。
- 個人的には富士フイルムのXシリーズには大いに興味があったのだが、ボディ内手ぶれ補正がないのがネックだった。X-H1の登場でそのネックがなくなったのだが、X-H1の重量は623g(バッテリー、メモリカード含まず)なのに対しオリンパスの E-M1 Mark II は498g(本体のみ)なのだ。X-T2が457g(バッテリー、メモリカード含まず)なのでAPS-Cサイズのイメージセンサを載せているのに軽いと思っていたがボディ内手振れ補正を搭載するとやっぱり重くなるのだと気づいてしまった。これは……冷静に考えないといけないだろう。
- パナソニックは既にLUMIX G9 ProとLUMIX GH5Sを1月25日に発売しており、CP+では5月下旬に発売するLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.という新しいレンズと共にアピールしていた。
- ペンタックスは135サイズの一眼レフであるK-1をマイナーチェンジした4月発売予定のK-1 II をアピールしていたが、中身はほとんど変わっていないようだ。私は先にモデルチェンジサイクルを長くした方が良いと書いてはいるが、これは微妙である。K-1の発売が2016年4月28日なので2年でのマイナーチェンジなのだが……。税抜5万円でK-1をK-1 II にアップグレードするサービスが発表されているがこれも微妙である。とてもではないが儲けがあるようには思えないからだ。高額の商品を短期間でモデルチェンジすると既存客に残念感が生まれてしまうのは避けられない。それを避けるためだとはいえ、本来のモデルチェンジは買い換えてもらうための意味合いもあるので何か本質を見失っているように思える。ペンタックスはレンズのラインナップを見てもAPS-Cサイズで勝負すべきではと思うのだが、何かおかしい。
- さて、大いに気を吐いていたのがソニーだ。ソニーはこの数年で135サイズセンサーを搭載したミラーレス一眼で大きくシェアを伸ばしたと言われている。そして、今回のCP+に合わせてα7R III とα7 III を発売・発表してきた。両者ともミラーレス一眼のハイアマチュアモデルである。ミラーレス一眼の台数シェアでは1位のオリンパス、2位のキヤノンに次ぐ3位につけているが、金額シェアでは結構良いポジションにいるのではないかと言われているだけのことはある。
- ソニーには一眼レフのAマウント、ミラーレス一眼のEマウントがあり、それぞれに135サイズとAPS-Cサイズのセンサを搭載したモデルがある。つまり、4種類のレンズをラインアップしなければならないという大きな戦略ミスがあるのだが、どうやらミラーレス一眼であるEマウントの135サイズに集中することにしたようだ。既存ユーザがどのように反応するかは予断を許さないが、ニコンもキヤノンもプロ、ハイアマチュア向けのミラーレス一眼をリリースしていない現状では敵なしである。私も今さらながら非常に興味を持ってしまっている。フォーサーズの約4倍の面積を持つイメージセンサは高感度特性で大きなアドバンテージがあり、被写界深度も浅いのでボケやすいのは間違いない。要はカメラシステムの大きさと重さ次第ではあるが、基本的な性能ではフォーサーズは全く歯が立たないのである。
- ちなみに、α7R III とFE 16-35mm F2.8 GM、FE 24-70mm F2.8 GM、FE 70-200mm F2.8 GM OSSでシステムを組むとソニーストア価格で税抜1,189,510円で約3.7kgになる。オリンパスのE-M1 MarkII とM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO、MC-14でシステムを組むとオリンパスオンラインストア価格で税抜606,000円で約2.4kgになるのだが、比べると価格差、重量差に見合うアドバンテージがあるのか……。微妙である。
- 私のカメラシステムは未だにフォーサーズである。マイクロフォーサーズに移行する以外に他社のカメラシステムに乗り換える可能性もあるのである。まあ、フォーサーズのシステムは全く問題なく使えておりニコンとキヤノンのミラーレス一眼への移行を待った上で判断しても全く問題はないのでゆっくり構えていることにしているが楽しみではある。
2018/03/21
CP+ 2018 雑感(その1)
- 今年は諸事情あって1日半しか行けなかったのだがCP+について書いてみようと思う。
- 今年のCP+で感じたことはデジタルカメラが本格的な岐路に立っているということだ。もちろん、これまでもスマホに顧客を奪われてデジタルカメラ市場が縮小していると言われてきた。しかし、私にはコンパクトカメラについては確かにそのとおりではあるがレンズ交換式カメラに関しては違うのではと思っていた。簡単に書いてしまえば成熟商品化ということだ。既に技術的にはほぼ完成している製品を短期間でモデルチェンジという名前のマイナーチェンジを繰り返していれば市場が消耗してしまうのは当然である。消費者は進化スピードの落ちたカメラを毎年買い換えてはくれないし、新規ユーザの獲得だけではこれまでのような大きな市場拡大はできないのだ。
- さて、もう少し掘り下げてみよう。デジタルカメラは技術的は成熟しつつあるように思える。画素数も十分にフィルムカメラを上回るレベルに達しているし、画像処理エンジンによる画作りも十分だろう。オートフォーカスも位相差AF、コントラストAFに加えてハイブリッドAFも登場して着実に進化している。手ぶれ補正もボディ内とレンズ内の両者が進化し、さらにシンクロ補正を実現しCIPA基準準拠で6.5段にまで達している。露出制御もパターン認識や撮影プログラムの進化により改善され、複数画像の合成などによりダイナミックレンジの狭さをうまくカバーできるようになった。顔認証技術や動体予測アルゴリズム、各種シーンモードなどの撮影プログラムなども進化しており初心者でもそれなりの写真が撮れるようになっている。カメラ本体のみならず、デジタル用に設計されたレンズも多数揃ってきており光学設計技術、ナノレベルのコーティング技術、レンズ駆動のモータ技術なども大きく進化しているのだ。つまり、デジタルカメラの製品としての完成度はかなり高いレベルにまで達しているといっても良いだろう。
- つまり、デジタルカメラは成熟商品となっているのだ。実のところ製品としての技術的な進化は停滞気味である。例えば、この何年かはイメージセンサの大きな進化は起こっていない。高画素化すれば一画素当たりのサイズが小さくなるが、それは物理的に光をとらえる必要面積のほぼ限界に達しているように思える。イメージセンサに限らず、他の技術についてもこれ以上の進化には大きなブレイクスルーが必要になっているようだ。そのため我々には進化が非常に緩やかであり踊り場で足踏みしているように見えているのである。
- このようにベースとなる技術の進化がひと段落している現状で、各社が訴えているのは「撮影者の感性」である。例えば、オリンパスはこれまでずっと「アートフィルタ」という画作りをアピールしている。富士フイルムはフィルムメーカだけあって「フィルムシミュレーション」というかつてのフィルムに似せた色再現をアピールしている。今や写真はピンボケ、露出アンダー/オーバー、手ブレ、などの失敗なく撮れて当たり前の時代になっているのだ。加えて、これまでなら何度も練習して失敗を重ねて習得しなければならなかった「多重露光」、「夜景撮影」、「タイムラプス撮影」などが簡単にできてしまうのだ。それゆえカメラメーカ各社はそれ以上の何を訴えるかに頭を悩ませているのである。まあ、写真を撮る腕をみがく機会がなくなってしまうのが寂しいと言われる気持ちもよくわかるのだが敷居が下がるのは歓迎すべきだろう。
- デジタルカメラでムービーを撮影することをアピールするメーカもある。パナソニックやソニー、そして、キヤノンはビデオカメラで多くの実績を持っているメーカであるがデジタルカメラでもそれを可能にしようとしている。また、インスタグラムなどのSNSとの親和性をアピールするメーカもある。Wi-FiやBluetoothでスマホと接続し画像を簡単にアップロードすることが可能になっているのである。ただ、これはスマホへの対抗策であり攻めというより守りではある。まあ、攻めだけでは戦えず、守りも重要であるから正しい対抗策であるだろう。
- そのような状況の中で毎年のようにモデルチェンジとは名ばかりのマイナーチェンジを行なっていては各社消耗してしまうだけだと思えてならない。フィルムカメラも最盛期にはフラッグシップ機のモデルチェンジは5年〜10年に1度程度のペースだったのだ。エントリーモデルは各メーカに数種類あり、実験的なものや新技術のテスト用のものなど色々あったが2年〜5年の1台程度のリリースになっていたのだ。まあ、フィルムカメラはフィルムの性能向上により進化することができたのに対しデジタルカメラはフィルムに相当するイメージセンサを換装できない。そのため、これまではイメージセンサの進化によって頻繁にモデルチェンジせざるを得なかったわけだが、今後はそのイメージセンサの進化が鈍化するためモデルチェンジサイクルが長くならざるを得ないという側面もあるだろう。
- そろそろ各メーカとも製品のライフサイクルの見直しを始めており製品のライフは長くなっているように思えるが、もっと加速させるべきだろう。自動車が良い例だが5〜6年のモデルチェンジサイクルは適切のように思える。製品の開発には時間が必要であるし、開発費もかかる。じっくりした要素技術開発も必要だろう。もう少し腰を落ち着ける必要があるのではないだろうか。そういう意味でデジタルカメラ業界は大きな岐路に立っているような気が私にはするのである。
- 少しだけ余談を書くならば、自動車がハイブリッド化、EV化によって進化しているようにデジタルカメラも進化の余地はまだまだある。ベイヤー配列のイメージセンサはベストの選択では無いだろうし、ローリングシャッター歪みなど動画撮影での課題も未解決である。ガラスを使ったレンズは重いためカメラの軽量化のためにはプラスチックレンズなど軽い素材を使わなければならないが、それにはたくさんの課題がある。ただ、それらの課題のクリアには時間がかかりそうだ。当面は現状の流れが続くのではと思っている。
- CP+の雑感と書きながらデジタルカメラ市場の現状への想いを書いてしまった。次回は各社の出展内容について書いてみたい。
2017/07/03
SIMフリーiPhone
- この記事は1年以上も前に書き上げていたが移行後の状況確認をしていたため公開の機会を逸してしまっていたものだ。SIMフリーに移行して1年以上が経過しているのだが全く問題はなく金額的にも大満足である。というわけで遅ればせながら公開しようと思う。iPhoneの最新機種がiPhone 6sなどと一部の記述が当時のままなのだが修正していない。ご容赦いただきたい。
- 愛用していたiPhone 4Sがそろそろ限界になってきたので買い替えた。限界には2つある。1つはバッテリーだ。バッテリーの残量が20%近くになると落ちてしまったりするものの、しばらく置くと起動出来たりする。恐らくバッテリーが弱ってきていたのだろう。もう1つはCPUパワーだ。iPhone 4SのCPUはA5で発売時のOSはiOS 5だったのに対し最新のiPhone 6sのCPUはA9で発売時のOSはiOS 9である。つまり、4世代の開きがあるのだがiPhone 4Sは最新のiOS 9の対応モデルなのだ。私のiPhone 4Sも最新のiOS 9.3にしていたがアプリの起動に時間がかかってしまい反応も鈍くなってしまっていた。さすがに4世代前のCPUで最新のiOSを動かすのは無理があるだろう。
- ただ、既存のキャリアと契約を継続するメリットはないと判断した。多くの人がわかっているとおり、大手キャリアは長年契約してくれているユーザより乗り換えユーザを優遇し続けているからだ。私は10年来のauユーザでiPhone 4Sにして4年だが優遇されていると感じたことは全く無かった。何故他のキャリアから乗り換えてくるユーザの方が優遇されるのか……ずっと疑問だった。他のキャリアとの競争もあり簡単ではないのだろうがそのうち改まると思っていたのだが、そうではなかった。そして、ついに愛想を尽かしてしまったというわけだ。ただ、他の大手キャリアも同じ穴の狢であり乗り換えるのでは何ら解決にならないので格安SIMに換えることにしたのだ。
- しかし、多くの人と同じく格安SIMへの乗り換え方法がわからない。いろいろ調べてみることから始めることになってしまった。これだから理不尽と思いながらも大手キャリアと契約を続けている人が多いのだろう。当然、コスト面でのチェックも行った。
- まず、格安SIMでも電話番号はMNP(Mobile Number Portability)によって変えずに済む。ただ、このMNPには申請が必要で移行番号をもらう必要がある。既存キャリアから番号をもらってそれを移行キャリアに伝えることで電話番号が引き継がれるらしい。それには手数料が必要で、私の場合は大手キャリア(au)に2,000円(税別)、格安SIM業者に3,000円を支払うことになった。
- 他の注意点としてはメールアドレスは変える必要があるということだ。確かに、xxxx@ezweb.ne.jp など、キャリアの名前がついたアドレスを使い続けるわけにはいかないだろう。これはフリーメールなどに変える必要がある。そのため私はGmailのアカウントを新たに取得したのだが、後になってiCloudメールもあることに気づいた。何とも間抜けなことである。
- また、通話の定額サービスも格安SIM業者では提供されていないことが多く、従量制になるので通話が多い人には向かないそうだ。
- 私のiPhone 4SはSIMロック解除はできないし、格安SIMは4GのLTE専用なので3Gにしか対応していないiPhone 4Sではどちらにせよ使えない。つまり、買い替えるしかないのだが、もともとiPhoneが不調だったので買い替えは既定路線だった。電池だけ交換出来ればとも思うが、新しいアプリを使うためには最新OSが必須な現状では結局CPUの負荷が重く反応が遅くなってしまうので買い替えで正解だろう。ただ、SIMフリーのiPhoneは家電量販店では売っておらずアップルでしか買えないのには驚いた。まあ、店舗がなくてもオンラインショップで買えるのではあるが何か理由があるのだろうか。大手キャリアで買えないのはわかるが、家電量販店にはデメリットはないはずなので理解出来ない。アップルの方針なのだろうか。
- 結局、アップルストアに出向いてSIMフリーのiPhone 6sを購入したのだが、SIMが無いとアクティベーションができない。iPhone 4SとはSIMカードのサイズが異なるので使い回しができないのだ。
- また、既存キャリアで貯めたポイントも使っておきたい。格安SIM業者に確認したところ、MNPで電話番号を新しいSIMに焼き込むと従来のキャリアが自動的に解約されるそうだ。当然ではあるが複数のキャリアで同じ電話番号が2つ存在してはいけないわけだ。そのため、auショップへ逆戻りしポイントを使ってiPhone 6s用のケースを購入してから格安SIM業者のところに再度訪れることになってしまった。
- 格安SIMはビックカメラで扱っているBIC SIMを選んだ。ビックカメラはIIJの格安SIMであるIIJmioの代理店なのだ。私のような古い人間にはIIJのブランド力は非常に強い。色々ネットで格安SIMを調べてみたもののよくわからなかったのでブランド力で選んでみたわけだ。同じIIJmioではあるがビックカメラで契約するとFree Wi-Fiのおまけがついてくる。ちょっとお得である。
- さて、ビックカメラでまずは申し込みを行った。ただ、これがクセモノで、その場でiPadで入力するのだ。お店の人は「はい。次はここ」と進めてくれるが正直あせる。老眼でよく見えなかったりして確認が不十分になってしまうのだ。店頭での回転をあげないといけないのはわかるが、結果的に誤記があってやり直しになるとかえって非効率だろう。ゆっくり確認しながら入力することをお勧めする。
- 30分ほど待つとSIMが焼き上がる。その場で設定出来たら良いのだがWi-Fiが効く自宅に持って帰って行うことになる。窓口は「その場で開通」とうたうが実際にはiPhoneのアクティベーションやバックアップからの復元の必要もあり持ち帰るのもやむを得ないだろう。SIMを持って帰ることができるのがメリットということだろう。
- 自宅に戻ってWi-Fiに接続してアクティベーションを行うがうまくいかない。何と購入したiPhone 6sはiOS 9.3ではないようだ。そのためiOS 9.3のバックアップデータにアクセスできない。iOSのアップデートから行わなければならなかった。また、私は一度プロバイダを変更したことがあったのでメールアドレスが変わっためApple IDが一度変わっている。アクティベーションの最後に以前のApple IDが出てきて驚いてしまった。結局パスコードが通らずにスキップすることになったが謎である。
- 結果的にバックアップからデータを復旧出来たのだがアドレス帳は完全に復元出来なかった。どうも、以前のキャリアであるauで登録したアドレス帳にはアクセスできなくなっているので復元出来ないらしい。これは仕方ないらしく移行ツールとかを使って移行せざるを得ないようだ。アドレス帳は個人のもののはずなのにキャリアに紐づいているというのは腑に落ちない。
- 翌日になってふと気づくと電話はできるがインターネットが繋がらない。「あれっ?」と思ったのだが理由がわからない。昨日はWi-Fiによってデータ通信が出来ていただけのようだ。いろいろ確認するとプロファイルをインストールしなければならないらしい。格安SIM業者が一言教えてくれれば良いのに……と思うが、後ほど確認するとメールでお知らせされていた。確認しなかった私が悪い。もう少しマニュアルを確認しなければならないようだ。
- 格安SIMに移行してみてわかったことは「思ったより簡単」ということだ。ただ、私のようなライトユーザは少しハードルを感じてしまうかもしれない。例えば、ヘビーユーザならプロファイルのインストールを忘れるなどはあり得ないだろう。
- ただ、そもそも格安SIMはライトユーザのためのものだと思う。通話が少なく、かけ放題の定額プランを使い切れないとか、データ定額サービスを使っているのに月に1〜2GB程度のデータ通信量のライトユーザは大手キャリアの格好のカモでしかないだろう。そもそも大手キャリアが用意している設備にはキャパシティがある。それゆえ全ユーザの通話量もデータ通信量も限りがあるはずだ。しかし、使い放題の「定額サービス」が成り立っているのはライトユーザが余らせた定額サービス分をヘビーユーザが使っているからだろう。
- ライトユーザは大手キャリアから不当な扱いを受け虐げられているという自覚がないかというと……そんなことはない。誰もがわかっていることだ。しかし、悪名高い「2年縛り」のために格安SIMへの移行が進まないのだ。私はそもそも2年縛りは携帯電話の端末代金を2年間に分割して支払うシステムだと思っていたのだが違うようだ。iPhone 4Sを使い始めて2年経過しても料金が下がらないので「?」と思って確認したら「そもそも端末代金はゼロ円だった」そうだ。わけがわからない。
- それがきっかけで格安SIMに興味を持ったのが、2年縛りが切れるのは1ヶ月間しかない。そのためすっかり忘れてしまっていたのだが、2年後の今になってご丁寧にauから「2年縛りが切れます」メールをもらって思い出したというわけだ。これも総務省の指導のたまものだろう。総務省はこのような不健全なビジネスを改善しようとしているのだ。
- ただ、少し方向がズレているような気がする。単に端末代金と通話・通信料金のセット販売を禁止すれば良いだけのような気がするのだが、そう簡単ではないのだろう。確かにセット販売は他のところでも普通に行われているからだ。総務省も「過度な端末代金の割引を控えるように」と通達するにとどまっている。まあ頑張ったがこれが限界というところだろうか。
- その総務省の頑張りもあり「2年縛りが切れます」メールが送られるようになったわけだろう。普通であれば大手キャリアは格好のカモに対してわざわざそういうメールは送らないだろう。
- さて、話を戻そう。ライトユーザが大手キャリアに見切りをつけないのは1つは2年縛りのタイミングの問題だろう。2年に1度のチャンス以外に移行すると莫大な違約金を支払わなければならないからだ。ただ、もう1つは「情報操作」によるものだろう。確かにライトユーザが不当な扱いを受けていることはマスメディアでも報じられており常識に近い。そして、格安SIMがリーズナブルなこともマスメディアによって知らされている。しかし、「どうやって格安SIMに移行したら良いか」はマスメディアでは知らされないのだ。
- それは大手キャリアがマスメディアの大スポンサーであるからだろう。マスメディアも営利企業である以上仕方がない。我々はそれを理解した上で自衛しなければならないだろう。格安SIM業者もTVコマーシャルを行ったり、パソコン雑誌でアピールを始めている。今ではインターネット上には格安SIM移行の情報がたくさん見つかるようになっている。大手キャリアの天下もあと数年で終わるのではないかと思う。
- 最後にネットで見つけた参考になるページを紹介しておこう。【iPhone6】ビックカメラでIIJmioのBIC SIMを契約してきたよ!契約からSIMフリーiPhoneの初期設定方法まで!はとても参考になった。手続き前に見つけていればトラブルもなかったと悔やんでしまったほどだ。また、BIC SIM特典の「Wi2 300」の登録方法と使い方も参考になったのであわせて紹介したい。
- 気づいた人もいるかもしれないが、両記事とも2014年のものだ。先人たちはその頃から格安SIMに移行していたわけである。
2015/07/26
PENTAX K-1?
- リコーが買収したペンタックスの「フルサイズ」(135サイズ)一眼レフについて書いてみたい。実は書きかけの原稿があり、そこで私はペンタックスはAPS-Cサイズに特化しているのが素晴らしいと書いていたのだが……。さすがに、リップサービスと思っていたKマウントの135サイズのボディが登場するとなると驚きを禁じ得ない。135サイズでニコンやキヤノンとどうやって対抗するのかが全く見えないのだ。135サイズのレンズもほとんど無い状態で対抗するなど夢のまた夢だ。「ペンタックスユーザのため」というお題目には失笑を禁じ得ない。新しいユーザを獲得出来ないビジネスモデルは成功の可能性が皆無だからだ。
- いつからペンタックスはおかしくなってしまったのだろう。経営が傾きHOYAに買収され、その後にリコーに事業譲渡されたことが大きな転機になっているような気がするが、あまりに身の程をわきまえなくなってしまっている。かつての一眼レフ5大メーカの中で後塵を拝している自覚を失ってしまったようだ。これはとても困ったことで、このままではペンタックスは潰れるか、再び身売りされてしまうだろう。
- 冷静に考えるならば、レンズ交換式カメラ市場に占める135サイズ割合は10%もないだろう。そのほとんどをニコンとキヤノンで分け合っているのである。もう1社のソニーのシェアは10%あるのだろうか。つまり、全体では1%あるかないかなのだ。製品単価は高いだろうが、これでは開発費すら回収できないというのが135サイズの現状だろう。ニコンには多くの135サイズのFXレンズがあるから強いが、ペンタックスにはそもそもレンズがないのだ。
- 「ペンタックスユーザのため」というのは正義のように見えるのだが、違うだろう。昔からのペンタックスユーザは既に他社に乗り換えてしまっているのではないだろうか。つまり、時機を逸してしまっているのである。そして、オールドレンズ用のカメラボディを発売しても儲からないのだ。リコーはかつてGXRというレンズユニット式というヘンタイカメラにライカMマウント用のレンズユニットを発売したことがある。それはライカのオールドレンズを使用することが前提なのでボランティアでしかないと思ったが、結局GXRシステムは新しいレンズユニットもリリースされなくなり廃盤になりつつある。カメラシステムは「交換レンズが売れてこそ儲かる」わけで、それを無視したシステムは続かないのが当然なのだ。
- 私はソニーが135サイズのカメラをリリースするのですら無謀だと思っている。もちろん、ソニーは135サイズイメージセンサの最大手サプライヤーなのだが、センサを内製で安く調達できたとしてもニコンやキヤノンに対抗することは出来ないと思うのだ。システムカメラには「安さ」以上に必要なものがあるのではないだろうか。それはブランドイメージなどでもあるだろうし、優れた交換レンズのラインアップだったりするのだが、ソニーにはそれがないのだ。残念ながら、ソニーはミノルタブランドを活かせなかった。これは致命的な失敗だろう。
- リコーはペンタックスブランドを残した。当初はペンタックスリコーイメージングという本末転倒の社名でスタートしたほどペンタックスの名前にこだわったのである。これは正解だと思うのだが、ペンタックスはAPS-Cサイズに特化してきたので135サイズでのブランクが長過ぎるのだ。調べてみたら最後の135サイズの一眼レフは2003年の*istのようだ。このカメラはエントリーモデルのようだが、ハイアマチュアモデルは2001年のMZ-Sのようだ。私のリアルタイムで知っているペンタックスのカメラはME SuperやLXというマニュアルフォーカスカメラなので違っていたら申し訳ない。何が書きたいかというと、135サイズのカメラを販売終了してから既に10年経ってしまっているということなのだ。
- それだけのブランクがあれば、……135サイズを使いたければ他社に乗り換えてしまっているだろうし、ペンタックスファンならばAPS-Cサイズに移行しているだろう。オールドレンズを持っていたとしても光学技術は時代遅れで135サイズのデジタルカメラでは全く力不足であるのは間違いない。その状況を理解した上で135サイズに再参入するというのは私には無謀と思えてならないのだ。
- まあ、ペンタックスユーザでもない私がこういうことを書くのは良くないのかもしれない。外野は黙っていろ、と言われればそれまでではある。ただ、かつては一眼レフ5大メーカの一角を担っていたペンタックスが消えてしまうのは忍びないと思って書いた次第である。
バックナンバー(その50)
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