フォーサーズ雑記帳（バックナンバー）

Nikon Df

• ニコンからNikon Dfが発表された。Nikon Digital Live 2013でお披露目されたので見に行ってきたのだが、簡単に感想をまとめておこう。キーワードは熱い想いである。

• Nikon Dfは簡単に書けば、Nikon D4のイメージセンサを搭載したNikon D610である。それを素直に製品化せずにフィルム時代のレトロなインターフェースを盛り込んで作ったカメラである。私はニコン党ではないので、「ちょっと厳しいなあ」と思っていたが、Nikon Digital Live 2013に出向いて認識を新たにした。そこで、開発に関わった人達の気持ちを感じられたからだ。

• 私がフィルムカメラであるOM-4 Ti BlackからE-3に移行する時に感じたジレンマは「操作性が違いすぎる」であった。レンズには絞りリングがなく、ボディにもシャッタースピードダイヤルがない。当時の私は前後のコマンドダイヤルでそれらを設定するのに違和感を感じてしまったのだ。この時はOM-4はマニュアルフォーカスだったこともあり、ギャップが大き過ぎた。それもあって違和感が大きかったのだろう。

• ただ、レンズとボディ間で情報をやり取りできるようになれば、レンズに絞りリングは必要ない。オートフォーカス化の際にそのあたりの仕様が変更されたのだろう。ピント情報だけをやり取りするだけではもったいない。これによってインターフェースの変更だけではなく、詳細な情報設定が可能になった。例えば、シャッタースピードダイヤルに刻まれている1/1000秒の次の目盛は1/2000秒と1段刻みだったが、コマンドダイヤルでは1/3段刻みで設定することが可能になったのだ。

• コマンドダイヤルへの変更には意味があったわけが、レトロなインターフェースに復帰するということはインターフェースの進化に逆行することになる。オリンパスのE-M1はレトロなデザインを採用しているが、デザインは単なる飾りでインターフェースは最新仕様になっている。それに対してNikon Dfはインターフェースまでレトロにしたため工夫が必要になる。機能ダウンしては意味が無いからだ。

• Nikon Digital Live 2013での説明は興味深いものだった。シャッタースピードダイヤルには「1/3 STEP」というポジションがある。ここにセットするとコマンドダイヤルで1/3段ステップでシャッタースピードが設定出来る。なかなか面白い考えだ。それなら最初からコマンドダイヤルを使って設定すれば良いじゃないかというのは野暮であろう。興味深いのはこのアイデアがフィルムカメラのNikon F5のために考えだされたものだったということだ。Nikon F5にはコマンドダイヤルが採用されたためボツになったそうだが、インターフェースの切り替えには有効なアイデアだったと思う。さすがに、こういうレトロなインターフェースがフィルムカメラからデジタルカメラに移行するのを断念していた老人たちに訴えかけるとは思わないが、面白い試みだと思う。

• ただ、私が感心したのは開発者の想いである。フィルムを必要とせず、メモリに記録するデジタルカメラはお金をかけずに無限に撮影可能である。しかし、それは1枚1枚を大切に撮っていた習慣との決別を意味する。それに対してニコンの後藤塾の開発者達は1枚1枚の撮影を大切にしたいとNikon Dfを開発しようとした。彼らはリーマンショックや欧州経済危機、東日本大震災、タイの洪水を乗り越えて Nikon Dfを製品化したのだ。その想いは賞賛に値する。

• 最近の電化製品は開発者の想いが感じられないものが多い。製品のライフサイクルは短くなり、形だけのモデルチェンジを繰り返す製品もある。そういう製品開発をして面白いはずがない。最近はこれは本当に写真を撮る技術者が開発したのだろうかと首をひねる製品もある。さすがにそんなことはないのだろうが、ルーチンワークで開発されているのではないかと思わざるを得ないのだ。それに対し、Nikon Dfのような製品を開発ができる技術者はうらやましい。そういう技術者達が開発した製品は消費者を引きつけるのだろう。Nikon Digital Live 2013には多くの熱い想いを持ったユーザが集まっていた。私はNikon Dfがヒットすることを願ってやまない。

ミラーレスで良いのか

• さて、E-M1を考える際に重要なポイントがミラーレスで良いのか、という点である。ミラーレスとは何かといえば、レフレックスミラーボックスが無いということである。だから、「ミラーレス一眼」は良くても「一眼レフ」と呼ぶのを拒否する人がいるのである。レフレックスミラーボックスが無いと必然的に光学ファインダ(OVF)が無くなる。女子カメラのPENならファインダが無くても良いだろうが、オヤジカメラのE-M1にはファインダは必須である。老眼では背面液晶がよく見えないからだ。そのため電子ビューファインダ(EVF)が搭載されるというわけだ。

• レフレックスミラーボックス分のスペースが無くなると、カメラボディが小さくなるだけでなく、レンズマウント径も小さくなりレンズも小さくなる、とメリットが多いのだが、困ったこともある。それがEVFのタイムラグだ。プリキャプチャによってある程度はカバー出来るだろうが、撮影者の目に既に遅れた画像が見えている点をどう解決するのかが大きな課題である。

• 実はミラーレスカメラにはビジネス上の大きな問題がある。それはミラーレスカメラがカメラ事業への新規参入のハードルを下げているのではということだ。現在、カメラ事業は日本企業の独壇場である。コンパクトカメラには新規参入できても一眼レフカメラに新規参入するのは非常に難しい。それは、レフレックスミラーボックスはノウハウの固まりだからだ。レフレックスミラーボックスを開発する技術はかなり高度なものらしい。ミラーを跳ね上げ、シャッターを開け、露光をして、シャッターを閉じ、ミラーを戻す、という機構はかなり複雑なものだそうだ。簡単そうに思うかもしれないが、連写の場合にはこれを1秒間に5回以上繰り返すのだ。難しさが想像出来ないだろうか。高速に動かすことはもちろん、1回毎にピタッと止める必要があるのである。

• ミラーレスカメラはそのレフレックスボックスのノウハウが不要であり、少しオーバーに書けば単なる電子回路の固まりでしかない。つまり、コンパクトカメラと同様に電子部品を買ってくることで韓国、中国メーカでも簡単に製品化できる可能性が高まったのである。ニコンやキヤノンがミラーレスカメラにそれほど積極的でない理由はここにあるのかもしれない。彼らにとってミラーレスはパンドラの箱なのだろう。Samsungに日本のスマートフォンが駆逐されようとしていることからもわかるように、特に韓国メーカは脅威なのだ。理由はいろいろあるが、人件費と為替レートによって価格面で対等な競争ができないデメリットは大きいからだ。

• このところ、パソコン、薄型テレビ、スマートフォンと日本の製造業は負け続けている。私は残る世界に通用する製品は自動車とカメラかと思っているが、ミラーレスカメラはそのカメラ事業を危うくするリスクを負っているのではないだろうか。パナソニックはカメラメーカではなかったのでレフレックスミラーボックスのノウハウがなかった。フォーサーズでデジタル一眼レフ事業に参入したものの、オリンパスからカメラの主要部分の供給を受けていたのだろう。私はパナソニックにはレフレックスミラーボックスを作れなかったから、ミラーレスのマイクロフォーサーズを提唱したのだと思っている。ただ、それを許したオリンパスは他の一眼レフメーカにとっては「パンドラの箱を開けた裏切り者」なのかもしれない。

• しかし、この考え方は悲しい。たとえ、レフレックスミラーボックスのノウハウが必要なくなったとしても、もう1つ重要な光学技術が残っている。ミラーレスカメラの根幹部分は電子部品を買ってくれば作れてしまうが、レンズは簡単に買って来れないのだ。日本のカメラメーカはレンズ設計のノウハウだけは売り渡さないだろう。その最後の砦さえあればミラーレスカメラは新世代のカメラを創るチャレンジとして認められるのではないだろうか。

• ただ、ミラーレスカメラにはいくつかクリアしなければならない課題がある。先に書いたEVFの性能向上もその1つである。タイムラグの改善は当然だが、OVFに比べて不自然な見え方も改善しなければならないだろう。これはカメラメーカとEVF部品メーカの共同テーマになるだろう。ただ、EVFのキーパーツである液晶や有機ELディスプレイはスマートフォンでも使われているとおり、韓国メーカでも製品化されているのである。日本メーカは韓国メーカとの開発競争を勝ち抜かなければならないのだ。

• カメラも進化している。二眼レフカメラから一眼レフカメラへの進化など機構そのものが変わっているケースや、デジタル化というように機構はそのままで記録方式が変わったケースもある。現状のデジタル一眼レフカメラが未来永劫続く保証は全くない。かつて、日本メーカは携帯音楽プレーヤで世界を席巻していた。ソニーのウォークマンと言えば携帯オーディオプレーヤの代名詞だったが、その栄華に酔いしれたソニーはシリコンオーディオ式の携帯オーディオプレーヤに出遅れた。強者は守りに入り、弱者は新たなブレイクスルーで強者に立ち向かう。それが歴史の流れである。

• 韓国メーカにお株を奪われてしまっているが、元々日本メーカが弱者でありチャレンジャーだったはずなのだ。ニコンやキヤノンはチャレンジャーではない。そのうえ、ミノルタ(ソニー)、オリンパス、ペンタックス(リコー)まで守りに入ってしまうならば、近い将来日本のカメラメーカは絶滅の危機に瀕するだろう。互いに切磋琢磨することなしに業界の発展はないのである。日本人はカメラ好きではあるが、グローバルに通じるカメラが必要なのだ。低価格機は1つの解ではあるが、グローバルに通用するカメラが求められている。このグローバル対応が日本メーカの大きな課題なのだ。

OLYMPUS OM-D E-M1 ファースト・インプレッション(その9)

• さて、私の最終的な判断を書いておこう。E-M1はパスしようと思う。これはE-M1が良くないカメラだということではない。理由は簡単である。私にとって使えるマイクロフォーサーズレンズがまだまだ少ないからだ。防塵・防滴の明るいズームレンズはパナソニックのLUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH./POWER O.I.S.、LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8 POWER O.I.S.とオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの3本しか無いのである。私は超広角ズームの使用頻度が高いので、少なくとも、パナソニックがLUMIX G X VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.を防塵・防滴化してリニューアルするか、M.ZUIKO PROの超広角ズームレンズが登場するまではマイクロフォーサーズに移行することができない。恐らく、オリンパスのこのレンズが登場するのは2015年の半ば以降だろうから、かなり先のことになりそうだ。

• マイクロフォーサーズの交換レンズは数多く発売されているのだが、困ったことにオリンパスとパナソニックのズームリングの回転方向が逆になっている。システムに規格化していなかったのは信じられないのだが、こういう細かな点で混在使用が面倒だったりすることを両社が理解していなかったというのは無様としか言いようがない。本当に写真を撮る人が規格化作業をし、開発をしているのだろうか。まあ、現実を見ればオリンパスのズームリングの回転方向の方が非主流のようではある。しかし、マイクロフォーサーズがフォーサーズの拡張規格である以上、パナソニックがオリンパスの回転方向に合わせるべきだっただろう。パナソニックには魅力的なレンズがたくさんあり、デザインやラインアップは整然としており、私には完全にオリンパスを上回っているように思える。それにも関わらず、私が手を出さないのは単にオリンパスとズームリングの回転方向が逆だというだけの理由からなのだ。確かに私はPEN-FTからのオリンパスユーザなので愛着はあるものの、それが全てに優先するわけではないのである。

• 現段階では私はフォーサーズのレンズをE-M1で使うのではなく、E-5を継続して使用する判断をしているが、将来は全くの白紙である。オリンパスはM.ZUIKO PROレンズのロードマップを公開しているが、オリンパスに限らず、メーカのロードマップや開発スケジュールを信じる気にはなれない。最近の「公約」や「約束」ほど軽いものはないからだ。ただ、私の場合、フォーサーズから他社の一眼レフカメラに乗り換えることは無い。現状より重いカメラシステムに移行することはありえないからだ。先に書いたとおり、確かにカメラボディだけなら軽いシステムは存在するが、交換レンズ込みで軽いシステムは存在しないのだ。しかし、現状ではマイクロフォーサーズに乗り換えることもできないのである。

• もちろん、候補は探している。マイクロフォーサーズが最有力候補ではあるが、Nikon 1にも興味がある。まずは小型・軽量であることが魅力だ。確かにまだまだ発展途上であるが、2015年頃には大化けしているかもしれない。例えば、2013年10月10日に発売されたNikon 1 AW1は防水・耐衝撃カメラシステムである。水深15mまで潜れ、防塵で、耐衝撃2m、-10℃までの寒冷地対応とオリンパスのE-M1を軽く凌駕している。Nikon 1の1インチのイメージセンサはフォーサーズに比べて面積で約半分のサイズなのだが、今ではそれでも十分なのかもしれないと思い始めている私がいる。

• ただ、現状ではレンズが全く足りない。防水レンズは1 NIKKOR AW 11-27.5mm f/3.5-5.6(135換算で30-74mm相当)と1 NIKKOR AW 10mm f/2.8(135換算で27mm相当)しかないのだ。それどころか、防塵・防滴のレンズは1本もなく、そもそも、CXフォーマットの1 NIKKORレンズ自体がまだ揃っていない。そして、肝心の超広角ズームレンズも暗い1 NIKKOR VR 6.7-13mm f/3.5-5.6(135換算で18-35mm相当)の1本しかない。しかし、ニコンのFX/DXフォーマットのレンズラインアップは充実している。レンズのデジタル対応はオリンパスが先陣を切ったのだが、ニコンはあっという間に追いつき、追い越してしまったのである。それだけに2015年にNikon 1用の素晴らしいレンズが誕生している可能性はあるかもしれない。

• さて、そうは書いたものの私はオリンパスに期待している。早く、M.ZUIKO PROレンズを発売して欲しいと思っている。特に超広角ズームのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-12mm F2.8 PRO(私の勝手な要望)を1日でも早く手にしたいと思っている。フォーサーズのZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0は良いレンズではあるが、フレアやゴーストが強く出る場合がある。ニコンのナノクリスタルコートのような良いコーティングがあれば、かなり抑制が期待出来るだろう。オリンパスのZEROコーティングの実力はよくわからないが期待したい。私は広角使いなのでこれが第一なのだ。

• ただ、E-M1はヒットして欲しいと思っている。オリンパスはE-M1にこれまでに無いほどのプロモーションを行っている。これでE-M1が十分にヒットしなければ、オリンパスはオヤジカメラをあきらめてしまうかもしれない。それでは困る。私は女子カメラには興味が無く、M.ZUIKO PROレンズが揃った頃に登場するであろうE-M1の後継機を狙っているからだ。他力本願で申し訳ないが、私はかなりの金額をフォーサーズに投資してきているつもりである。それに免じてご勘弁いただきたい。

• 付け加えるならば、オリンパスにはオヤジカメラの第二弾を期待したい。オリンパス流に言えば、E-M10と呼ぶようなマイクロフォーサーズ専用の大きなグリップのついたエントリークラスのカメラを登場させて欲しい。やはり、E-M1の価格はかなり高めだからだ。数を売るのは価格は重要である。バーゲンをする必要はないものの、手が届く価格に設定するのは大切なことだ。小遣いが少ないオヤジもいるだろうし、お金に余裕が少ない若い男性にも使ってもらえるカメラが必要なのだ。以前に書いたとおり、オリンパスもパナソニックのLUMIX DMC-G6に相当する入門機を用意すべきということだ。

• 最後にもうひとこと書くならば、オリンパスにはこの厳しい状況を何とか乗り切ってもらいたい。米国のリーマンショック、欧州経済危機、東日本大震災、タイの洪水、などによる景気後退・円高によって日本の製造業は壊滅的なダメージを受けてしまっている。加えて、オリンパスには愚かな歴代の経営陣による粉飾決算による資金難という問題もあるのだ。デジタルカメラ事業は日本の独壇場とはいうものの、安泰と言えるのはニコンとキヤノンのビッグ2だけだろう。この厳しい状況でデジタルカメラ事業の存続をはかるのは大変だろうが、頑張ってもらいたい。

OLYMPUS OM-D E-M1 ファースト・インプレッション(その8)

• 続いて望遠ズームレンズの比較をしてみよう。通常の一眼レフの望遠レンズは135換算で600mmぐらいまでが市販されている。フォーサーズやAPS-Cなどの登場で比較的容易に望遠レンズが作れるようになっているので、135換算で1,000mmぐらいのレンズがあっても良さそうなのだが見たことがない。需要が少ないのだろうか。超望遠を使いたいアマチュアはテレコンバータ(テレコン)を使うのが一般的なのかもしれない。しかし、マイクロフォーサーズにはテレコンバータ(テレコン)が存在しない。未だに登場しないということはデジタル補正に対応したテレコンを設計できないのかもしれない。ただ、光学性能に優れたレンズに限定したテレコンが登場する可能性はあるかと期待はしている。

• 私は広角使いなので、望遠レンズは得意ではない。手ぶれ補正があっても望遠レンズで手ぶれせずに撮影するのは難しいからだ。面倒で三脚を使わない私が悪いと言ってしまえばそれまでではある。ただ、ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWDは手持ちでも使い安く、私に望遠系のレンズの面白さを教えてくれた。このレンズは135換算で400mmまでカバーでき、ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter EC-14をつけると560mmまでカバーできるアマチュアにとってはベスト・バイと言っても良い万能な望遠ズームレンズの1つではないだろうか。

• 一般に一眼レフの位相差AFセンサはF5.6を超えるとオートフォーカスが効かなくなってしまう。そのため、一眼レフのレンズ開放F値は5.6止まりだった。しかし、ミラーレス一眼はコントラストAFでピントを合わせるため暗くてもオートフォーカスが効く。そのため、レンズのF5.6の縛りがなくなってしまい、開放F値が5.6を超える望遠ズームレンズが登場してしまった。私はこういう開放F6.3とかF6.7などというレンズは気に入らない。暗いということはそれだけ取り込める情報量が少ないということで、画質が良いわけはないからである。マイクロフォーサーズは135サイズやAPS-Cに比べてイメージセンサが小さい。既にレンズを小型軽量に出来るアドバンテージを持っているのである。それなのに、さらにレンズを暗くしてまで小型軽量化を押し進める意図が私には理解出来ない。高画質が維持出来るという前提があってこその小型軽量化ではないのだろうか。そのため、比較表から意図的に外したレンズがある。

• さて、個人的要望としてはZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWDに相当するレンズをあげている。そして、もう1つあげたのはテレコンがないためにやむなく追加した超望遠ズームレンズである。

  望遠ズームレンズ
  メーカ	製品名	フォーマット	135換算	重量	手ぶれ補正	コーティング	防塵・防滴	希望小売価格(税抜)
  オリンパス	ZUIKO DIGITAL ED 35-100mm F2.0	フォーサーズ	70-200mm	1,800g	○(ボディ内)	ノーマル	○	355,000円
  ニコン	AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II	FX(135)	70-200mm	1540g	○	ナノクリスタル	△	300,000円
  		DX(APS-C)	105-300mm
  パナソニック	LUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S.	フォーサーズ	70-200mm	360g	○	ナノサーフェス	○	147,000円
  ニコン	AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR	FX(135)	70-200mm	850g	○	ナノクリスタル	△	190,000円
  		DX(APS-C)	105-300mm
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO	フォーサーズ	80-300mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO ？	○	開発中
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R	フォーサーズ	80-300mm	190g	○(ボディ内)	ノーマル	×	47,500円
  ニコン	AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR	FX(135)	80-400mm	1,570g	○	ナノクリスタル	△	310,000円
  		DX(APS-C)	120-600mm
  パナソニック	LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH./ MEGA O.I.S.	フォーサーズ	90-300mm	200g	○	ノーマル	×	30,000円
  パナソニック	LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH./ POWER O.I.S.	フォーサーズ	90-350mm	210g	○	ノーマル	×	53,500円
  パナソニック	LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.	フォーサーズ	90-400mm	380g	○	ノーマル	×	47,000円
  オリンパス	ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 SWD	フォーサーズ	100-400mm	1,153g	○(ボディ内)	ノーマル	○	140,000円
  オリンパス	M.ZUIKO PRO (F2.8-F3.5) 個人的要望	フォーサーズ	100-400mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO	○	XX,000円
  オリンパス	ZUIKO DIGITAL ED 90-250mm F2.8	フォーサーズ	180-500mm	3,270g	○(ボディ内)	ノーマル	○	800,000円
  ニコン	AF-S NIKKOR 200-400mm f/4G ED VR II	FX(135)	200-400mm	3,360g	○	ナノクリスタル	△	1,000,000円
  		DX(APS-C)	300-600mm
  パナソニック	LUMIX G X VARIO 100-300mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.	フォーサーズ	200-600mm	520g	○	ノーマル	×	147,000円
  オリンパス	M.ZUIKO PRO (F3.5-F4.5) 個人的要望	フォーサーズ	200-600mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO	○	XXX,000円

• こうして並べてみるとマイクロフォーサーズには望遠ズームレンズがたくさんある。広角ズームに比べて数多くラインアップされているのはうらやましいが、似たり寄ったりに見えてしまうのは私が望遠系レンズに疎いからだろうか。さらに、暗いレンズばかりで唯一の例外がパナソニックのLUMIX G X VARIO 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S.である。それに対抗するのがオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROなのだろうが、詳細は不明である。

• さて、単焦点レンズもリストアップしてみよう。オリンパスは望遠系でも明るい単焦点レンズを何本かラインアップしている。フォーサーズユーザとしてはうらやましい限りである。ただ、150mm止まりというのは物足りないのではないだろうか。望遠系の単焦点レンズは売れないのだろうか。135換算で300mm F2.8などはベストセラーだと思うのだが……、ということで、私には不要なレンズではあるがサンニッパに相当するレンズも要望に入れてみた。まあ、要望するだけなら勝手である。(笑)

  望遠レンズ
  メーカ	製品名	フォーマット	135換算	重量	手ぶれ補正	コーティング	防塵・防滴	希望小売価格(税抜)
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8	フォーサーズ	90mm	116g	○(ボディ内)	ZERO	×	35,000円
  パナソニック	LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.	フォーサーズ	90mm	225g	○	ノーマル	×	47,500円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro	フォーサーズ	120mm	185g	○(ボディ内)	ZERO	○	59,500円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8	フォーサーズ	150mm	305g	○(ボディ内)	ZERO	×	119,000円
  オリンパス	M.ZUIKO PRO (F2.0) 個人的要望	フォーサーズ	300mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO	○	XXX,000円

OLYMPUS OM-D E-M1 ファースト・インプレッション(その7)

• 先に標準ズームレンズで比較を行ったが、これを広角ズームで行うと事情が異なってくる。オリンパスのM.ZUIKO PROレンズがまだ存在しないからだ。オリンパスのマイクロフォーサーズのズームレンズはフォーサーズユーザに遠慮したのか、フォーサーズと重複を避けたのかよくわからないが、暗いレンズしか存在しない。これは軽い高性能カメラシステムを求めている私には困ったことである。

• 逆にパナソニックは早くにフォーサーズから撤退したため、オリンパスのフォーサーズレンズをマイクロフォーサーズに移植したように思える。LUMIX G X VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.は私も購入を検討したレンズであるのだが、防塵・防滴ではなく、オリンパスとズームリングの回転方向が逆なのである。何とまあ、困ったものである。

• さて、能書きはこの程度にして、一覧表で比較してみよう。先と同じように個人的な要望をピンク色で載せてみた。M.ZUIKO PROの超広角ズームは詳細が明らかになっていないが、既にパナソニックのLUMIX G X VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.とオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6がある。同じ仕様のレンズがカブっても仕方がないので、それを考慮した要望にしている。下表を見ていただければ一目瞭然だが、ニコンの大三元、小三元ズームの仕様がベースになった要望になっている。

  広角ズームレンズ
  メーカ	製品名	フォーマット	135換算	重量	手ぶれ補正	コーティング	防塵・防滴	希望小売価格(税抜)
  ニコン	AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED	FX(135)	14-24mm	1,000g	×	ナノクリスタル	△	272,000円
  オリンパス	M.ZUIKO PRO (F2.8) 個人的要望 A	フォーサーズ	14-24mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO	○	XXX,000円
  オリンパス	ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0	フォーサーズ	14-28mm	780g	○(ボディ内)	ノーマル	○	236,000円
  パナソニック	LUMIX G X VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.	フォーサーズ	14-28mm	300g	×	ノーマル	×	119,000円
  ニコン	AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED	DX(APS-C)	15-36mm	460g	×	ノーマル	△	112,000円
  ニコン	AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR	FX(135)	16-35mm	680g	○	ナノクリスタル	△	154,000円
  オリンパス	M.ZUIKO PRO (F4.0) 個人的要望 B	フォーサーズ	16-35mm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO	○	XX,000円
  ニコン	AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED	DX(APS-C)	18-36mm	465g	×	ノーマル	△	162,000円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6	フォーサーズ	18-36mm	155g	○(ボディ内)	ノーマル	×	71,000円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED X-XXmm FX.X	フォーサーズ	XX-XXmm	XXXg	○(ボディ内)	ZERO ？	○	計画中

• 単焦点レンズの一覧も載せておこう。オリンパスは暗いズームレンズしかない代わりに明るい単焦点広角レンズをラインアップしている。ただ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0とM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8の2本は防塵・防滴ではない。135換算で24mmと34mm相当のレンズであるが、スナップ用途でヒットするはずの28mm相当のレンズを外すというのはよくわからない。開発リソースに限りがあるのだろうが、一貫性を感じられないラインアップには疑問を感じてならない。

• これに対してパナソニックのラインアップは良いところを押さえている。LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.は135換算28mmであるし、LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5という135換算16mmの対角線魚眼も用意されている。しかし、この2本も防塵・防滴ではない。単焦点レンズにはズームリングはないのでオリンパスとパナソニックの併用は可能である。私には両社でレンズラインアップが重複しないように分け合ったように思えてならないが、明るさなども異なり、設計思想も異なるような気がするので無理に分け合う必要はないと思える。まあ、単なる私の想像でしかなく、M.ZUIKO PROレンズはパナソニックでヒット中のズームレンズにガチンコ勝負を挑むレンズだろうから、これからは重複する焦点距離のレンズが登場してくるのかもしれない。

  広角レンズ
  メーカ	製品名	フォーマット	135換算	重量	手ぶれ補正	コーティング	防塵・防滴	希望小売価格(税抜)
  パナソニック	LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5	フォーサーズ	16mm	165g	×	ノーマル	×	95,000円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0	フォーサーズ	24mm	130g	○(ボディ内)	ZERO	×	95,000円
  パナソニック	LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.	フォーサーズ	28mm	55g	×	ノーマル	×	47,500円
  オリンパス	M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8	フォーサーズ	34mm	120g	○(ボディ内)	ZERO	×	59,500円

• ただ、現状では私にとってベストのレンズが存在しないため、E-M1を使うとなるとマウントアダプターMMF-3経由でフォーサーズのレンズを使わざるを得ない。プラス42gの重さと20,000円が必要になる。このMMF-3は防塵・防滴のマウントアダプターなのだが、MMF-1、MMF-2と違って軽いので強度を気にする人もいるようだ。しかし、「軽い」＝「弱い」ではないと思う。カメラユーザの軽さに関する感覚は異常だと思えてならない。