フォーサーズ雑記帳（バックナンバー）

今年のCP+はちょっと感じが違った(続)

今年のCP+はちょっと感じが違った

• 今年もパシフィコ横浜でCP+が開催された。開催日は2月9日から2月12日までで昨年より1ヶ月以上前倒しでの開催となった。これは米国で開催されていたPMAが今年は秋に移ったからだと思われる。しかし、この時期の1ヶ月の前倒しは……寒い。さらに今年は何と雪が降る中での開催になってしまった。来場者数が心配されたが、会場にいた感じでは昨年以上の盛り上がりだった。私は会社を1日休んで10日(木)、11日(祝)、12日(土)の3日間通い詰めたのだが、楽しかった。

• 昨年から主催がCIPA(カメラ映像機器工業会)単独になっているのだが、49,368名の来場者があったことからもわかるとおり、大成功だっただろう。昨年が41，033名だったので2割増になっている。寒い雪空の中なので大幅増と言って良いだろう。関係各位にお疲れさまと申し上げたい。

• 細かなことは別に機会があれば書いてみたいが、今年のCP+はひと味違った。何かがあったのだと思うのだが、各メーカでステージを行われている写真家の皆さんの頑張りを感じた。皆で盛り上げようという気持ちが伝わってきたのだ。特に土屋勝義さんは中心的な役割を果たしているような感じがした。各社のステージにこっそり忍び込みステージの写真を撮っていた。カメラマン仲間の記念写真かな？、と思っていたのだが、そういう感じでもない。

• 私はオリンパスのE-3とリコーのGX200のユーザなので、両社のステージをちょくちょく見ていたのだが、リコーのシークレットライブに湯浅プレジデントが登場した際には多くのカメラマンが乱入していたようだ。(その時、私はキヤノンのステージを見ていたのだが……)そして、オリンパスのズイコーアカデミーの講師陣のステージには逆にリコーのステージで活躍していた小澤太一氏や岡嶋和幸氏が引っ張りだされていた。普通に考えるとこういう行動は掟破りなのだが、これは確信犯だったようだ。岡嶋氏のコメントにその答えが凝縮されていたように思えるので紹介したい。これはオリンパスのズイコーアカデミー講師陣のトークバトルに引っ張りだされ、「最強のカメラとは何か？」という司会者の無茶ぶりに対したコメントである。「それは何を撮りたいかで変わってくる。撮りたいものによって最適なカメラを選べば良いし、カメラメーカはそのために各社切磋琢磨しているのだ。各社のカメラにそれぞれ違った特長がある。だから面白いのだ」これは私の受け取った言葉で岡嶋氏のコメントそのものではないのだが、そのとおり！、である。

• ステージに参加された写真家の皆さんは個別のメーカにこだわることなく、「写真を楽しもう!」と言ってくれていると解釈したい。カメラではなく、写真なのだ。全くもってもっともである。ネットで暴れているバカなモンスターに聞かせたいものだが、残念ながら通じないだろう。無念である。カメラの優劣などで争うことには何の意味もないのだ。そういう観点で多くの写真家の皆さんが結集したと思えてならない。カメラではなく、それによって撮られる写真が重要なのだ。

• To be continued ... ?

Nikon D7000 (Nikon Digital Live 2010 阿部秀之氏のステージ)

アップルの復活とオリンパスイメージングの苦境　(その3)　ハンディキャップの克服

• さて、PEN E-PL2やXZ-1が発表され、CP+も近づいて、いろいろ楽しみな状況になってきたが、マイペースで書き続けよう。

• 当時のアップルには戦略レベルで大きなハンディキャップがあった。Macintoshは他のパソコンとは異なるCPUを採用していたのだ。アップルが採用していたCPUはMotorola-IBM連合が開発したPower PCと呼ばれたRISC型の高性能なもので、当初のIntelのCISC型CPUよりも優れた点が多かった。しかし、IBM-PC/AT互換機とMacintoshの販売数量は桁が違ったため、数が売れたIntelのCPUは多額の開発費をかけて改良されたのだ。そして、CISC型にも関わらずRISC型の良い点を取り入れて高機能なものになっていった。残念ながらこの当時の段階ではアップルにはCPUによるアドバンテージがなくなってしまっていたのだ。

• また、CPUが異なるため、パソコンそのもののアーキテクチャもIBM-PC/AT互換機とMacintoshは大きく異なっていた。そのため、プリンタやモニタ、HDDなどがMacintosh独自仕様になってしまっていたのだ。当然ながらコストが高くなってしまうだけでなく、Macintosh対応機器そのものが少なくなってしまっていた。儲からないからである。

• さらに、パソコンにはソフトウェアが必要である。ソフトウェアにはOSとアプリケーションソフトウェアがあるのだが、当時のアップルはOSの開発に失敗していたのは先に書いたとおりである。CPUも異なり、アーキテクチャもソフトウェアも異なるMacintoshはある一定のシェアを確保していないとビジネスが成り立たなくなるというリスクを持っていた。「パソコンはソフトと周辺機器が無ければただの箱」という言葉のとおり、パソコンは対応ソフトや対応周辺機器が少なくなると使い勝手が極端に悪くなる。そして、Macintoshがある一定のシェアが無ければソフトハウスや周辺機器メーカが儲からなくなり、マーケットから撤退してしまうのである。アップルがWindows 3.1やWindows 95の躍進に危機感を感じてシェアアップを図ったのはこのためなのだ。

• アップルユーザならば良く知っていることだが、アップルはこれらの課題に時間をかけて対処していたのである。簡単に書くと以下のとおりである。
  • まず、MacintoshのアーキテクチャをIBM-PC/AT互換機に合わせ、同じ周辺機器を使えるようにしたのである。もちろん、CPUやOSが異なるのでドライバーソフトウェアまでは共通化できないのだが、ハードウェアとしては共通にしたのである。業界標準も積極的に採用し、HDDの接続規格であるE-IDEや周辺機器の接続規格であるUSBなどはMacintoshで当り前のように使えるようにされたのだ。

  • 次に、OSを独自仕様から業界標準へ変更したのだ。Mac OSの開発に失敗したアップルはNeXT社を買収し、その先進的なOSを手に入れたのだが、そのOSは業界で多く使われているUNIXに準拠していた。それが後のMac OS Xになるのである。さすがにMacintoshにWindowsを採用するわけにいかなかったのだろうが、UNIXはサーバ用の高度な安定したOSでありそれをパソコンに採用したというわけだ。もちろん、そのままではなく、使いやすく改良した上でである。結果としてUNIX用の多くのアプリケーションソフトウェアがMac OS Xでも使えるようになったのである。

  • 最後にアップルはCPUをIntel製に変更した。実はMac OS Xを開発する際にPower PCだけでなくIntel製CPUでも動作するようにしていたのだ。そして、ある一定の移行期間の後にCPUをIntel製に完全に置き換えたのだ。これによってアップルはIBM-PC/AT互換機と同じ最新のCPUを使えるようになったのである。さらに、アーキテクチャやCPUがほぼ同じになったため、MacintoshでWindowsまでが動作するようになったのである。つまり、Windows用のアプリケーションソフトウェアがMacintosh上で動くようになったのだ。

• こうしてアップルは戦略レベルのハンディキャップを克服したのである。アップルが復活したのには理由があったのだ。

• さて、オリンパスのE-SYSTEMに話を移そう。オリンパスのE-SYSTEMにも戦略レベルのハンディキャップがある。そのため、オリンパスはシェアにこだわるのだ。そのオリンパスのハンディキャップはイメージセンサである。つまり、ペンタックスは最新のメジャーなAPS-Cサイズのイメージセンサを容易に調達できるのだが、4/3サイズのイメージセンサはパナソニックからしか調達できないマイナーなものなのだ。イメージセンサーは単なる部品であり、需要と供給で価格が決まり、需要数量に応じて供給企業数が左右される。多くの需要があれば多数の企業が供給者として名乗りを上げ技術革新競争を繰り広げるが、少しの需要しかなければ誰も供給しようとはしないのだ。部品メーカは決してボランティアではないからだ。仮に供給してくれる企業があったとしても調達数量が多くはないので割高になるのは目に見えている。

• アップルの場合はPower PCというCPUがそうだったように、オリンパスにとっては4/3サイズのイメージセンサがアキレス腱になってしまっている。アップルはIntel製のCPUに乗り換えたが、オリンパスの場合にはそういうわけにはいかない。イメージセンサのサイズを変えてしまうとZUIKO DIGITALレンズが使えなくなってしまうからだ。しかし、APS-Cサイズのイメージセンサを使って4/3サイズにクロップするというのは可能だろう。そうすればイメージセンサのハンディキャップはなくなるのだ。

• 根拠は全くないのだが、私にはオリンパスもこのあたりは課題と認識しているような感じがする。ただ、イメージセンサの変更は私のような素人が考えるような簡単なことではないだろう。イメージセンサを変えれば画像エンジンも変えなければならない。アートフィルタ処理まで盛り込んでいるTruePicを作り直すのは大変だろう。オリンパスがどのような選択をするのか注目したい。まあ、その結果が分かるのにはまだまだ時間が必要だろう。気長に待ちたいと思う。

• さて、とりあえず、アップルの復活についての記事はこれで終わりだが、続いて先日からアップしている「オリンパス・ユーザへ」の続きを公開しよう。こちらもこれが最終回である。

• ファン・ブログでオリンパスに対してネガティブな主張を繰り返していたらどうなるだろう。
  • オリンパスにフォーサーズへのやる気が感じられない
  • オリンパスはファンに甘えている
  • マイクロフォーサーズばかりでフォーサーズについての発表がない
  • オリンパスは迷走を始めたのか
  • オリンパスはフォーサーズの新製品を出す気がないような気がする
  • オリンパスを追いかけるのに疲れました
  • フォーサーズがOMシステムのようになりそうな気がしてきました
  • ユーザがこんなに不安がっているのにオリンパスは何もコメントしないのか
  • さんざん待たせたあげくにE-5はたいしたスペックではない
  • こんなスペックだったら1年前に発売してもおかしくないじゃないか(今となっては時代遅れだ)
  • 今度のE-5でフォーサーズの製品は最後だろう
  • フォーサーズのレンズはもう出てこないだろう

• オリンパスのファン、フォーサーズのファンは、そして、これからフォーサーズのユーザになろうとしている人はそれを読んでどう思うのだろう。
  • オリンパスって大丈夫かなあ
  • フォーサーズって無くなってしまうのか
  • 自分のフォーサーズカメラは早く中古ショップに売らないと二束三文の価値しかなくなってしまう
  • フォーサーズを買うのをやめよう

• これが何を意味するか、わかるだろうか。いったい何人、何十人、何百人のユーザがこういうコメント読むことによってフォーサーズに見切りをつけてしまうだろう。そして、何人、何十人、何百人のユーザ予備軍がオリンパス以外のカメラメーカに流れてしまうだろう。考えるだけでも恐ろしい。

• フォーサーズを消滅させるのはオリンパスではない。不平・不満を書き散らし、泣き言を繰り返す、愚かな「ファン」ブログの管理人とそこに不平・不満を書き込む愚かなフォーサーズ「ファン」なのだ。

• オリンパスが消滅させなくても売れなくなった製品は市場から消えてしまうのだ。誰も買わないカメラシステムのためにショーケースのスペースを用意してくれるカメラショップは無い。

• 念のために書いておくが、先にあげたネガティブな主張は全て事実に基づくものではない。全くの「根拠のない妄想」なのだ。

アップルの復活とオリンパスイメージングの苦境　(その2)　製品ラインアップの集約

• 当時のMacintoshには多くのモデルが存在した。タワー型、ミニタワー型、デスクトップ型、小型デスクトップ型、モニター一体型、ノートブック、小型ノートブック、そして、それぞれにCPUのスピードが違うモデルやメモリやHDDの容量の違うモデルが存在していたのだ。さらに、販売チャネルが増えたため、Performaという別のブランドまで作り、同じモデルが2種類のブランドで販売されたりしていたのだ。

• 個人のホームページであっても10年以上前の自分の記憶だけでいい加減なことは書けない。ネットでではあるが、簡単に調べてみた。タワー型ではPower Macintosh 9600シリーズ、ミニタワー型ではPower Macintosh 8600シリーズとPower Macintosh 6400シリーズ、デスクトップ型ではPower Macintosh 7600シリーズやPower Macintosh 7200シリーズ、Power Macintosh 4400シリーズ、小型デスクトップ型ではPower Macintosh 6200シリーズ、モニター一体型ではPower Macintosh 5300シリーズやPower Macintosh 5400シリーズ、ノートブックではPowerBook 5300シリーズ、PowerBook 1400シリーズ、小型ノートブックではPowerBook 2400シリーズなどがあった。これらは当時はPowerPC第二世代のモデルでG2シリーズと呼ばれていたが、何と12種類のラインアップがあったのだ。ちなみに、この中にはPerformaブランドは含まれていない。それを加えるとさらに増えるのである。クラス別に表にしてみるとこんな感じになる。

  	タワー型/(ミニタワー型)	デスクトップ型/(小型デスクトップ型)	モニター一体型	ノートブック型/(小型ノートブック型)
  エントリー	(Power Macintosh 6400)	(Power Macintosh 6200)	Power Macintosh 5300 Power Macintosh 5400	PowerBook 1400
  ミドルエンド	(Power Macintosh 8600)	Power Macintosh 4400 Power Macintosh 7200	ー	(PowerBook 2400)
  ハイエンド	Power Macintosh 9600	Power Macintosh 7600	ー	PowerBook 5300

• 一見、製品ラインアップが多いということはユーザにとって選択肢が豊富に用意されていることでもあるので良いことのように思える。しかし、多くの製品があるとそれぞれの製品を管理する必要があるのだ。製造業にとって「過剰在庫」は絶対に避けたいものだが、「在庫切れ」も同じく避けたいものである。そのため、生産管理をおこなうグループは注意深く生産量を調整しているのだ。しかし、製品数が多くなると製造するための部品・部材の調達数量の調整は困難になる。そして、販売チャネルが増えると流通段階での販売数量と在庫数量の情報量も膨大になってしまう。POS情報などコンピュータ管理できているのは大手のチェーンだけなので地道な情報集計が必要になっているのだ。

• それらの情報集計のちょっとした誤りやタイムラグによって製品在庫は大きく変動する。独占販売できているような製品でない限りは競合メーカがあるわけで、オリンパスが抱えた製品在庫は非常に重いものなのだ。それを減らすためには値段を下げてでも販売するか、「償却」するしかない。しかし、それには時間がかかるのだ。そして、メーカはこれ以上在庫が増えないようにしなければならない。生産をストップすれば在庫は増えないのだが、そういうことではない。企業体質として在庫を増やさない仕組み作りが必要なのだ。ちなみに、オリンパスはデジタルカメラの在庫が増やしてしまったが、これはコンパクトカメラも合わせてのことである。本当はデジタル一眼レフだけで議論してはいけないのだが、大筋では変わらないだろうということでこのまま進めたいと思う。

• さて、アップルがIBMやSun Microsystemsなどに買収されるかもしれないという悲惨な状況の中で、Dr. ギルバート・アメリオ率いるアップルは製品ラインアップの集約を始めた。CPUが第三世代のPowerPC G3 (PowerPC 750)に移行するのに合わせてタワー型はPower Macintosh G3 Minitowerに一本化し、デスクトップ型はPower Macintosh G3 Desktopに、モニター一体型はPower Macintosh G3 All-in-oneに、ノートブックはPowerBook G3に一本化したのだ。つまり、一気に12種類から４種類に集約したのである。こうすることで製品を生産しても以前より製品在庫が増えにくくなったのである。そして、この動きはその後スティーブ・ジョブスに引き継がれていくことになる。

  	ミニタワー型	デスクトップ型	モニター一体型	ノートブック型
  エントリー	ー	ー	Power Macintosh G3 All-in-one	ー
  ミドルエンド/ハイエンド	Power Macintosh G3 Minitower	Power Macintosh G3 Desktop	ー	PowerBook G3

• 余談だが、スティーブ・ジョブスのうまいところはこれらを非常にうまくプレゼンテーションできることだ。彼は後にプロシューマという造語によってこれらをわかりやすく説明した。プロシューマというのはプロフェッショナルとコンシューマを組み合わせた造語なのだが、ハイエンド・クラスとミドルエンド・クラスのユーザを合わせたものを意味している。後にスティーブ・ジョブスがMac World Expoで紹介したラインアップは以下のようなものだ。しかし、これは彼の功績ではなく、Dr. ギルバート・アメリオの始めた製品ラインアップの集約化を完成させたに過ぎないのだ。

  	デスクトップ型	ノートブック型
  エントリー	iMac	iBook
  プロシューマ	Power Mac G4	PowerBook G4

• さて、これを見て何か気づかないだろうか。オリンパスのデジタル一眼レフを同じような表にまとめてみると良くわかるだろう。

  E-SYSTEM (フォーサーズ) PEN Digital (マイクロフォーサーズ) エントリー E-420 E-520 E-620 E-P1 ミドルエンド E-30 E-P2 ハイエンド E-3 ー

  ー＞

  E-SYSTEM (フォーサーズ) PEN Digital (マイクロフォーサーズ) エントリー ー E-PL1 ミドルエンド/ハイエンド E-5 E-P2

• そう、オリンパスは製品ラインアップの集約を行っているのだ。そして、それはまだ完成形には至っていない。しかし、完成形を今の段階であれこれ考えても仕方がないのだ。アップルも結果として今のラインアップにたどり着いたに過ぎない。当然ながら、それ以前に他社に買収されていた可能性もかなり高かったのだ。オリンパスも同じである。現在の苦境を乗り切ることができなければ将来像など夢と消えてしまうのだ。

• これらの表を見て気づいた方もいると思うが、クラス分けは3つではなく2つになっている。つまり、エントリー・クラスとそれ以外に分けられているのである。ネットでオリンパス・ユーザがE-620の後継モデルが欲しいと書いているが、マイクロフォーサーズも加えたクラス分けではそれはミドルエンド・クラスになる。アップルの前例にもあるとおり、オリンパスもその部分にまでは現状では手を出す余力はないということなのだ。

• さて、ご存知のとおり、アップルの製品ラインアップの変遷はこれで終わりではない。その後、アップルは復活し、再びラインアップは拡大する。小型デスクトップ型モデルはPower Mac G4 Cubeを経てMac miniが加わり、ノートブック型はiBookからMacBookに代わり、MacBook Proや超薄型のMacBook Airが加わることになる。製品を集約し、企業体力を回復した後は再び拡大路線を歩むことが可能になるのである。ちなみに2010年11月現在のアップルの製品ラインアップはこうなっている。

  	モニター一体型	デスクトップ型	ノートブック型
  エントリー	iMac 21.5インチ	Mac mini	MacBook
  プロシューマ	iMac 27インチ	Mac Pro	MacBook Air 11インチ MacBook Air 13インチ MacBook Pro 13インチ MacBook Pro 15インチ MacBook Pro 17インチ

• さて、オリンパスイメージングがどうなるかは何とも言えないが、少なくとも現状を何とかしようとしているのは確かである。ユーザとして暖かく見守っていきたい。引き続き、アップルの復活については書き続けていこうと思うが、その前に先日からアップしている「オリンパス・ユーザへ」の続きを公開しよう。

• さて、話は変わるが、誰がアンチなのだろう。顔の見えない、声のニュアンスもわからない、文字だけの掲示板への書き込みでファンかアンチかを判別するのは難しい。しかし、ちょっと考えればわかるのだ。そのコメントによって何が起こるかで判断すれば良いのである。

• 「このままではフォーサーズに未来はない。真剣に他のカメラに乗り換えを考えている」、というコメントは一見するとファンが不安に駆られて悩んでいるように思える。しかし、このコメントを読んだ人はどう思うだろうか。「やばいな。私も乗り換えを考えないといけない」と思うのではないだろうか。つまり、ネガティブな結果を引き起こすこのコメントはファンが書き込んでいたとしても「アンチのコメント」なのだ。

• もう1つ簡単な例をあげよう。「私はオリンパスに愛想を尽かし、フォーサーズ機材を一式売り払い、XXX社のカメラに乗り換えました」、というコメントは一見するとファンの抗議声明のように読める。しかし、このコメントを読んだ人はどう思うだろうか。「また1人フォーサーズのユーザが消えてしまった。そんなシステムには将来性がない」と思うのではないだろうか。そして、わざわざ「乗り換え宣言」をすることはメーカに対する絶縁宣言なのだが、同じ人が絶縁宣言をした後もネガティブなコメントを繰り返し書き込んでいるのである。百歩譲って絶縁宣言を認めるとしてもファン・ブログであれば、このようなアンチに立場を変えた元ユーザに引き続き書き込みをさせてはいけないだろう。またユーザに戻ってくるかもしれないではないか、というのは管理者の詭弁に過ぎない。

• こう書くと「オリンパス万歳」と書かないと「アンチのコメント」になってしまいそうであるが、そんなことはない。ただ、誰が読むかわからないのでネガティブなコメントは注意して書き込まなければならないことを肝に銘じて欲しいのだ。

アップルの復活とオリンパスイメージングの苦境　(その1)　イントロダクション

• 今でこそマイクロソフトを抜いてアメリカのトップIT企業になったアップルだが、かつて経営難で他社に買収される寸前だった時があった。通説ではアップルの創業者の1人であり、アップルを追われていたスティーブ・ジョブスがCEOに復帰してiMacを大ヒットさせたことによって一気に復活したことになっている。私はその当時からアップルのMacintoshのユーザだったこともあり、同じ時代を体験していたので良くわかるのだが、この「通説」は作られたものだと思うのだ。では、実際のところはどうだったのか。

• Dr. ギルバート・アメリオという元アップルコンピュータのCEOが書いた「アップル薄氷の500日」という本がある。当時、この本を読んで「なるほど！そうだったのか！」と腑に落ちたのだが、当時のアップルコンピュータを復活させたのはDr. ギルバート・アメリオだったのだ。アメリオ氏はCEOとして大赤字だったナショナルセミコンダクターを短期間で黒字化させた功労者であり、その実績を買われてアップルのCEOに着任している。もちろん、自らが書いている書物なので手前味噌的な部分や自己を美化しているところもあるのだろうが、私にはフェアな客観的な記述も多く信頼できる内容に思える。気になる方はアマゾンなどで探すと見つけられるので読んでみてはいかがだろう。他者の成功体験に学ぶのが成功するための最短コースであり、オリンパスイメージングの現状の行動の理解につながると思えるからである。

• さて、最初になぜアップル(当時はアップルコンピュータ)が経営難に陥ったのかを最初に書いておこう。私の主観であるが、以下のようなことが原因だったと思われる。
  • 製品のモデルチェンジに失敗し、大量の在庫を抱えてしまった。(自社在庫だけでなく流通在庫も膨大な量だった)
  • 次期製品(Mac OS 8)の開発に失敗し、開発の目処がたたなくなった。(ここでいうMac OS 8は当時開発コードでCoplandと呼ばれていたもの)
  • 品質問題が発生しリコールするなど製品の品質が落ちてしまっていた。
  • 会社内部では方針が定まらず幹部達が好き放題な対応を行っていた。
  • 結果として利益が減少しキャッシュが足りなくなってしまった。

• これらの原因はいくつかあるが、最大の理由はマイクロソフトのWindows 95の登場に危機感を感じたアップルが利益重視からシェア拡大に方向転換したことである。シェア拡大のためには製品の価格を下げなければならない。さらに、製品ラインアップを増やして多様なユーザニーズに対応する必要がある。そして、販路を増やすことも必要だったのだ。

• 結果としてどうなったかというと、Macintoshの価格は下がり、販売台数は大きく増えたのだ。しかし、製品ラインアップは多岐にわたり、販売チャネルは増え、アップルはそれをコントロールできなくなってしまったのだ。加えて、Win-tel (Windows-Intel連合)に対抗するために3ヶ月単位でモデルチェンジを繰り返していた。当時はCPUの動作周波数は日々上がっており、メモリ単価も同じく日々下がっていた。半年に1度CPUのクロックアップでモデルチェンジし、3ヶ月に一度メモり増量などのマイナーチェンジをするのが当り前だったのだ。

• そこでアップルは大失態を犯した。決算前になると増えた販売チャネルに製品を押し込み、流通在庫を膨らませることを繰り返していたらしい。次の製品がヒットすれば相乗効果もあって在庫ははけるのだが、その新製品がヒットしなかったのだ。当時からのMacintoshユーザなら知っていることだが、当時のMacintoshのCPUはIntel製ではなく、MotorolaとIBMが開発したPowerPCだった。そして、そのCPUの開発は決して順調ではなかったのだ。それだけが原因ではないのだが、アップルの新製品は大コケしてしまった。私もこの頃のアップルはお世辞にも好調だったとは言えないし、当時はPowerPCやMac OSの開発についていろいろな記事が踊っていたように思う。

• さて、わざと共通点を強調して書いたので、アップルとオリンパスの共通点に気づいた方もいるのではないだろうか。
  • 2010年9月末のデジタルカメラの在庫見込が270億円分(2.7ヶ月分)もあった。
  • フォーサーズのカメラボディが1年半もの間リリースされなかった。
  • ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDでリコールを行った。
  • フォーサーズの今後について幹部達が好き放題な発言を行っている。
  • 結果として赤字に転落してしまった。

• そして、これらの原因はいくつかあるのだろうが、アップルと同様にオリンパスがシェア拡大に戦略転換したこともその1つなのだ。かつてのE-SYSTEMのカメラボディはE-1とE-300だけだったが、結果としてE-3、E-30、E-620、E-520、E-420、E-P1、E-P2と7台体制になってしまっていた。オリンパスがシェア拡大を目指したのには理由があるのだが、それは後々書いていこうと思う。

• さて、これらの共通点の中には既に過去の情報になったものもある。例えば、長らく登場しなかったフォーサーズのカメラボディはE-5が9月14日に発表され、10月29日に発売された。しかし、2011年3月期は赤字という見込は変わらないし、2.7ヶ月分ものデジカメ在庫は簡単には減らないのである。このような状況においてオリンパスはいろいろなリストラクチャリングを進めているようだ。それについてネットで騒いでいる輩がいるのだが、アップルの例を見れば驚くには値しないリーズナブルなものばかりなのだ。

• 続きは次回としたいが、前回から公開を始めた「オリンパス・ユーザへ」の(その2)と(その3)を続けてアップしたい。繰り返しになるが、これらの記事はE-5の発表前に書いたものである。時間差によって違和感があるかもしれないがご容赦いただきたい。

• 「ユーザなのだからメーカに文句を言っても良いか」、今の時代にはこの質問に答えるのは難しい。ネット社会になり、誰でもブログで情報発信できるからだ。つまり、今までならメーカに文句を言うにはユーザサポートへ電話するなどしか方法がなかった。しかし、今ではブログで匿名でメーカに文句が書けるのだ。

• しかし、ブログはメーカだけが見れるものではなく、多くの人が見ることができるものだ。そして、その中にはそのメーカの製品の古くからのユーザもいれば、これからユーザになろうとしている人もいるかもしれない。つまり、ブログを読む人のレベルはさまざまなのだ。ブログにメーカへの文句を書くということはメーカだけに伝えることにはならない。そういうことを考えると先ほどの質問への答えは「ユーザはメーカに文句を言っても良いが、言い方には注意しなければならない」ということになる。

• これは「自分のブログなのだから自由に好きなことを書いて良いのか」、という質問につながる。この答えは「自由とは何か」の意味がわかれば本来とても簡単である。「自由」とは自分の好き勝手に行動して良いということではない。「自由」とは自分の行動の結果に責任を持つ限りにおいて自分の思うままに行動して良い、ということなのだ。この「責任」を知らないものは「ガキ」である。「そんなのボクのジユウだ」、これは子供の台詞である。

• オリンパス・ユーザがフォーサーズやオリンパスに対してネガティブなコメントを書き続けたらどうなるだろうか。それはフォーサーズ・コミュニティにとって大きなダメージになるのである。その書き込みを読んでユーザが離れていったり、これからフォーサーズ・ユーザの仲間入りをしようと思っていたのにやめてしまったりするのである。「ガキ」ではない大人はその言葉に責任を持たなければならない。「風評被害」、この言葉の意味がわかるだろうか。

• オリンパス・ユーザはブログや掲示板でフォーサーズやオリンパスに不平・不満を書き続ければオリンパスの経営陣に届くと思っているようだ。しかし、それは幻想でしかない。

• 理由は簡単である。経営者がユーザの声に耳を傾けることはないからだ。これは決して経営者がユーザを軽視しているということではない。経営者は経営判断を行うのが役割であり、その判断基準は経営状況、つまり、企業の売上や利益だからである。いくら熱心なユーザがいるからといって赤字事業を存続させる判断をすることはない。もちろん、短期的に赤字だからといってすぐに事業をやめるということではない。あくまでも長期的な視野で総合的に判断されるものである。現状では経営者がフォーサーズをやめる決断をするとは思えない。安心して欲しい。

• さて、もちろん、オリンパスがユーザのブログを見ていないはずはない。恐らくマーケティング担当者は注視しているだろう。どこの企業でもそうだが、ユーザの意見というのは貴重な情報だからだ。ユーザが製品のどの点に満足しているか、どの点に不満なのか、これらの情報が次の製品開発にフィードバックできるからである。

• しかし、「ユーザがオリンパスがフォーサーズの新製品をリリースしないことに大きな不満を抱いている」というような情報はせいぜいマーケティング部長ぐらいまでしか上がらない。そのレベルで対処すべき問題だからである。事実、「フォーサーズをやめません」というマネージャ・クラスのコメントは何度も出ているが、それ以上のコメントはないのである。

• そんなはずはない、と思うかもしれないが、それが現実である。ネガティブな話題がネットコミュニティで語られていることがわかった時にはメーカの現場では騒ぎになる。しかし、それが経営者に上がることはないのである。なぜか。仮にそのような情報が経営者に上がったとしよう。経営者は「それはいけない。至急対策を講じてくれ」と言う代わりに「そのビジネスは儲かっているのか」と考えるからだ。そして、ユーザに満足してもらうためのコストとビジネスの儲けを天秤にかけて判断しようとする。ネガティブな話題の場合にはコストが儲けを上回ることが多く、下手をすれば事業終了の可能性もある。現場の担当者は当然事業を続けたいと思っているので、事を荒立てる事なく現場で対処しようと考えるのだ。

• 余談だが、現場の担当者が経営者にまで何としてでも情報をあげようとする場合がある。それはポジティブな話題だった場合だ。「マイクロフォーサーズに注力して、フォーサーズの新製品を出せないでいますが、ユーザはE-3後継機に興味津々で発売されたら購入すると答えているブログの管理人は80%を超えています。とても期待されており、前評判は上々です。(早く発売させてください)」、こういう報告ならする方もされる方もハッピーなのだ。

• さて、話を戻そう。私にはその「このままだったらフォーサーズはじり貧で消滅してしまう」という主旨の主張を繰り返すブログを読んでいるオリンパスの担当者の悲鳴が聞こえるようだ。
  • 「そんなことは言われなくてもわかっています。でも赤字に転落したカメラ事業の存続が第一優先なのです。そのために今はマイクロフォーサーズで儲けるしかないのです。わかってください」
  • 「今はフォーサーズをやりたくったって上の許可が下りないのです」
  • 「残業をつけないから開発させて欲しい、と言ってもマネージャが、そんなことをされたら俺が人事から怒られるから止めてくれ、と許可してくれないのです」
  • 「もうちょっとです。カメラ事業の業績が上向けばフォーサーズの製品を出せますから。辛抱してください。お願いします」

• 大人だったらこういう事情は察することができると思うのだが、多くのオリンパス・ユーザはそうではないようだ。

フォーサーズのこれから (フォトパス感謝祭(Photo Festa)レポート)

• さて、プレゼンテーションの最後でフォーサーズの「今後のラインアップについて」説明があった。直接聞いた私なりの感想も含めて書いてみたい。オリンパスのプレゼンテーションの1ページをそのまま貼り付ければ簡単なのだが、著作権の問題もあるので文字で書いてみよう。うまく伝わるだろうか。わかりにくい場合には読みながら紙に図を書いてみて欲しい。

• オリンパスは「プロ/ハイアマ層」と「エントリー層」の2つに分けて説明した。左側に現状のフォーサーズの「プロ/ハイアマ層」の箱と「エントリー層」の箱が上下に並んでいる。そして、右側には今後のフォーサーズの「プロ/ハイアマ層」の箱と「エントリー層」の箱が上下に並んでいる。左上の「プロ/ハイアマ層」にはカメラボディではE-3とE-30が、レンズではSUPER HIGH GRADEとHIGH GRADEの各レンズが入っており、左下の「エントリー層」にはカメラボディではE-620が、レンズではSTANDARDレンズが入っている。右上の「プロ/ハイアマ層」にはE-5が、右下の「エントリー層」にはPENが入っている。

• 左上の「プロ/ハイアマ層」からは2本の矢印が伸び、１本は横に伸びて同じく右上の「プロ/ハイアマ層」のE-5につながっている。その矢印には「メイン機材として」と書かれている。もう1本は斜め右下に伸びてマウントアダプタMMF-2を介して右下の「エントリー層」のPENにつながっている。その矢印には「パーソナルユース機として」と書かれている。

• 左下の「エントリー層」からも2本の矢印が伸び、１本は右上に伸びて「プロ/ハイアマ層」のE-5につながっている。その矢印には「ステップアップ機として」と書かれている。もう1本は横に伸びてマウントアダプタMMF-2を介して同じく右下の「エントリー層」のPENにつながっている。その矢印には「アダプタを介して」と書かれている。どのような図かイメージできただろうか。

• 渡辺氏の説明によれば、オリンパスとしても「プロ/ハイアマ層」の要望にPENで応えるのは無理だと考えているようだ。そのため、E-5を用意しており、その方向性は変わらないようだ。つまり、「プロ/ハイアマ層」用のPENは無いと私は解釈した。まあ、当然だろう。コントラストAFであるイメージャーAFではいかにも力不足だからだ。ネット上で勝手に噂されているマイクロフォーサーズのフラッグシップ機は現時点ではかなりのブレイクスルーが無ければ作れないだろう。単に防塵防滴仕様にすれば良いというものではないからだ。

• そうすると、PENのための明るいレンズや防塵防滴レンズも望み薄であると解釈せざるを得ない。オリンパスはあくまでもマイクロフォーサーズをエントリー機として位置づけており、そこにHIGH GRADEレンズなどを投入するつもりはないようだ。まあ、懸命な判断だろう。確かにパナソニックとは異なり、オリンパスのマイクロフォーサーズレンズは全てSTANDARDクラスのレンズである。STANDARDクラスと書いたのはオリンパスはマイクロフォーサーズレンズをグレード分けしていないからだ。もちろん、M. ZUIKO DIGITALレンズやオリンパスのSTANDARDレンズは悪いレンズではない。他社のレンズに比べて遜色ないどころか上回るほどの良いレンズなのだ。ただ、オリンパスのフォーサーズレンズにはそれ以上のHIGH GRADE、SUPER HIGH GRADEレンズがあるということなのだ。

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• ただ、このオリンパスの説明にはいくつかの疑問がわいてしまう。まず、PENのエントリー層と、フォーサーズのエントリー層は同列ではないのではないか、ということ。そして、フォーサーズのエントリー層からプロ/ハイアマ層へのステップアップはちょっとハードルが高いということ。そして、PENからフォーサーズへの矢印が存在していないこと、である。

• 多くのオリンパス・ユーザ、フォーサーズ・ユーザが同じようなことをネット上に書いている。しかし、そんな「理屈」をこねて何になるのか。全く、オリンパス・ユーザはわかっていない。本当に「ガキ」である。あえて「ガキ」と書いたのには理由がある。若者の大人げない行為なら「お子ちゃま」とでも書くのだが、良い年をした30代、40代のオヤジに対しては柔らかい言葉を選ぶ必要を感じないのだ。某ブログの管理人をはじめとした幼い思考しかできないオヤジ達には「ガキ」という言葉しか思い浮かばない。モンスター・ユーザという言葉も考えたが侮蔑の意味も込めて「ガキ」と書くことにしよう。

• さて、どうして理屈をこねることに意味がないのか。それは今のオリンパスの現状が生きるか死ぬかの瀬戸際状態だからだ。独立採算のオリンパスイメージングにとって、赤字転落した状況ではなりふりを構っていられないのである。リーマンショック、ギリシャショックを受けて明るい兆しが見えない現状では生き残りをかけてリストラクチャリングを行うのは当然である。会社が無くなってしまえば新製品のリリースどころではないのである。そして、これはオリンパスイメージングに限ったことではなく、日本の製造業全てに共通する非常事態なのである。現在の日本の製造業に勤める会社員ならば肌身にしみてこのあたりのことはわかるはずなのだが、ネット上の書き込みを見ているとそうではないようだ。ネットへの書き込みは長時間に渡っているようで、会社員ではないのかもしれないが、こういう「ガキ」の考えは私には理解できない。

• 私はかつてアップルが経営難に陥った時のことを思い出してしまった。今でこそアメリカ最大のIT企業になったアップルだが、かつて経営難で他社から買収される寸前まで追い込まれた時があったのだ。これからしばらくアップルの復活劇を書いてみようと思うが、同時に「オリンパス・ユーザへ」という記事も書いていきたい。オリンパス・ユーザにもまともな人は少なからずいるはずなので、少しでもネガティブな風潮を緩和したいと思うからである。

• 実はその記事は某オリンパスのファン・ブログがネガティブなアンチに成り下がった際に書いていたものだ。お蔵入りにするはずだったのだが、あまりにも無様なオリンパス・ユーザのコメントがネットに上がっているため公開しようと思う。E-5に対する肯定的な意見が増えているが、相変わらずネガティブな意見も多い。これは非常にマズい状況だからだ。若干手直しをしようと思ったが、時間的な余裕も無いのでほぼそのまま載せることにした。2ヶ月ほどの時差によって若干の違和感があるかもしれないがご容赦いただきたい。

• 今回は趣向を変えてオリンパス・ユーザへのメッセージを書いてみよう。某メジャーなオリンパス・ファン・ブログのあまりに無様な醜態に書いておきたいと思ったからだ。あれだけ凄惨なネガティブキャンペーンを行っておきながら、E-5を予約した、とは呆れてしまう。そして、これはそのブログに限ったことではない。デジタル一眼レフが成熟商品になるにつれてネットで暴れる輩が増えているのだ。彼らはまさしくモンスターである。そろそろ企業側も防衛に動き出した方が良いのではないだろうか。

• 実はオリンパス・ユーザ達へ書きたいことはとても簡単なことだ。「オトナになれ」ということである。ただ、「ガキ」にこのことを説明するのは至難の業だ。そのため、少しずつ書いてみようと思う。

• 他のカメラメーカのファンと比べてみると違いは際立つのだが、特にペンタックスと比べてみると良いだろう。ペンタックス・ユーザは総じてポジティブである。それに対して、オリンパス・ユーザは総じてネガティブである。もちろん、全てがそうというわけではないのだが。

• ネットで簡単に情報発信ができる現在ではこの違いが大きい差になって現れる。ペンタックス・ユーザのポジティブさによってペンタックスのカメラやレンズはそこそこ売れるのだ。それに対して、ネガティブなオリンパス・ユーザのネガティブなブログや掲示板のコメントによってオリンパスのカメラやレンズの売れ行きは足を引っ張られてしまう。また、ペンタックスはユーザに応援されて新しいチャレンジを行い、何年もかけて645Dなどを製品化しているが、オリンパスはユーザに悪し様に言われて息絶え絶えである。

• メーカを生かすも殺すもユーザ次第なのだ。今では「口コミ」はネット上で猛烈なスピードで広がる。そして、それが製品の売れ行きに大きく影響するのである。

• この2つのカメラメーカのユーザの違いはどうして生まれたのだろうか。大胆に言い切ってしまえば「歴史」であろう。ニコンと同じく、ペンタックスはKマウントを守りとおしてきている。そのため、レンズは資産として生きながらえているのである。これに対し、オリンパスはキヤノンと同じく、マウントをたびたび変更している。

• このような歴史からニコンやペンタックスには昔からのユーザが多く、キヤノンやオリンパスは若いユーザが多いように思う。特にオリンパスはかつて完全に一眼レフカメラから撤退したメーカなのだ。その際にOMシステムを売り払って他社のカメラに乗り換えたユーザも多いのだろう。ただ、オリンパスはフォーサーズ規格のE-SYSTEMによってもう一度一眼レフカメラ市場に戻ってきた。そのE-SYSTEMはOMシステムと互換性はない。つまり、そこから新しくユーザの獲得を始めたのである。そういう歴史により、他社に比べて実年齢としても若いユーザが多いのだ。

• ただ、私が「ガキ」と書いたのは実年齢を想定してものではない。精神年齢を言っているのである。多くのブログの管理人は中年のオヤジだったりする。どこまで通じるかはわからないが、これからしばらくそういう話を書いてみたいと思う。