2010/07/19
全くブロガーというのはどうしてこんなに愚かなのか……(オリンパスのフォーサーズ撤退などあり得ない)
- またネットで「オリンパスはE-3後継機を9月に発表するが、それが最後のフォーサーズ機になり、新しいレンズも発売されない」という「オリンパス・フォーサーズ撤退論」がまことしやかに書き込まれている。それが、アンチフォーサーズのサイトであれば理解もできるが、著名なフォーサーズのファンブログで書かれているのだから呆れてしまう。こういうブログの管理者は本当にフォーサーズのファンなのだろうか?
- 考えてみれば簡単なことだ。実は「オリンパスがフォーサーズから撤退する」と騒いでるのは「噂系ブログ」なのだ。そして、噂系ブログにとってはネタが全てなのだがオリンパスは新型機の情報を出してこない。すると、噂系ブログの管理者は困ってしまう。そして、ネタを得るためにオリンパスを「挑発」することを始めるのだ。挑発するにはネガティブなことを書くに限る。そうすれば反論が期待できるからだ。オリンパスが挑発に乗ってくればしめたもの。新たなネタがゲットできるのだ。残念ながら、オリンパスにスルーされても噂系ブログの掲示板はオリンパスユーザの「悲鳴」で賑わうのだから問題はないのである。
- これは三流マスコミの手口と同じである。このような輩がネットの世界では大きな顔をしてのさばっている。ネタ元の噂系ブログだけが悪いのではなく、そのネタを拾ってきて広めるブログも同罪なのだ。ネタがなければサイトを更新しなければ良いのに「私のサイトは皆から求められているのだ」と使命感にかられて更新しているのでたちが悪い。これは「病気」である。まあ、人間誰しもそのような傾向を持っているのだが、ネットの世界では顔が見えないため、こういう傾向の強い人を無責任に利用しようとする輩がでてくる。つまり、アンチが紛れ込んでうまくネガティブな方向に煽るのである。もちろん、もてはやされてその気になるブロガーに多くの責任があるは書くまでもない。
- ブログを持つということはプロの物書きになることではなく、単なる素人の暇つぶしなのだということを思い出した方が良い。ブログの更新以外にもすることはあるはずだ。ネタのない時は他のことをすれば良いのである。
- 自分の愛用している製品のメーカを必要以上にこき下ろすことには何のメリットもない。そのメーカの製品が売れなくなれば、結局はそのメーカの経営が行き詰まり、製品が提供されなくなるからだ。少なくとも、その製品をもっと使いたいと思っているならばメーカを応援しなければならない。もちろん、メーカのいいなりになるべきだと書いているわけではない。改善を期待するための適度の文句なら当然言って良いのである。それはユーザの権利である。しかし、「それを言っちゃお仕舞い」なことを言ってはならない。物事には限度があるのだ。
- さて、ここで結論を書いておこう。オリンパスがE-3後継機をリリースするのであれば、フォーサーズから撤退することなどあり得ない。理由は簡単である。ユーザの立場で考えてほしい。互換性のない製品の場合、「これが最後」と言われて買うだろうか。普通はコレクターか熱心なマニア以外には買わないだろう。将来性のない製品はユーザに買ってもらえないのである。メーカの営業は商品を売りたいのならそんな馬鹿なことを言うわけがない。メーカである以上、長い時間と膨大な開発費をかけて開発した商品は売れてほしいはずである。わざわざぶち壊すわけがない。
- ちなみに、「これが最後です」と購買意欲をあおるのはヒット商品で行う手口である。つまり、売れ行きにかげりが見えてきた商品の販売をてこ入れする方法なのだ。残念ながら、オリンパスのフォーサーズカメラはヒット商品ではない。そして、この手法の場合には得てして「復活」して「今度こそ最後です」とずるずる続くのである。(笑)
- 最後に生産終了とはどういうことかを書いておこう。オリンパスはかつてOMシステムの生産終了を経験をしたのだが、大変なことだ。製品を生産するためには生産設備が必要なのだが、ただ置いておけば良いというわけではない。維持していかなくてはならないのだ。生産設備に油を注すというような簡単なことではなく、金型や材料、部品、職人、など多くのものを維持・管理しておかなければならないのだ。そして、多くのメーカで維持するコストが販売による利益を上回り続けると経営者は生産終了を考え始める。しかし、開発に関わった設計者などは製品に思い入れがあるのでそれに最後まで抵抗するのだ。しかし、生産設備は時間とともに老朽化してしまう。特に生産ラインは生産を続けることで維持できるもので生産が滞るようになると急速に傷みが進むのだ。OMシステムの場合には生産設備維持の赤字には耐え続けたものの老朽化した設備を新しくすることは当然できなかったため生産終了になったのである。PENやOMシステムの開発者である米谷さんはこのような話を残念そうにお話しになり、「OMシステムの限定復刻生産」を求めるユーザにやんわりと「そんな無茶なことを言わないで」とたしなめたのである。
- そういうデリケートな話題を簡単に書いてしまうブロガーとは何なのだろう。非常に悲しく、残念でならない。