1999/01/16
Power Macintosh G3 (Blue & White) "Yosemite" 検証(その2)「外部ポートの変更」
- 続けて「Yosemite」を検証しましょう。
- 次に、外部ポートが大幅に変更されたことについて検証します。
- ポートは周辺機器との接続口です。
- これが変更されるとどうなるでしょう?
- すでに iMac では廃止されています。
- しかし、プロ・プロシューマー向けの製品からも廃止されてしまうとは……
- 今まで Macintosh では外部 SCSI ポートが標準搭載されてきました。
- すでに SCSI ポートが廃止されているので、これが残った最後の SCSI ポートでした。
- これが廃止されてしまいました。
- 正確には FireWire(IEEE1394)ポートに変更されました。
- 今までの資産が使えなくなりました。互換性がなくなったのです。
- しかし、冷静に考えてみましょう。
- Macintosh の外部 SCSI は一番旧式の SCSI-1(5MB/s)でした。
- それが最新の FireWire(50MB/s)に変わったのです 。
- Ultra-2 Wide SCSI は80MB/sですが、それはおいておきましょう。
- FireWire はシリアルで50MB/sですからスゴイのです。
- Ultra-2 Wide SCSI はパラレル、しかもワイド幅ですから速くて当然です。
- 高価ですしね。(カードもケーブルも)
- また、FireWire には800Mbps規格もあるようです。それなら100MB/sです。
- FireWire(IEEE1394)は高速なだけではありません。
- 電源を入れたまま抜き差しできるのです。
- また、Macintosh では当たり前ですが、Plug & Play です。
- SCSI は7台(Wide SCSI は15台)ですが、63台までの機器を接続できます。
- まあ、7台でも多いぐらいですけれど。
- ただ、FireWire はターミネータ(終端抵抗)を必要としません。
- そのうち SCSI-FireWire 変換ケーブル(ユニット?)がでるでしょう。
- そうすれば SCSI の周辺機器も接続可能になるはずです。
- 安い値段ででれば良いのですが……
- もう売られているかもしれません。
- また、今後は FireWire 用の周辺機器がでてくるのも楽しみです。
- 今までの SCSI 用の周辺機器は当然でてくるはずです。
- デジタルビデオカメラの DV端子 は FireWire です。
- 加えて新しい機器がでてくることが楽しみなのです。
- さらに、シリアルポートも廃止されてしまいました。
- プリンタポートとモデムポート(GeoPort)のことです。
- 正確には USB(Universal Serial Bus)ポートに変更されました。
- また、かろうじてADB ポートは生き残りました。
- キーボードやマウス、ジョイスティック、タブレットなどの接続用です。
- ただ、USB ポートに移行するのは時間の問題でしょう。
- アップルは USB マウスや USB キーボードに自信がなっかたのでしょうか?
- 標準で付属しているのですから ADB マウスやキーボードは不要のはずです。
- ADB ポートに接続するソフトコピープロテクト機器のために残したのかな?
- ここでも今までの資産が使えなくなりました。互換性がなくなりました。
- パラレルプリンタポートを USB ポートに接続するケーブルは売られています。
- シリアルポートを USB ポートに変換するケーブルはあるのかな?
- しかし、プリンタポートで実現されていた Local Talk はどうなるのでしょう?
- 非常に安価に実現できる Macintosh 専用のネットワークです。
- 最近は Ethernet か Ether Talk に切り替わりつつあります。
- Local Talk と Ether Talk を接続するためのブリッジユニットもあります。
- また、モデムや TA(ISDN 用のターミナルアダプタ)はどうなるのでしょう?
- USB に変換できるのかな?
- それとも USB 用に買い換えるしかないのでしょうか?
- USB 用の TA はもう売られています。
- そこまで変換はできないと思いますがどうでしょう?
- アップルはなぜ互換性を捨ててまで USB ポートに切り替えたのでしょうか?
- やはり、USB は高速なのです。
- システムバスや CPU が高速化する中、シリアルバスの速度はネックでした。
- いわゆるボトルネックになっていたのです。
- 拡張バスが NuBus から PCI Bus に代わったようにシリアルバスも代わるのです。
- NuBus は10MHzです。
- PCI Bus は33MHzです。
- USB は 従来のシリアルバスに対して大幅に高速化します。
- ADB ポートの転送速度は10kbpsです。
- シリアルポートの転送速度は230Kbpsです。
- GeoPort の転送速度は2Mbpsです。
- USB ポートの転送速度は最大12Mbpsです。(低速モードは1.5Mbps)
- ただ、SCSI-1(5MB/s=40Mbps)にもかないません。
- また、電源を入れたまま抜き差しできるのです。
- ホットスワップといいます。
- また、Macintosh では当たり前ですが、Plug & Play です。
- さらに、SCSI のようにデイジーチェーンで増設可能です。
- デイジーチェーンとは数珠つなぎのことです。
- それも多くの台数をつなげます。(最大127台)
- 今まではシリアルポート切替器などを使っていましたよね。
- SCSI と違ってシリアルポート用の機器はたくさんありました。
- プリンタ、モデム、ジョイスティック、デジタルカメラ転送ケーブル、…
- USB の場合はたくさんつなげることは意味があります。
- その他のポートはどうでしょう?
- モニタ用ポートは変更されていません。
- Ethernet 用ポートは10Base-Tから100Base-Tに強化されました。
- ただ、互換性のないことでアップルを攻めるのは筋違いかもしれません。
- アップルはミスをしたのではないのです。
- アップルは意図的に旧式のポートを廃止したのです。
- 日本企業のセンスだと旧式ポートもしばらく併用するのですけれどもね。
- しかし、それでは新ポートの普及が遅れます。
- 事実、FireWire や USB がポストSCSI として発表されたのはかなり前でした。
- 4種類ぐらいの規格が乱立したのも原因ですが、採用実績が少なかったのです。
- おそらくこれらは3年ぐらいほこりをかぶっていたのではないでしょうか?
- もちろん OS 側の対応が進まなかったことも原因でした。
- しかし、MacOS はもちろん、Windows98 でもサポートされました。
- 普及するベースは整ったというわけです。
- 旧式ポートの廃止にはアップルの新ポートを普及させたいという意志が感じられます。
- アップルは Modern I/O と呼んでいるみたいです。
- サードパーティーにもビジネスチャンスが生まれます。
- 今まで辛い思いをさせてきたので罪滅ぼしといったところでしょうか。
- アップルはコンピュータの歴史を作ってきた自覚があるのでしょう。
- 最初に CD-ROM ドライブを大量に採用したのもアップルです。
- 今回もフロッピードライブを廃止し、DVD-ROMドライブを載せてきました。
- そして、新世代シリアルポートへの切り替えです。
- 評価は分かれるでしょうが、それが歴史を作るということです。
- 評論家的に予測することは簡単です。リスクはないですから。
- しかし、自ら歴史を作るということは簡単ではありません。
- だからアップルファンはなくならないのです。
- アップルブランドがトップクラスなのも当然ですね。
- この決断が受け入れられるか否かは2年後ぐらいにはわかるでしょう。
- 少なくとも、私は支持します。アップルの決断が流れを生み出すことを期待します。