Seybold Seminars Tokyo Publishing '98 Report
Page Edit 1998/10/21-22
このページには Seybold Seminars Tokyo '98 についての個人的なレポートを掲載しています。
この情報はあくまでも私個人の感じたレポートです。これが絶対正しいとは限りません。みなさん個人の価値観で判断して下さい。特に極秘情報などは書きません。(知りません。(^^;))公開された情報だけです。
基調講演 スピーカー:アップルジャパンの原田社長
アップルの1998年の業績について
| Q1 97/10-12
| Q2 98/01-03
| Q3 98/04-06
| Q4 98/07-09
| 見方
|
売上高
| 1.58 |
1.40 |
1.40 |
1.56 |
大きい方が良い |
利益高
| 47 |
55 |
101 |
106 |
大きい方が良い |
自己資金
| 1.6 |
1.8 |
2.0 |
2.3 |
大きい方が良い |
在庫金額
| 400 |
250 |
129 |
78 |
小さい方が良い |
在庫日数
| 30 |
22 |
11 |
6 |
小さい方が良い |
出荷台数
| 635 |
654 |
652 |
834 |
大きい方が良い |
- あえて単位を入れていません。傾向を見て欲しいからです。
- 数字が違ったらゴメンナサイ。来月の Macintosh 情報誌に正しく掲載されるでしょう。
- 原田社長のコメント
- 「iMac」は Q4 に発売されている。
- Q2、Q3 は Performa ラインをなくしたための影響がでている。
- 業績は回復した。昨年までとは違う。
この業績結果のポイントは次の通りです(と私は思います)。
- Q4 に「iMac」が発売されたものの売上は Q1 と変わりません。
- 「iMac」はかなり売れていますが、価格が安いことが影響しているのでしょうか?
- ハイエンドモデルの売上が下がっているかもしれないです。
- 「iMac」効果は……
- 利益は着実に回復しています。
- 売上に比例しない利益回復は販売以外の改善が行われていることを意味しています。
- 特に Q3 以降に顕著です。何かリストラしたか?B.T.O.(Build To Order)の成果?
- もう少しアップルの情勢をウォッチしていればスグにピンときたかもしれませんが…
- 何にせよ利益回復はとても良いことです。
- 自己資金が増えているのは良いことです。
- 在庫金額が減っているのも良いことです。
- 在庫日数がデル・コンピュータ社より短いなんて素晴らしい。
- 在庫回転数は1年前の「4」から「61」に劇的に改善されています。
- この短期間の改善は信じられないくらい素晴らしいです。
「シェアにはこだわらない。iMac の出荷台数は公表しない。」と「日経Mac」のインタビューでおっしゃっていた原田社長が「公表」していました。(^^;)
- 8/15の発売から42日間で全世界で27万8000台出荷されたそうです。
- 日本では8/29の発売から28日間で4万台強出荷されたそうです。
- ちなみに、Power Macintosh G3 は1997年11月の発売以来全世界で125万台売れたそうです。
- これは、アップルのスポンサーセッションで聞いた話です。
- このセッションは部屋が真っ暗でメモが取れなかった。(^^;)
「iMac」のユーザー層は次の通りだそうです。(全世界)
- 29.4%……初めてパソコンを購入するユーザー
- 12.5%……Windows ユーザー
- 28.8%……Macintosh ユーザーの買い増し
- 29.3%……Macintosh ユーザーの買い替え
狙い通りに売れていますね。いい加減、メディアも Windows との比較をやめて欲しいなあ。
- つまり、これからパソコンを始めようというユーザーに売れているのです。
- また、想像ですが、Windows ユーザーはパソコン挫折組がほとんどでしょう。
- Windows95 ブームでパソコンは買ったものの埃をかぶらせて放置していた人たちです。
- Windows95 は簡単とはいえ、それなりの知識がないとインターネットには繋げません。
- それに、目的もなくパソコンを買っても……使えないですよ。やっぱり。
- まあ、iMac に限らず、パソコンを使えるようになって欲しいです。
- 本当にパソコンは便利なツールですから。使わないと損です。
Digital Publishing の 4本柱(ここ以降はアップル本社の Mr. Jeff Martin が担当。)
- Quick Time
- Color Sync
- Apple Script
- Web Objects
- この4本柱をデファクト・スタンダードにしたい。クロスプラットフォームにする。
Quick Time はマルチメディア・フォーマットを65種類もサポートしている。
- ファイル変換ツールとしても使える。
- 今後も HTML、Flash Pix などにも対応していく。
Color Sync が大きく進化した。(Color Sync 2.5)
- アメリカでは色にも商標権が認められるようになった。
- 「コカコーラの赤」などが登録できるようになる。
- 「ボンダイブルー」もそうですね。
- それをさまざまなメディアで正しく表示できるようになった。
- 例えば、Web での取引でサンプル画像の色が現物に近く表示可能になる。
- 私もブラウザのデモを見たが効果ははっきりわかる。今までとはひと味違う。
- 完璧とは言えないものの、用途を選べば十分に実用になるらしい。
- アップルのステージで聞いた話ではカラーマッチングエンジンを変更可能。
- 標準添付はライノタイプだが、コダックやアグファのエンジンに変更できる。
- 今のところエンジンを提供できるのはこの3社のみ。
- ちなみに対応アプリケーションとして紹介されたのは次のもの。(アップルのステージで)
- Quark XPress 4.0
- Adobe Photoshop 5.0
- Adobe Illustrator 8.0
- Golive CyberStudio 3.1
- Microsoft Internet Explorer 4.01
- (デモでは Netscape Navigator 4.?? (E) でも動いていました。)
Apple Script は Power PC に最適化され、機能も強化された。
- かなり高速化された。(Mac OS 8.1 に比べて5.5倍)
- フォルダに Apple Script が付加できるようになった。(フォルダアクション)
- フォルダに何か働きかけると Apple Script が動く。
- フォルダを開くと……とか、フォルダにドロップすると……
- SEYBOLD だけに Quark XPress や Photoshop、File Maker Pro などでデモしていた。
- File Maker Pro データを Quark XPress のテンプレートに自動的にレイアウトできる。
- その時に自動的に文字詰めもできる。
- Excel のデータをテキストに落として自動レイアウトしているデモもあった。
- Photoshop の画像ファイルを自動で File Maker Pro に読み込むこともできる。
- HTML に書き出して、そのファイルを Internet Explorer で開くこともできる。
- 中身は以前の Apple Script と同じだが、速度向上と機能アップをてこに再起を狙っている。
- アップルは Apple Script をもっと普及させたいようだ。
- Apple Script を勉強してみようかな。
- OS としてスクリプトをサポートしているのは大きなメリットです。
- 使わないのはもったいないです。
- まあ、アップルの人は「外注しても安いですよ」と言ってましたが…
Web Objects は Web データベースを構築するのに大変有効。
- データベースと連携して Web サーバーが動く。
- アクセスしてくる人のデータを持っていれば個別の対応ができるようだ。
- ただ、Web サーバーは UNIX か Windows NT が主流。
- デファクトにするには何かきっかけが必要だと思います。
- このあたりは私は良くわからないのですが……
ネットワークのパフォーマンスの向上を強調していました。
- Mac OS 8.5 + Apple Share 6.0 は Windows NT 4.0 より高速だそうです。
- ほぼ 100Base-T の性能をフルに使っているそうです。
- 実際にアップルのスポンサーセッションでは実演して見せてくれました。
- 「一つの画面でどうやってお見せするか頭を絞りました。失敗したらご愛敬です。」
- という前ふりの後、Windows NT 4.0 で150MBぐらいのフォルダコピー開始。
- 画面を切り替えて Mac OS 8.5 + Apple Share 6.0 でコピー開始。そして終了。
- 再度画面を切り替えると Windows NT 4.0 ではまだコピー中。
- 拍手喝采でした。(^^;) こういうのも良いですね。
- アップル社員が自信を持ってデモしてくれるのはうれしいことです。
- こじつけの比較ではなく、本当に早いのですから。
- でも、安定性では Windows NT 4.0 の方がまだまだ上です。がんばれアップル!
- Mac OS X なら Windows NT 5.0 より早いそうです。(何でわかるの?(^^;))
あと、ヨーロッパの統一通貨のユーロのマークをキーボードでタイプできるそうです。
- 世界初で OS レベルで対応したと自慢していました。
- Unicode のイメージングモデルを採用したということです。
- Mac OS の世界同時リリースは自慢していませんでした。(^^;)
- 日本はヨーロッパ全てより多くの売上があるそうで、日本市場へのコミットを強調していました。
- あと、Mr. Jeff Martin は結構 Mr.Jobs を笑いのネタにしていました。だいじょうぶかいな。(^^;)
- また、原田社長のスピーチはデータをうまく使った外資系企業ならではの洗練されたものでした。
- アップルもかなり良くなってきました。これで基調講演の段取りさえ良ければ……完璧だったのに。
- まあ、SEYBOLD の事務局の責任かもしれないですからあまり追及しないでおきましょう。
- でも、公の場の段取りは大切ですよ。Dr. Amelio も苦労したみたいですけど…
アップルのステージ Apple Design & Publishing Strategy
アップルの得意分野は?(その分野に占めるシェア)
- デザイン……92%
- プリプレス/印刷……73%
- 音楽……80%
- フィルム/ビデオ……61%
- メディカル……71%
- うーん。Office、 Home がない。Microsoft Office 98 for Macintosh Edition に期待です。
G3 はとても早いことをアピール。(More Speed)
- Power Macintosh G3/333 は 9600/300 の約1.5倍の速度(MacBench)
- Pentium II 400MHz の約2倍の速度(BYTEmarks)言わなくても良いのに……ねえ…
メモリがたくさん積めること(More memory)や PCI 拡張ボックスもアピール。
Power Book G3 は14インチ搭載の他社ノートブックと比べて高くないとアピール。
Mac OS 8.5 のメリットもアピール。アップグレードは必須と強調
- シャーロック
- Apple Script の高速化
- ネットワークパフォーマンスの向上
- Unicode イメージングモデルを採用
- ……
アドビのステージとスポンサーセッション
- Adobe Illustrator 8.0 はユーザーのリクエストに応えて機能強化したそうです。
- 7.0 の失敗が骨身にしみたかな?
- アドビのプロダクトアウト的な機能強化はしていないということですね。
- でも、私のような素人にはとても良いバージョンアップです。
- だって、私はまともにベジェを使えないですから。
- あのハンドルは私の思うとおりに動いてくれなかったのです。
- 8.0 だと鉛筆ツールでチョイチョイ修正できます。
- また、グラデーションも線から面に進化しています。
- グラデーションメッシュと言います。
- かなりいろいろな事ができそうです。
- 3D の表現に便利そうです。
- ブレンドも進化しています。
- ライブブレンドと言います。
- 簡単です。あれなら私にもできます。
- PDF ファイルを開いて編集できます。もちろん書き出しもできます。
- これはすごい。問題はどこまで編集できるかです。
- テキストは編集できていました。
Windows DTP について
- ようやく、現実的な Windows DTP についての提案がされていました。
- Post Script の Type1 フォントではなく、やはり True Type を使うそうです。
- Macintosh とは違って600dpi の解像度制限はないそうです。
- 画面上でも完全に WYSIWYG です。
- 設定さえきちんとすれば Adobe PS Printer 4.2J は True Type を出力できます。
- EPS ではなく、LZW 圧縮の TIFF を使うそうです。
- 確かに元データが Windows なら変換不要の Windows DTP もメリットがあるかも?
[Expo Report]
[Macintosh 雑記帳のトップページ]
このページはリンクフリーです。ただし、商用サイトからのリンクはお断りします。
また、著作権を放棄しているわけではありませんので無断引用もお断りします。
そんなにたいしたページではありませんが…(^^;)
Copyright (C) 1998 T.Matsumoto. All rights reserved.
このページにでてくる製品名や名称は各社の商標や登録商標です。