ISDNからADSLへ
2002/09/16 最終更新
2002/09/16
ISDNからADSLへ(その1)
- ひょんなことからISDNからADSLへ移行しようと思い立った。理由は簡単である。愛用していたTA(ターミナル・アダプタ)が壊れてしまったのだ。1996年8月に54,270円で購入した物なので6年も働いてくれたことになる。今年の夏は天候が不順でヨーロッパでは百年に一度の大洪水が起きているが、日本は3年続きの猛暑である。ヒートアイランド現象が高じたのか夕立ちならぬ豪雨に見舞われることも多い。その際に雷が発生していたのだが、そのサージにやられたらしい。雷が近そうな場合には電話線を抜くなど対策していたつもりだったが、雷が鳴ってからでは遅いようだ。NTTにチェックをお願いしたら回線には異常がないのでTAが壊れていたというわけだ。
- NTTの対応は非常に良く、公衆電話から電話したところ1時間ちょっとで確認にきてくれた。(厳密にはNTTから請け負っている業者の担当者が来てくれたのだが、以下でもNTTと書くことにする。)やはり、私に限らず雷が原因でかなりのTAが壊れているらしい。私もそれは知ってはいたのだがサージ・プロテクタなどは使っていなかった。やはり、備えは日頃からしておくものだ。
- さて、先日CRTモニタが壊れた際にも思ったのだが、壊れた際を見越して対策を検討しておく必要がある。私の使っている機器類は今ではレガシーなものばかりになっているので、単純に買い換えるわけにはいかないからだ。CRTモニタは未だに販売されてはいるが、主流はLCDモニタに移行している。TAも健在ではあるが、主流はADSLモデムやADSLルータ、無線LANルータなどに移行している。SCSI機器はUSB2.0やIEEE1394(FireWire)で接続する機器に取って代わられつつある。CD-ROMドライブも今ではDVD-ROMドライブやCD-RWドライブ、DVD-Rドライブ、Super Driveというような書き込みのできるドライブに移行している。もちろん、パソコン本体も大きく変わっており、システムバスの速度やメモリの仕様、HDDのインターフェース速度も変わり、グラフィックカードも2Dから3D仕様に変わっている。
- そのような状況では「単純に買い換える」ことは簡単ではない。今回は近所のパソコンショップに代わりのTAを買いに行ったのだが、TA単体の製品の在庫を見つけることができなかった。TA内蔵のブロードバンド・ルータなどはあったのだが、それも多くはなかったのだ。また、TA単体の製品の価格とADSLモデム内蔵のブロードバンド・ルータの価格差に驚いた。TA単体の価格は15,000円程度であり、6年前とは比べものにならないくらい安くなっている。しかし、ADSLモデムが10,000円程度、ADSLモデム付きのブロードバンド・ルーターが24,000円程度で買えてしまうとしたら、ISDNにとどまれるだろうか。パソコン業界のテクノロジの進化は非常に速い。最新のテクノロジを使わないと逆にコスト・パフォーマンスが悪くなるらしい。
- ADSLはこの1年ほどで爆発的に普及している。起爆剤になったのは2001年6月に低価格を売りにスタートしたYAHOO! BBである。加入者は総務省調べで2001年11月に100万人、2002年2月には200万人、2002年の5月には300万人を超え、急増を続けている。ADSLは交換局との距離などにより利用可能エリアに制約があることから現状では加入者数はISDNにはまだまだ及ばないが、それほど遠くない将来に逆転するのは確実である。
- NTTに問い合わせると懇切丁寧にFlet's ADSLについて説明してくれた。プロバイダさえ対応していればそれほど費用をかけないで移行できるようだ。また、私の住んでいる地域では1週間程度で開通できるらしい。それならADSLにしようと思ったわけである。
- ただ、私は先に書いたような壊れた際の検討をしていなかった。MacintoshでADSLをするにはどうすれば良いのか。何が必要なのか。これがよくわからないのだ。NTTの対応は非常に良いのだが、電話での受け答えでは十分な情報が得られない。しかし、例のマイライン競争でNTTの営業所はほとんどリストラされてしまい、私の近所には1つもなくなってしまっている。そのため、Macintosh情報誌のバックナンバーを見ながら勉強中である。悲しいかなブロードバンド情報誌はWindowsの記事だらけでほとんど参考にならないのだ。インターネットに接続できないのはこういう調べ物の時にとても不便だと痛感する。また、TAが壊れていると電話も不通になってしまう。早く何とかしなければならない。
ISDNからADSLへ(その2)
- さて、NTTにTAが壊れていると言われても一応確認したいのが人情だ。取扱説明書通りに自己診断機能を試すと「OK」なのだ。本当に壊れているのか電話で問い合わせてみたのだが、6年前の取扱説明書は無力だった。記載されている近隣のサービスステーションの電話はつながらなかった。6年も経つとサービスステーションも移転したり廃止されたりするのだろう。不景気な昨今は特にサービスコストが切り捨てられる傾向が強いようだ。
- インターネットに接続できないので、ホームページで最新のサービスステーションを確認するわけにもいかない。そこで、秋葉原のNECのサービスステーションにTAを持ち込んでみることにした。以前にサービスステーションがあった所がゲームセンターになっていて驚いたが、別の場所でちゃんと営業してくれており安心した。秋葉原のサービスステーションを閉めるざるを得ないようなメーカは危ないからだ。余談はさておき、見てもらったところ、やはり故障していた。自己診断ではOKなのだが、ISDNの信号を受ける部分などが損傷しているらしい。複雑な電子機器共通のことだが「修理」は不能で「交換」になるそうだ。少なくとも10,000円以上の修理費がかかるらしい。まあ、基板上の壊れた電子部品を特定し、交換するのは多大な手間がかかる。基板ごと「交換」する方が簡単でコストも安いのだ。残念だが10,000円以上かかるのなら新品を買った方が良いようだ。
- 秋葉原まで来ればTAもたくさん販売しているかと期待したが、近所のパソコンショップと大差なかった。NTT-MEのモデルぐらいしか置いていないのだ。NECのカタログにはAtermシリーズは健在なのだが、在庫がない。Macintosh専門店ではMac OS Xとの互換性を優先するため、対応を明言しているNTT-MEの製品を推しているそうだが、他のパソコンショップでもNTT-MEかOMRONのモデルぐらいしか置いていなかった。単なるモデルチェンジによる一時的な在庫入れ替えかもしれないが、既にADSLの時代になっていたのだと痛感してしまった。
- 仕方なくADSLの情報を収集する。知らないことは店員さんに聞くに限る。秋葉原は大きく変わりつつありMacintosh専門店は減ってきている。テナント料の安いビルへ移転したりして場所が変わっているぐらいなら良いのだが、力のないところが撤退しているようなのだ。それほどMacintoshマーケットが儲からないということだろうか。それとも、パソコン・マーケット自体が儲からなくなっているのかもしれない。秋葉原は「家電の街」から「パソコン・ゲームの街」「ケータイの街」に変わってきた。ケータイも頭打ちでゲームはPlay Station 2の一人勝ちとなれば秋葉原も変化を余儀なくされるのだろうか。まあ、そうやって変わりながら発展した街なので心配は不要かもしれない。
- さて、数少なくなってきたMacintosh専門店だが、私が店員がよく勉強していると思っているお勧めのショップはLAOX Mac館とIKESHOPである。LAOX Mac館は移転・縮小してはいるが両方とも秋葉原では老舗である。つまるところ、ADSLといってもFlet's ADSLやeAccess、YAHOO! BBなどいくつか種類があり、ADSLモデムにはそれぞれ互換性がないらしい。また、スピード競争で1.5Mbpsから8Mbps、そして、12Mbpsと速度が上がっていくのでADSLモデムが陳腐化する可能性も高い。そのため、ADSLモデム自体は接続事業社からのレンタルが主流だそうだ。また、パソコン1台だけでADSLに接続するなら全てレンタルで事足りてしまうのだ。スプリッターとADSLモデムをレンタルしてもNTTのFlet's ADSLの場合は月々490円で済んでしまう。市販のADSLモデムが10,000円とすれば約20ヶ月分だが、その頃には新しいサービスが始まっているかもしれないわけだ。
- では、ショップは何を販売しているかというと、ブロードバンド・ルータである。これは複数のパソコンから同時にADSLモデム経由でインターネットに接続する際の必需品である。これにISDNのTAが内蔵されていたり、ADSLモデムが内蔵されていたり、無線LANが内蔵されていたりするわけだ。ただ、どちらにしても機器は先にADSLを申し込んで各種チェックを受けて問題なく開通できてから買うものらしい。というわけで、何も買わずに店を後にすることになった。まずはNTTとのFlet's ADSLの契約を済ませなければならない。そして、その前にプロバイダのBekkoame InternetがFlet's ADSLに8Mbpsで対応できているかもチェックしなければならないのである。NTTはともかく、Bekkoame Internetのサポートにも電話をしてみなければならない。こういう時のためにユーザサポートの電話番号ぐらいは控えておくべきだろう。私の場合は幸いにも契約を更新したばかりだったので、その案内に番号が記載されていたので何とかなりそうだ。
- 秋葉原には中古ショップも存在する。以前に比べて数は減ったものの残っている何店かをまわってみた。安い中古のTAがあれば、とりあえず電話とインターネット接続を復旧できるからだ。しかし、元よりMacintosh関連の中古品はそれほど数がない。IBM-PC/AT関連の中古ショップで売られているものの場合、仕様的には使えるはずだが、Macintosh用のドライバーやユーティリティが付属していないことが多いのだ。インターネットに接続できなければダウンロードすることもできない。しかし、そんな心配は無用だった。そもそもTAの中古品など存在しないらしい。ついに発見できなかったのだ。
- 最後の頼みはジャンクである。秋葉原では路上でジャンクを売っている。いや、ジャンクではなく中古品なのだろうが、いかにもあやしい。中には中古ソフトを売っているところもあるが、CD-Rにコピーした違法ソフトを販売していたりするところもあるので要注意である。最近は片言の日本語で商売している店が多いようである。骨董品のようなノートパソコンなどが売られていたり、ケーブルやらコネクタ、ドライブ、カードなどもあるのだが、ノートパソコン以外はほとんど動作チェックは不可能である。そのため、私にとってはジャンクなのだ。
- いくつかまわってTAを発見した。同じNECの一世代後のAterm IT55 DSUなので、ソフトやケーブルがなくても使えそうだ。ただし、動けばである。「これ、ジャンクなの?」「いや、大丈夫」「いくら?」「300円」「えっ……」という片言の会話の末、315円で購入した。まあ、家に帰るまでの淡い期待の値段と思えば安いものだ。しかし、こんな売り方をしなければならないということは中古店でTAを売らないのもわかる気がする。つまり、マーケットとして成り立っていないのだ。しかし、私のように緊急に代替機が必要なユーザは多いと思うのだが、成り立たないとは不思議なものである。
- さて、税込み315円のTAだが、無事に動いてしまった。う〜ん。このまま使うか、ADSLに移行するか。頭の痛いところである。ただ、危機管理として、このTAが壊れた場合に速やかにADSLに移行できる準備はしておかなければならない。もう少し続けてみたい。
ISDNからADSLへ(その3)
- とりあえず復旧したISDNだが、冷静にADSLの検討をしてみよう。私はISDNのテレホーダイに加入しているので、23:00〜8:00は接続しっぱなしでも定額なのだが、ADSLは常時接続なので時間制限がない。また、当然ながらISDNは最大でも64Kbpsなのだが、ADSLなら最大8Mbpsである。もちろん、速度保証はないわけだが、KbpsとMbpsでは桁が違うのは確かだ。ADSLのメリットを簡単にまとめるならば、以下の通りになるだろう。
- ISDNに対して接続速度が桁違いに速く、ストリーミング映像などのブロードバンド・コンテンツもストレスなく見ることができる
- Flet's ISDNもそうだが、常時接続が可能なのでテレホーダイのような時間的制約がなく、寝不足にならない(笑)
- つまり、スペック的にADSLはISDNを超えてしまっているのである。では、コスト的にはどうだろう。コストパフォーマンスが悪ければいくら優れていても使えないかもしれないからだ。
ISDN vs. ADSLコスト比較(月額)
月額 |
ISDN(INS64) |
Flet's ISDN |
Flet's ADSL(8M) |
回線使用料 |
\2,830 |
\2,830 |
\1,750 |
屋内配線使用料 |
\60 |
\60 |
\60 |
INSテレホーダイ |
\2,400 |
\0 |
\0 |
Flet's契約 |
\0 |
\2,800 |
\3,100 |
マイライン割引 |
\0 |
\-280 |
\-310 |
機器使用料 |
\0 |
\0 |
\490 |
Bekkoame契約 |
\2,000 |
\2,000 |
\1,780 |
合計 |
\7,290 |
\7,410 |
\6,870 |
- 正直なところ、計算してみて驚いた。参考までにFlet's ISDNの費用も計算してみたが、Flet's ADSLの方が安いのだ。これ以外に工事費用(\3,000)+ADSL契約費用(\800)+マイライン契約費用(\800)で\4,600が必要になるが、スペックで勝り、コストで勝っているわけだ。これでは新規契約者はADSLを選択するのに決まっている。
- まず、感じたのはテレホーダイというサービスのメリットがほとんどなくなっているということだ。もちろん、テレホーダイは音声通話に適用することも可能なのだが、時間帯を考えるとインターネット接続が中心だと思われる。Flet's ISDNであってもテレホーダイと大差ない価格であるわけで、さっさと変更しておけば良かったと痛感する。まあ、これも競争によるコストダウンの結果であり、Flet'sの価格がここまで安くなったのは最近のことではある。6年前には想像すらできなかったことだ。
- 私の場合、交換局からの距離が近いこともあり、早速Flet's ADSLに申し込むことにした。NTTの窓口で話しながら契約をしたいと思ったので電車に乗って窓口まで出向くことにした。やはり、「116番」をダイヤルして電話で申し込むよりも担当者と面と向かう方が確実である。定型作業であってもコミュニケーションは思ったより難しいものだ。
- さて、私の場合はISDN導入時に電話番号が変わったのだが、今回アナログ回線に戻すにあたって再度番号が変わってしまった。今の番号がISDN専用番号だということなので仕方がない。前に使っていたアナログ回線の番号は既に他の人が使っているらしい。
- 窓口の担当者の話では1週間程度でADSLに変更可能らしく、費用も上記と変わらなかった。ISDNのテレホーダイ契約は月次なので、途中解除はできないらしい。まあ、仕方がないだろう。かつて、YAHOO! BBがスタートしたときに工事期間で大騒ぎになったことを思えば落ち着いたもので、予想以上に早く開通するようだ。マイラインの登録も行い、30分程度で手続きは完了した。
- また、プロバイダのBekkoame Internetは1.5Mだけでなく、8MのADSLに対応していた。また、Flet'sサービスへの移行を促進しているようで、コースの変更費用などが不要のキャンペーンを行っている。Flet'sの方がプロバイダの負担が少ないのか、あるいは、儲かるのだろうか。何はともあれユーザとしてはうれしい限りである。
- Bekkoame InternetへのFlet's ADSLへの契約変更をFAXで依頼したので、1週間程度で接続キットなどが送られてくるだろう。NTTからも数日でスプリッターとADSLモデムなどとともに接続キットが送られてくるはずである。さて、うまく接続できるのだろうか。
ISDNからADSLへ(その4)
- ADSLの開通を待っていたらNTTが「Flet's ADSL」のキャンペーンを始めた。何と最初の3ヶ月間を3,100円のところ2,300円に割り引くそうだ。9月2日からスタートするこのキャンペーンは私には適用されない。その前に申し込んでいたからだ。何とタイミングの悪いことか。
- ただ、まだFlet's ADSLにしていないサービスエリア内の方にはチャンスである。このキャンペーンは12月31日までなので検討されることをお勧めする。申し込みが殺到した場合、回線工事が混むことも予想される。早めの決断が大切だ。
- そして、追い打ちをかけるようにつまらないトラブルが起こった。NTTからは早々にADSL接続キットやADSLモデム、スプリッターが届いたのだが、プロバイダから接続用のアカウントが届かないのだ。ほぼ同時に申し込んでいたのだが、手続きに時間がかかるのだろうか。料金についての銀行届出用紙だけはさっさと送ってきたのだが……(笑)ホームページの案内には「お申し込み当日より1週間程度でお届け」とあったのだが、別のページには「ご利用開始はお申し込み日より10日〜2週間ほどかかります」とあるのを見つけてしまった。老舗のプロバイダなのだが、お粗末なことだ。
- さて、どうなったかというと、無事にADSL回線に切り替わったらしい。スプリッターに接続した電話も使えるようだし、モデムのLINEランプも無事に点灯した。ADSLモデムを接続した直後にはLINEランプが点滅しっぱなしなので心配していたが、1時間ぐらいして点灯に変わった。マニュアルには「回線のトレーニング中です」とあるが、何をトレーニングしていたのだろう。しかし、アカウントがないので、インターネットに接続できない状態になってしまっている。まったく、何をやっているのだか……(苦笑)
ISDNからADSLへ(その5)
- 申し込んで2週間。ようやくプロバイダからアカウントが届いた。そして、フレッツ接続ツールをインストールして接続しようとしたのだが……つながらない。正直なところ焦ってしまった。Macintosh歴10年、ISDN歴6年を誇る私としては簡単に接続できると思っていたのだが、手荒いADSLの洗礼を受けることになってしまった。
- いろいろ問い合わせしてわかったのだが、そもそもADSL回線が開通していないようだ。何のことはない。ADSLモデムのLINEランプが1時間も点滅状態というのは「異常」だそうだ。確かにマニュアルには「数分で点灯」とある。ADSLの経験がないので、これが「異常」とは気がつかなかったわけだ。そもそもアカウントが無くてもADSLの開通試験は可能なのだ。NTTのフレッツ・スクエアへ接続を試みればよい。私は「プロバイダのアカウントが無ければフレッツ・スクエアへも接続できないのだろう」と勝手に思いこんでいたのである。無知とは何とも恐ろしい。(笑)
- コストでもスピードでも利便性でもISDNを超えてしまったADSLだが、それは接続できてこそである。接続できなければそれらのメリットを受けることはできない。NTTのADSL故障受付のフリーダイアルやセットアップ・接続相談のフリーダイアルはほとんどつながらず、不具合があることを伝えるだけでも四苦八苦することになった。拡大キャンペーンもスタートしたのだからスタッフを増員すべきだろう。
- さらに、不具合の確認のために家まで来てくれるのは良いのだが、「平日の9:00から17:00まで」とは驚いた。私のような独り者の会社員には不可能なアポイントメントだ。NTTの担当者も平身低頭で応対してくれているのだが、その時間ではどうしようもない。このあたりは「電電公社」だと思ってしまった。サービス業なのだから土日の交代サービス要員ぐらいは確保して欲しいものだ。お願いしたところ、平日の19:00に来てくれることになった。私も仕事を終えて戻れるぎりぎりの時間であるが、サービス担当者が残業対応してくれるようだ。何はともあれ助かった。
- いろいろ聞いてみると、電話回線を他のことに使っていると不具合が起こるそうである。たとえば、ガスの検診システムとつながっていたり、インターホンと兼用だったりするとトラブルになるそうだ。しかし、見たところ単にモジュラージャックがあるだけなので、そういうことでもないようだ。8Mタイプだとノイズに弱いらしいが、交換局から1.45kmしか離れていない好条件だけににわかに信じられない。また、電話回線は通常2回線ペアになっているそうだが、そのもう1本がISDNに利用されていたりするとダメだったり、交換局までの電話線の一部に光ファイバが入っていても問題になることがあるらしい。
- しかし、そういうことは契約する前にNTTが調べることではないのだろうか。商品を販売する前に使えるか否か(壊れていないか)を確認するのは基本のはずだ。わざわざNTTのFlet's ADSLを選択したのも回線を持っているのがNTTだからそのあたりのトラブルはないだろうと思ったからなのだ。
- 電話工事をして回線を施設している当事者なのにその内容がわからないとは……。NTTに過大な期待をしていたのかもしれない。ただ、今のようなコンピュータ時代ならともかく、10年前なら紙の手書きの書類で管理していたのだろうから、それらがデータベース化されていないのも仕方がないのかもしれない。膨大な長さの回線をメンテナンスするのは大変である。私はデータベースに基づいて古いものから順次メンテナンスしているのかと思ったのだが、不具合があったら修理するという「モグラたたき方式」なのかもしれないと背筋が寒くなってしまった。電話線は情報通信の生命線なのだ。もう少し何とかならないものだろうか。
ISDNからADSLへ(その6)
- さて、NTTがADSLのチェックに来てくれた。結論から書くと簡単に開通してしまったのだ。原因はガスの検針システムだった。私は全く勘違いしていたのだが、「検診」ではなく「検針」システムだった。私のアパートはプロパンガスなのだが、そのガスの残量をガス会社に電話線を使って通知するシステムらしい。ガス漏れ警報システムのようなものではないのだそうだ。当然ながら屋外のプロパンガス・ボンベのそばにあり、屋外で電話線につながっているものらしい。私のような素人にはわからないはずだ。スプリッターの手前にそういうものがあるとADSLは開通しないそうだ。ただ、このような不具合はよくあることで、ADSL不通の原因の大半がガスの検針システムだそうだ。
- 借家なので「大丈夫かなあ」と思っていたらNTTの担当者は「他でもたくさん同じ工事をしていますから」とあっさり検針システムを外してしまったようだ。大丈夫らしい。ただ、ガス会社には「ADSL回線を繋ぐために検針システムを外しました」と通知しなければならないそうだ。まあ、当然ではある。ガス会社の方には申し訳ないが、毎月ガスメータを見に来ていただくことになるようだ。このあたりはNTTの電話線の使用権はどこにあるのかと疑問に思ったのだが、つまるところ、電話契約者である私の意向が最優先されるようだ。もちろん、借家なので契約解除時には元に戻さなければならないのは当然のことだ。
- 10分程度の簡単な工事と確認作業でADSLモデムのリンクランプは点灯した。通常は1分半程度で点灯するらしく、その通りになった。フレッツ接続ツールを起動すると簡単に接続された。もしかしたら工事費用1,200円と作業手当4,500円が請求されるかもしれないとのことだが、その場合は電話代の請求書に上乗せされるそうだ。今回はいろいろ契約したので電話代の請求書がちょっと怖い。
- (その5)でNTTが電話回線の状況を把握していないのは問題だということを書いたが、ガス会社が検針システムをつけているか否かはNTTにはわかっていないようだ。屋外の電話線が誰のものかが問題のなのだが、敷地内の電話線は家の持ち主のものなのか、NTTの持ち物なのかは私にはわからない。ただ、屋内配線についての使用料をNTTに月に60円ほど払っているわけだから、敷地内であっても屋外の電話線もNTTのもののように思える。それならば、ガス会社に検針システムをつける際にはNTTに届けるように義務づければ、ADSL契約時に「あなたの場合にはガス検針システムを外す必要があるので工事費用でxxxx円かかります」と明確になるのだが、そういうものではないのだろうか。
- 翌日にガス会社に連絡したところ、検針システムを外したことは何の問題もなかった。というよりも、ガス会社も検針システムを使用していなかったのだ。確かに毎月ポストにガス使用量をプリントした短冊状の感熱紙が入っている。これはガス会社の係員が毎月ガスメータを見てハンディ・ターミナルからプリントアウトしたものらしい。つまり、既に係員が毎月検針に来てくれていたわけだ。
- ともあれ、無事に開通したのでスピードを測ってみた。Flet's ADSLのページに接続すると測定できるのだ。少なくとも平均で約2,000Kbpsのスピードは出ているらしい。ISDNが最大で64Kbpsだから30倍以上である。試しに最新版のNetscape Communicator 4.8Eをダウンロードしてみたところ16,084KBのデータを2分25秒(145秒)で完了した。これを計算すると約887Kbpsということになる。接続先のサーバの混み具合などにも影響されるのだろうが、900Kbpsとしても14倍である。また、Netscape Communicator上では400K/秒程度と表示される場合もあり、この場合は3,200Kbpsになる。もちろん、体感的にも非常に早い。会社のインターネットは専用線だが、それよりも早いのである。さすがにブロードバンドである。
- 最後にADSL開通までのタイムテーブルを載せておこう。
- 第 1日(火):NTT窓口でFlet's ADSLを申し込む(接続日を第11日目に指定)
- 第 2日(水):プロバイダのBekkoame InternetにFlet's ADSLへの変更をFAXで申し込む
- 第 3日(木):
- 第 4日(金):NTTからフレッツ接続ツールや接続マニュアルが届く
- 第 5日(土):
- 第 6日(日):
- 第 7日(月):
- 第 8日(火):NTTからADSLモデムが届く
- 第 9日(水):Bekkoame Internetから銀行振替届の用紙が届く
- 第10日(木):
- 第11日(金):NTTがADSL回線へ切り替え(接続できず)
- 第12日(土):
- 第13日(日):
- 第14日(月):
- 第15日(火):
- 第16日(水):Bekkoame Internetからアカウントが届く
- 第17日(木):NTTへADSL不通の連絡をする
- 第18日(金):
- 第19日(土):
- 第20日(日):
- 第21日(月):
- 第22日(火):NTTがガス検針システムを外してADSL開通
- まあ、3週間かかったわけだが、私がNTTへ第11日目に不通の連絡をしていれば、もう少し早く開通できたことになるわけだ。何はともあれ無事に開通できたのでホッとしている。これから少しずつADSLの作法にも慣れていこうと思う。ダイアルアップ接続と違って常時接続の場合どうすれば良いのかよくわかっていないのだ。全くの初心者である。
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