人体展!

2003年11月26日

中は撮影禁止なので、パンフの写真をば。



本物の人間の人体標本が飾られてます。
ホルマリン漬けではなく「プラストミック」なる最新技術により匂いもなく、
手で触っても汚れる事なく、また弾力性に富み、じかに触れて観察でき、
常温で半永久的に保存できる画期的な人体標本です。
展示物、すべて本物。

人体の不思議展
http://www.jintai.co.jp/
から「標本」をたどってもらえると、どんなものなのかがわかります。

休日は混むというので、年休もとれたことだし、今日、行ってきました。
場所は、有楽町の国際フォーラム。

以前、1995年に上野の国立科学博物館で「人体の世界展」というのが開催されていて、
その時も、プラスティネーションなるものが展示されていた。

今回の「人体の不思議展」は、
『本物の人体「プラストミック」解剖標本を一般大公開!』なんて、
さも「初公開!ばばーん!」みたいに書いてあるので
もしかして、もっと種類が多い or 本邦初公開モノがある etc...
などと想像をめぐらせ、前述の上野の時も見に行ったのであるが
今回のにも行ってみることにした。

いやさー、平日だっちゅーのに、すんごく混んでるのよ。
ショーケースの中に、内臓その他が陳列されてるんだけど、全然見えないっちゅーの。

しかも、台の下から蛍光灯らしきライトで照らしてるんだけど、明るすぎて、
ショーケースを上からのぞくとまぶしくて内臓が影になっちゃって、詳細部がよく見えないの。
私だけ?

展示物は、感想を一言でいっちゃうと、内容は昔、上野で見たののほうが良かった‥‥
夏目漱石の脳みそのホルマリン漬けとかあったし。
初めて見たから、記憶に残ってるだけかなぁ?
展示数も全然多かった気がする。

だけど、全身、ほんとにくまなく展示してあった。
頭からいくと、脳から耳や目周辺から、内臓は肺やら胃やら心臓やら肝臓やら。
病気にかかってる内臓とか、タバコのせいで真っ黒になってる肺とか。
全身の筋肉・神経・骨ももちろん。
生物の教科書 or 人体の図鑑に出てるようなやつね。それも本物。
あとは、生殖器もあった。男女とも。3〜10ヶ月の胎児も展示してあった。
これは、前回なかったこともあって、ちょっと衝撃だった。

あと、今回初だったのは、展示物に触れるコーナーがあったこと。
脳みそにも触っちゃった。筋肉は柔らかかった。
この人は、まさか死後に、大勢の人に触られるなんて思ってなかっただろうなぁ、
献体したことを後悔してないかな、なんて余計なことも考えたりした。

げげーって思う人いるかもしれないけれど、私は、血とかスプラッタものとか大嫌い。
採血する時も、絶対に注射見ないし。
でも、そういうのが嫌いでも、コレは全然違うモノなので、全然平気。
人間ってすごい、って、ほんとに思う。
当たり前の感想をただただ、心から実感する。
体を大事にしないと!って思える。

前にも書いたけど、全部本物。
今回は、献体してくださった方々を、こういう風に
中だったり、筋肉だったりが見えるように加工したものを飾っている、と書いてあった。

だけど、上野の時は、「献体してくださった囚人の体も使っている」と書いてあった。
もちろん、囚人と言えども、本人 & 家族の承諾があって使っているはず。
囚人を使うのは賛否両論あるかもしれないけれど、
私は死んだ後に自分の体を使ってください、と言った、その囚人の人の気持ちがすごいと思った。
死後は役に立つことを‥‥と
思ったかどうかは定かではないけれど、また、ちゃんとそれを書いてある上野の展示はすごいと思った。
今回のは、「献体をしてくださった方」というようなぼかした書き方だったので詳しくはわからない。
もしかしたら、どこかに書いてあったかもしれないけど。

あと、上野の時は、全身を展示してある(でも、筋肉が見えるように表皮が取り払われていたり、
内臓が見えるように加工されているのだが)場合は仮名がついていた。「ジョージ」とかそんな感じ。
でも、今回はそういうのはなかった。それもちょっと残念。

あと、関係ないけど、スペースの関係でしょうがないのかもしれないけど中にロッカーもトイレもない、
おまけに再入場不可ってひどくない?


ところで、今日、来ていた人は、一般人っぽいカップルやら、熟年夫婦やらがおおかった。
熟年おばさんのふたり連れとかもいたけど。
一人で来てる人は少なかった。若い男の子(高校生?)とかおじさんとか。(^_^;

ひとりで来ていたおじさんが、まわりにいる人に話しかけていて順路でまわるせいで、
近くになることが多かったのだが、胎児の展示コーナーで
「10ヶ月だとあんなに大きいんだね。
あんなに大きいのが生まれるなんて、だから生む時痛いんだね。
女性は大変だぁね」
と近くにいたおばさんに話しかけていた。
おばさんはちょっと困ったようだったけれど「ほんとですね〜」って他人事みたいに答えていた。
生んだことがあるなら「そうなんですよ!大変なんですよ!」くらい言って欲しかった。

カップルは、絵の展示会同様、うんちく野郎が多かった。
たまたま近くになった人だけかもしれないけど、「あー、これが肝臓だね」とかいちいち言ってるの。
言われなくても、展示物の脇の説明に書いてあるっちゅーねん。
でも、彼女に「すい臓ってどこ?」とか突っ込んだ質問されて、答えられてなかったり。

あと、なんで来てるの、あなたたち?というカップル。
女の子のほうが「うわーうわーうわー」ばっかり言ってて、それも大きい声で、彼氏に
「ねぇねぇ、自分がこういう風に(加工)されるならどれがいい?」
とか聞いてるの。おいおいおいおい‥‥
「この人、顔こわーい」とか「頭に毛が残ってるー」とかそんな感想ばっかり言っていた。
イヤだったので、途中で離れたけど。

かと思えば、大学生に成り立てとおぼしき女の子ふたりは、
ひとりの子が片手に「見てわかる人体解剖」という参考書を持っていて
もうひとりの子が、直筆と思われるノート(たぶん授業のノート)を持っていて、
場所場所で、それらを開いて「あー、これが●●なんだね」と真剣に見ていた。
そして「やっぱ、本物見ると違うよね」と言っていた。
おねーさんは感心したぞ。がんばれ。

って、私も何見てるんだか。
ひとりだと、まわりの声が聞こえてくるので、気になっちゃうんだよね。

総合感想:
行ったことない人は、後学のために是非どうぞ。
でも、上野の時ほうが全然良かったなぁ‥‥ 残念。

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