見たまま作文 

  No.957
  題名 チャピーの思い込み(再編)
  書込日 07-07-14
チャピーの思い込み

 チャピーは15〜6才になる老猫である。最近は引き籠もり、静かにしていることが目立って多くなった。元々狭かった屋外の行動範囲もさらに狭くなった。それを見ていると、人の老いと同じように見えてくる。

 だが、人を見る目は一向に変わっていない。私はチャピーにとって“主人”である。いつも一目置かれている。寒い日帰宅すると、妻に許されて椅子の上で丸まっていることがあるが、私を目にすると、「乗っていてもいいでしょ」と許しを乞う目をする。
 書斎のドアーを開けていると、入口で「入ってもいい?」という目をする。朝の忙しい時、チャピーが動線(人が部屋を動き回る通路)に座りこんでいることがある。そこを動き回ると「うるさくて我慢ならぬ」とでもいうように引っ掻こうとする。強く「ダメッ」と叱ると、無念そうに退いていく。

 だが息子はチャピーにとって、いまも子供であり、友だちである。もらってきたとき小学4年生だったので、チャピーにとっても子供や友達に見えていたのだろう。だが、あれから15〜6年、息子は大きくなったのに、チャピーには子供のままである。だから、息子にからかわれようものなら、根に持って、どこまでも追いかける。動線の話では、食らいついていく。

 やはり、猫はしょせん猫だ。
  (1997-12-25)再編(2007-07-12)