見たまま作文 

  No.939
  題名 路線バスに乗った昔少女
  書込日 07-05-24
路線バスに乗った昔少女

 杖をついた高齢の女性がバスに乗ってきた。手に大きな荷物を下げている。そして、運転席の反対側にある一番前の、他の席よりも高くなっている席によじ登って座った。バスはガラガラに空いていた。4席ある優先席も。「・・・・・・!」。

 女性がちゃんと座るのを見届けてからバスは走り出した。女性は大きな荷物を膝の上に乗せ、楽しそうに前を向いている。「そうか、昔少女なんだ!」。

 ノンステップバスだった。バスの乗降口と歩道にほとんど段差がない。そのため前の車輪の上にある先頭の席は通路より二段高くなっている。そこに座るには、席につかまりながら2段の階段を登らなければならないのだ。

 3つ目のバス停留所で昔少女は降りた。大きな荷物を抱えて高い席から降りるのにも時間がかかった。そして、杖をつきながら、よろよろとバスから離れた。運転手はそれを待ってからバスを発車させた。

 女性にも、いくつになっても“昔少女”がいるんだ!。
(07-05-23)