見たまま作文 

  No.938
  題名 カエルの青白い目を写す
  書込日 07-05-23
カエルの青白い目を写す

 「あっ、カエル!?」。用水路の石垣の間にチラッと白いものが見えた。石垣の間をじっと見つめる。鳴いていたカエルの喉にちがいない。中になにかいるようだ。3メートルほど離れた所から光学3倍ズームにして写す。さらに、散策路の手すりにカメラをしっかり置きデジタル4倍ズームで写す。なにか写っているはずだ。

 ここ横浜市寺家ふるさと村は昔ながらの田園風景を残している。いまは代掻きがはじまったところ。昔を懐かしみながら田んぼの横にある遊歩道をのんびり歩く。カエルがケロロッケロロッと騒がしい。その前を通ると鳴き声がぴたりと止む。立ち去ってもしばらく鳴き出すことはない。すごく神経質なカエルだ。一度も姿を見たことはない。
 3年前、どうしても見てやろうと、鳴いていた近くの畔に椅子を置き、1時間ほどじっとしていたことがある。だが、姿を見せなかった。

 期待に胸を膨らませながらカメラの映像をパソコンに取り込む。「おっ!、写っている」。10枚ほど写した中に一枚だけ、石垣の間に青白く光る二つの目が写っている。目が黒で縁取られている。カエルにちがい!。五行歌を詠む。
  ケロロッケロロッと
  騒がしいカエル
  近寄るとピタリと止む
  石垣の間から
  じっと外を窺っている

 (「見たまんま写真五行歌」No.888「青い目のカエル」)。

 二日後、同じ石垣の間を見に行く。「いたっ!」。緑色のカエルが少し頭を出している。アマガエルのようだ。そんな馬鹿な。ケロロッケロロッがアマガエルだとはとても信じられない。小さな体からは想像もつかないような大きな声だ。

 腕章をしてゴミを拾っている年配の人と出会った。ボランテアだという。カエルの話をすると「それはシュレーゲルアオガエルだ」と教えてくれた。姿を見ることは滅多にないという。

 寺家ふるさと村の管理事務所で文献を調べると、たしかにシュレーゲルアオガエルと分かった。アマガエルよりひと回り大きく、田植えの頃コロコロと美しい声で鳴き、田んぼの畔に穴を堀り産卵するとあった。

 ラッキーが重なり美しい声の主が分かった。
                    (2007-05-20)