見たまま作文 

  No.917
  題名 朗らかに生きましょう
  書込日 07-04-09
朗らかに生きましょう

 〜“古稀の祝”の席でちか子さんがお話されたことを無理にお願いして作文していただいたものです。夢か現実かは分りません〜

 あれは中学の時だったと思う。

 風もなく、太陽がカ〜ッと照りつけるでもない、ぼんやりと暖かく、日なたぼっこでも楽しみたいような、そんな昼下がり。
 私はなぜか、学校から離れて一人新町の孝ちゃんちの方から学校に向かって歩いていた。南北にのびた田舎道には、人っこ一人歩いていなかった。何とはなく後ろを振り向くと、上体は裸で、布袋さんのような、大きなつやゝかなお腹の下に、荒縄を巻いて、両腕をひらき、右・左と、それも足もゆっくりと調子をとりながら、声高らかに「朗らかに生きましょう」「朗らかに生きましょう」と連呼しながら、上町の方に向かって立ち去った。
 私は釘づけのようになりおじさんを見送った。

 その光景に出遇ってから、私の人生も六十年を数えようとしている。その間、さまざまな苦しいこと、悲しいこと、辛いことなど、たくさんの困難な時をすごしてきた。その度毎に子どもの時に出遇った不思議なおじさんのことを思い出す。

 この言葉は私の体にすみついたようで、いまでは生きる指標になっているようです。
(2007-04-06)